φ=(1+√5)/2 とします。φは黄金数とも呼ばれます。
黄金数は
φ^n=φ^(n-2)+φ^(n-1)
という性質を持っています。
フィボナッチ型数列F[n]を
F[0]=1
F[n]=F[n-1]+F[n-2]
と定義します。F[1]はどんな数にしてもいいです。
任意の数xを、
x=x×φ^0 として φ^n=φ^(n-1)+φ^(n-2) を使って変形し、
x=x×F[0] として F[n]=F[n-1]+F[n-2] を使って変形するとき、
φ^kとF[k]の係数を同じにしたまま変形する事ができます。
なので、x=x×φ^0から変形させて
x=a{1}×φ^b{1}+a{2}×φ^b{2}+…+a{m}×φ^b{m}
と書けるとき、
x=a{1}×F[b{1}]+a{2}×F[b{2}]+…+a{m}×F[b{m}]
とも書けることが分かります。(b{j}は整数です)
黄金進法(φ進法)は、黄金数φのn乗をn+1桁目に置いたものです。
なので、x=a{1}×φ^b{1}+a{2}×φ^b{2}+…+a{m}×φ^b{m} は
φ進法で、b{1}+1桁目にa{1}を置いたものだと思えます。
φ進法での掛け算が十進法と同様にできることから、
F[b{j}]をφ^b{j}に置き換えても整数になるようなF[n]の和同士であれば、
通常の掛け算と、フィボナッチ積のような演算をしたときの値が同じだと分かりました。
また、
正の整数xの黄金進数の標準形(全ての桁が1か0で、1が隣り合わない形)と、
正の整数xをある隣り合わないF[n]の和で表したものを、対応させられる事も分かります。
ここから少し一般化を考えます。
トリボナッチ型数列T[n]を
T[0]=1
T[n]=T[n-1]+T[n-2]+T[n-3]
と定義し、
u^n=u^(n-1)+u^(n-2)+u^(n-3) を満たす数uを考えると
u進法とトリボナッチ型数列T[n]が対応する事も、同様にして分かります。
c,dを任意の数とし
数列E[n]を
E[0]=1
E[n]=c×E[n-1]+d×E[n-2]
と定義し
g^n=c×g^(n-1)+d×g^(n-2) を満たす数gを考えると
g進法と数列E[n]が対応する事も分かります。
シンプルに証明できましたが、面白くて不思議だなと思います。
以上です。お読みいただきありがとうございました!