明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

2020-01-01から1年間の記事一覧

循環小数と余りの関係

aを10と互いに素な自然数、 pをa×p+1 が10の倍数になる1桁の正の数、 bを、10^nをaで割ったときの余りとするとき、 b×pを10で割った余りは、1/a の小数第n位と一致することに気付きました。 例としてa=7のときを見てみます 7×7+1 が10の倍数なので、p=7…

等比と小数点 その2

「等比と小数点」で書いた内容を、分数の分母が2桁以上の場合でも考えられることに気付きました mizumiya-umi.hatenablog.com 「等比と小数点」で書いたように -10<s<10とすると 0.1+(0.1)^2×s+(0.1)^3×s^2+(0.1)^4×s^3+……=1/(10-s) となり 小数第…

パスカルの三角形の比についての証明

以前の記事「パスカルの三角形の隠れた規則」の証明をします mizumiya-umi.hatenablog.com パスカルの三角形は 1 11 121 13 3 1 1 4 6 4 1 1 5 10 10 5 1 1 6 15 20 15 6 1 1 7 21 35 35 21 7 1 1 8 28 56 70 56 28 8 1 1 9 36 84 126 12…

mod pのパスカルの三角形で全ての整数が一度ずつ現れる行があるものの証明

以前の記事、『mod pのパスカルの三角形で、全ての整数が一度ずつ現れる行のあるもの』で書いた内容を証明します mizumiya-umi.hatenablog.com pを奇素数、aをpと互いに素な整数とします 1行目にa,-aという2つの数を隣り合わせて配置したパスカルの三角形…

数列の体

以前の記事「数列の環」を踏まえて体を考えました mizumiya-umi.hatenablog.com nを整数とします n項目をa[n]とした数列A{…,a[-2],a[-1],a[0],a[1],a[2],…} n項目をb[n]とした数列B{…,b[-2],b[-1],b[0],b[1],b[2],…} の和A+Bを {…,a[-2]+b[-2],a[-1]+b[-1…

不等式の複素数への拡張

実数aより実数bが大きいときはa<b、 aよりbが小さいときはa>bと書き、このような式を不等式と言います つまり、原点から右側が正、左側が負になっている数直線で考えるとき 数直線上でaの右にbがあればa<b、aの左にbがあればa>bとなっています 原点の右…

商と余りをひっくり返す

a,b,n,x,yを正の整数、x,yはnと互いに素であるとします nの倍数をaで割った商がx、余りがy nの倍数をbで割った商がy、余りがxになるとき (ab-1)がnの倍数になることに気づきました 例えば 11を4で割った商は2、余りは3 11を3で割った商は3、余りは2で (4…

アイゼンシュタイン三角形と複素平面上のかけ算

120度の角をもつ、三辺が整数の三角形をアイゼンシュタイン三角形と言います この記事では アイゼンシュタイン三角形を120度整数三角形 60度の角をもつ三辺が整数の三角形を60度整数三角形 と呼ぶことにします i=√(-1)とし、ω=(1+(√3)i)/2とします ωは6…

原点以外を中心に回転する複素平面

zをp乗して1になる数 z^p=1(zは1でない複素数、pは2以上の整数) aを複素数とし b=( (p-1)+(p-2)z+(p-3)z^2+……+z^(p-2) )×a/p とします xを任意の複素数とするとき xz+aは、 bを中心として、複素平面上で反時計回りにxを1/p回転させた値になることに…

二重ピタゴラス操作の短縮経路 その3

前回の記事 mizumiya-umi.hatenablog.com で書いた操作[k]について新しく考えたことを書きます 操作[k]は、a^2+b^2=c^2となる組〈a,b,c〉から 〈a+z, b+kz, c+kz〉という組を作るものでした ただしzはz=ー2aー2kb+2kc と定義したもので、 (a+z)^2+(…

二重ピタゴラス操作の短縮経路 その2

前回の記事 mizumiya-umi.hatenablog.com の後半で書いた予想を証明しました a,b,cがa^2+b^2=c^2となる整数のとき z=ー2aー2kb+2kc (kは実数) とzを定義すると (a+z)^2+(b+kz)^2=(c+kz)^2 となっています (z=ーsとすれば、前回の記事の前半で証…

二重ピタゴラス操作の短縮経路

a,b,cをa^2+b^2=c^2となる整数とします s=2(a+kbーkc) (kは実数) とsを定義するとき (aーs)^2+(bーks)^2=(cーks)^2 となっていることに気付きました つまり絶対値がピタゴラス数の組a,b,cから、 絶対値がピタゴラス数の組(aーs),(bーks),(cーks)を作…

ピタゴラス数と四元数

前回の記事 mizumiya-umi.hatenablog.com のピタゴラス数と複素平面のつながりのように 4次ピタゴラス数と四元数でも同様のつながりがあることに気付きました 4次ピタゴラス数は僕の造語で a^2+b^2+c^2+d^2=e^2 を満たすような整数a,b,c,d,eの組です 四…

ピタゴラス数と複素平面

a^2+b^2=c^2となる正の整数a,b,cをピタゴラス数と呼びますが この記事では、a,b,cが負の整数や0であってもピタゴラス数と呼ぶことにします m,nを整数、iを虚数単位とするとき (m+ni)を2乗した値の、実部と虚部と絶対値はピタゴラス数の組になっています …

等比数列やe^xのべき乗と比例

f(x)=a[0]+a[1]x+a[2]x^2+a[3]x^3+a[4]x^4+… という関数f(x)があったとき {a[0],a[1],a[2],a[3],a[4],…} という関数の係数を並べた数列を、関数と同一視します 関数g(x)を g(x)=b[0]+b[1]x+b[2]x^2+b[3]x^3+b[4]x^4+… とするとき f(x)×g(x)=a[0…

三角数系やパスカルの三角形の比例

三角数系は僕の造語なので説明すると 三角数を一般次元まで拡張したものの総称です。 三角数は、小さい順に並べると 1,3,6,10,15,21,28,…… というもので、隣り合う項の差をとると 1,2,3,4,5,6,7,…… と自然数の列になります。 通常の三角数を2次三角数と呼ぶ…

等比と小数点

無限等比級数の公式より -1<r<1とするとき 1+r+r^2+r^3+r^4+……=1/(1-r)です。 例としてr=1/2を考えると 1+1/2+1/4+1/8+1/16+……=1/(1-1/2)=1/(1/2)=2 となり、これは2進数で 1.11111111……=10 と書けます。 さて、r=0.1×s(-10<s<10)…

1が並んだ数同士のかけ算 その2

前回の記事 mizumiya-umi.hatenablog.com ではレピュニット数(1のゾロ目になっている数)同士の2つのかけ算を考えました。 今回は主に3つ以上のレピュニット数のかけ算を考えます。 この記事では桁の中が10以上になって繰り上がるのを避けるため 125を{1,2,5}…