以前の記事「k-フィボナッチ数列に対応するパスカルの三角形の証明」と関連しています。
[1],[2],[3],……を変数とします。
k次元パスカルの三角形は、n段目が([1]+[2]+…+[k])^n の係数になるようなものです。(nは0以上の整数)
k次元パスカルの三角形のk変数母関数は、1/(1-[1]-[2]-……-[k]) になります。
1次元パスカルの三角形は、1,1,1,1,…… と1が並ぶ数列で、
3次元パスカルの三角形は、パスカルの三角錐とも呼ばれるものです。
k次元パスカルの三角形の母関数を〔k〕と書くことにします。
つまり〔k〕=1/(1-[1]-[2]-……-[k]) です。
〔1〕の自然数乗で〔2〕が出来ること、
つまり、1次元パスカルの三角形の自然数乗で、2次元パスカルの三角形が出来ることを示します。
〔1〕+〔1〕^2×[2]+〔1〕^3×[2]^2+〔1〕^4×[2]^3+…
=〔1〕/(1-〔1〕×[2]) ※初項〔1〕公比〔1〕×[2]の無限等比級数の和なので
=1/(1/〔1〕-[2]) ※分子と分母に1/〔1〕を掛けた
=1/(1-[1]-[2]) ※1/〔1〕=1-[1] なので
=〔2〕
となり、証明できました。
〔k〕の自然数乗で〔k+1〕が出来ることも同様です。
〔k〕+〔k〕^2×[k+1]+〔k〕^3×[k+1]^2+〔k〕^4×[k+1]^3+…
=〔k〕/(1-〔k〕×[k+1]) ※初項〔k〕公比〔k〕×[k+1]の無限等比級数の和なので
=1/(1/〔k〕-[k+1]) ※分子と分母に1/〔k〕を掛けた
=1/(1-[1]-[2]-……-[k+1]) ※1/〔k〕=1-[1]-[2]-……-[k] なので
=〔k+1〕
多変数母関数を使うことで、式変形で証明できるのが楽しいです。
以上です。お読みいただきありがとうございました!