明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

k+1次元パスカルの三角形はk次元パスカルの三角形の自然数乗で出来ている

以前の記事「k-フィボナッチ数列に対応するパスカルの三角形の証明」と関連しています。

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

[1],[2],[3],……を変数とします。

k次元パスカルの三角形は、n段目が([1]+[2]+…+[k])^n の係数になるようなものです。(nは0以上の整数)

k次元パスカルの三角形のk変数母関数は、1/(1-[1]-[2]-……-[k]) になります。

 

1次元パスカルの三角形は、1,1,1,1,…… と1が並ぶ数列で、

2次元パスカルの三角形は、通常のパスカルの三角形です。

3次元パスカルの三角形は、パスカル三角錐とも呼ばれるものです。

 

k次元パスカルの三角形の母関数を〔k〕と書くことにします。

つまり〔k〕=1/(1-[1]-[2]-……-[k]) です。

 

 

〔1〕の自然数乗で〔2〕が出来ること、

つまり、1次元パスカルの三角形の自然数乗で、2次元パスカルの三角形が出来ることを示します。

〔1〕+〔1〕^2×[2]+〔1〕^3×[2]^2+〔1〕^4×[2]^3+…

=〔1〕/(1-〔1〕×[2])  ※初項〔1〕公比〔1〕×[2]の無限等比級数の和なので

=1/(1/〔1〕-[2])    ※分子と分母に1/〔1〕を掛けた

=1/(1-[1]-[2])      ※1/〔1〕=1-[1] なので

=〔2〕

となり、証明できました。

 

 

〔k〕の自然数乗で〔k+1〕が出来ることも同様です。

〔k〕+〔k〕^2×[k+1]+〔k〕^3×[k+1]^2+〔k〕^4×[k+1]^3+…

=〔k〕/(1-〔k〕×[k+1])  ※初項〔k〕公比〔k〕×[k+1]の無限等比級数の和なので

=1/(1/〔k〕-[k+1])    ※分子と分母に1/〔k〕を掛けた

=1/(1-[1]-[2]-……-[k+1])  ※1/〔k〕=1-[1]-[2]-……-[k] なので

=〔k+1〕

 

 

多変数母関数を使うことで、式変形で証明できるのが楽しいです。

以上です。お読みいただきありがとうございました!