明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

加法⊕を(a⊕b)^2=a^2+b^2とする体で加法的素数を考える

a,bを実数とします。
aまたはbiと書ける複素数(つまり実数または純虚数)で、aと-a、biと-biを同一視した集合Gは、
加法⊕をa⊕b=√(a^2+b^2)
乗法を通常の掛け算とすると体になります。

 

■集合Gが体であることの確認
まず、aと-aを同一視しても矛盾しないことを確認します。
a⊕b=√(a^2+b^2)
(-a)⊕b=√( (-a)^2+b^2 )=√(a^2+b^2)
なので、 a⊕b=(-a)⊕b
(-a)×b=-ab=ab=a×b (abと-abも同一視されるので)
よってaと-aを同一視しても矛盾しません。

a,bが実数及び純虚数ならa⊕bも実数及び純虚数になるので、加法⊕で閉じています。
通常の掛け算でも閉じています。


加法の単位元は0、乗法の単位元は1です。
a⊕0=√(a^2+0^2)=a
a×1=a

aの加法の逆元はaiです。
a⊕(ai)=√(a^2+(ai)^2)=√(a^2-a^2)=0

加法の結合法則は、
(a⊕b)⊕c=√(a^2+b^2)⊕c=√(a^2+b^2+c^2)
a⊕(b⊕c)=a⊕√(b^2+c^2)=√(a^2+b^2+c^2)
なので成立します。

aの乗法の逆元は1/aです。
a×1/a=1
biの乗法の逆元はi/bです。
bi×i/b=i×i=-1=1 (aと-aを同一視してるので、1と-1も同一視されます。)

分配法則も、
a×(b⊕c)=a×√(b^2+c^2)=√( (ab)^2+(ac)^2 )
ab⊕ac=√( (ab)^2+(ac)^2 )
なので成立します。
■集合Gが体であることの確認終わり

 

 

正の整数m,nでm⊕nと書けない正の整数を、加法的素数とします。
ピタゴラス数の性質より、
4n+1型素数(ピタゴラス素数)を素因数に持たない数が加法的素数です。

4n+1型素数は、乗法的には素数ですが、加法的素数にはなりません。
2や4n-1型素数は、乗法的にも加法的にも素数です。
2や4n-1型素数の積は、乗法的には合成数ですが、加法的素数です。

集合Gは加法と乗法両方に素数がある体だと思えて、面白いです。

 

 

加法⊕での素因数分解を一意的にするには、
乗法で素因数分解したあと、4n+1型素数の因数をそれぞれ加法⊕で(加法的素数だけになるまで)分解して、分配法則を使えばいいです。
ここでの一意性は、通常の素因数分解と同じく、素因数の順番を気にしません。

■例として130を加法⊕で素因数分解します。(今後は加法的素因数分解と言うことにします。)
130=2×5×13   ※乗法で素因数分解
=2×(3⊕4)×(5⊕12)  ※5^2=3^2+4^2、13^2=5^2+12^2
=2×(3⊕4)×(3⊕4⊕12) ※4n+1型素数の5があるので加法的に分解
=2×(3(3⊕4⊕12)⊕4(3⊕4⊕12))  ※分配法則
=2×( (9⊕12⊕36)⊕(12⊕16⊕48) )   ※分配法則
=18⊕24⊕72⊕24⊕32⊕96   ※分配法則
■例終わり

 

 

■この加法的素因数分解が一意的であることの確認
乗法で素因数分解することと、分配法則が一意的なのは自明です。

4n+1型素数pに対して、正の整数a,bでp^2=a^2+b^2 と一意的に表せることを示せばよいです。
ピタゴラス数の公式より、
p^2=a^2+b^2 ならば互いに素な正の整数m,nで、
p=m^2+n^2, a=m^2-n^2, b=2mn と書けるので、
p=m^2+n^2 が一意的なら、a,bも一意的になります。

フェルマーの二平方和定理より、
4n+1型素数pは正の整数m,nで p=m^2+n^2 と一意的に表せます。
よって、4n+1型素数pに対して正の整数a,bでp^2=a^2+b^2 と一意的に表せるので、
p=a⊕b は一意的な分解です。
■確認終わり

 

 

加法的素因数分解の項数を考えると、楽しそうです。
Nの加法的素因数分解の項数をf(N)とします。
例えば、 5=3⊕4 なので、 f(5)=2
13=5⊕12=3⊕4⊕12 なので、 f(13)=3
97=72⊕65=72⊕5×13=72⊕(3⊕4)×(3⊕4⊕12) なので、f(97)=1+2×3=7

分配法則より f(M×N)=f(M)×f(N) なので、
4n+1型素数pのf(p)さえ分かれば、全ての正の整数についても分かります。


pが4n+1型の素数のときf(p)が必ず通常の素数になるのであれば、
f(N)の素因数の個数とNの4n+1型素数の因数が一致することになって綺麗だな、と思いましたが、
433がf(433)=9で、反例になっていました。

■f(433)=9であることの確認
433=12^2+17^2 なので、
433=(17^2-12^2)⊕2×12×17
=5×29⊕24×17
=(2⊕3)×(12⊕16⊕21)⊕24×(8⊕9⊕12)
よって、f(433)=2×3+1×3=9
■確認終わり

この加法的素因数分解で、何か面白いものが見つかったらまた投稿します。
以上です。お読みいただきありがとうございました!

 

■追記
pを素数とします。
f(p)が偶数になるのはp=5のときだけだと気付きました。
他の素数は、ピタゴラス数の性質から分解に5の倍数が出て来るので奇数になります。

つまり、f(N)が偶数ならNは5の倍数だと分かります。
もっと言えば、
Nが5^mの倍数であることとf(N)が2^mの倍数であることが同値になり、面白いなと思いました。

n次元のパスカルの三角形の中央数

パスカルの三角形の中央数1,2,6,20,…の母関数が(1-4x)^(-1/2)になることの一般化を考えました。

 

パスカルの三角錐の中央数1,6,90,1680,…は、 (1-3x)^(-1/3)と(1-3x)^(-2/3)と(1-3x)^(-3/3)を冪級数展開したときの各次の係数の積と同じになります。

■証明
パスカルの三角錐のk番目の中央数は(3k)!/(k!)^3

(1-3x)^(-1/3)を冪級数展開したときのx^kの係数は 1×4×…×(3k-2)/k!

(1-3x)^(-2/3)を冪級数展開したときのx^kの係数は 2×5×…×(3k-1)/k!

(1-3x)^(-3/3)を冪級数展開したときのx^kの係数は 3×6×…×3k/k!

(3k)!/(k!)^3=(1×4×…×(3k-2)/k!) × (2×5×…×(3k-1)/k!) × (3×6×…×3k/k!)

なので証明できました。

 

同様にして、

n次元パスカルの三角形の中央数が(1-nx)^(-1/n),(1-nx)^(-2/n),……(1-nx)^(-n/n)を冪級数展開したときの各次の係数の積と同じになることが証明できます。

n=2 のときを考えると、

2次元パスカルの三角形の中央数が(1-2x)^(-1/2)と(1-2x)^-1を冪級数展開したときの各次の係数の積と同じになることが分かり、

これはパスカルの三角形の中央数の母関数が(1-4x)^(-1/2)になることと同じです。

 

 



パスカルの三角錐のk番目の中央数(3k)!/(k!)^3が、 パスカルの三角形のk番目の中央数(2kCk)と、パスカルの三角形の行を1:2に分ける位置の数(3kCk)の積なのも面白いと思いました。

■証明
(3k)!/(k!)^3 = (2k)!/(k!)^2 × (3k)!/(k!)(2k)! = 2kCk × 3kCk


一般化して、

n次元のパスカルの三角形のk番目の中央数は、2kCk×3kCk×…×nkCk になります。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました。

(1-x)^aと1/(1-x)^(a+1)の2乗の関係

べき級数展開されたf(x)の各係数を2乗した関数を 〈f(x)〉と書くことにします。

■例  〈1-3x+2x^2-10x^3〉=1+9x+4x^2+100x^3

 

 

 「a」=\dfrac{〈(1-x)^a〉}{(1-x)^a} とするとき、

 \dfrac{〈(1-x)^a〉}{(1-x)^a}=\dfrac{〈(1-x)^{-a-1}〉}{(1-x)^{-a-1}}

つまり 「a」=「-a-1」 になることに気付きました。(aは整数)


■例

a=1 のとき 「1」=「-2」

 「1」=\dfrac{〈1-x〉}{1-x}=\dfrac{1+x}{1-x}=1+2x+2x^2+2x^3+…

 「-2」=\dfrac{〈(1-x)^{-2}〉}{(1-x)^{-2}} =\dfrac{1+4x+9x^2+16x^3+…}{1+2x+3x^2+4x^3+…}

=1+2x+2x^2+2x^3+…

 

 

a=2 のとき 「2」=「-3」

「2」=\dfrac{〈(1-x)^2〉}{(1-x)^2}=\dfrac{1+4x+x^2}{1-2x+x^2}=1+6x+12x^2+18x^3+…

「-3」=\dfrac{〈(1-x)^{-3}〉}{(1-x)^{-3}}=\dfrac{1+9x+36x^2+100x^3+…}{1+3x+6x^2+10x^3+…}

=1+6x+12x^2+18x^3+…

 

 

a=3 のとき 「3」=「-4」

 「3」=\dfrac{〈(1-x)^3〉}{(1-x)^3}=\dfrac{1+9x+9x^2+x^3}{1-3x+3x^2-x^3}=1+12x+42x^2+92x^3+…

「-4」=\dfrac{〈(1-x)^{-4}〉}{(1-x)^{-4}}=\dfrac{1+16x+100x^2+400x^3+…}{1+4x+10x^2+20x^3+…}

=1+12x+42x^2+92x^3+…

■例終わり

 

 

 

では「a」=「-a-1」を証明します。

aを0以上の整数として、

〈\dfrac{1}{(1-x)^{a+1}}〉=\dfrac{〈(1+x)^a〉}{(1-x)^{2a+1}}

が証明できればいいです。

 

f(x)のn階微分を f(x)^{(n)}  と書くことにします。

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(a)}=a!〈\dfrac{1}{(1-x)^{a+1}}〉 なので、

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(a)}=a!\dfrac{〈(1+x)^a〉}{(1-x)^{2a+1}} を示せばいいです。

 


■(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(a)}=a!〈\dfrac{1}{(1-x)^{a+1}}〉 の例

a=0 のとき

(\dfrac{x^0}{(1-x)^1})^{(0)}=(1+x+x^2+x^3+x^4+…)^{(0)}       

=1+x+x^2+x^3+x^4+…

=0!〈\dfrac{1}{(1-x)^1}〉

 

a=1 のとき

(\dfrac{x}{(1-x)^2})^{(1)}=(x+2x^2+3x^3+4x^4+…)^{(1)}

=1+4x+9x^2+16x^3+…

=1!〈\dfrac{1}{(1-x)^2}〉

 

a=2 のとき

(\dfrac{x^2}{(1-x)^3})^{(2)}=(x^2+3x^3+6x^4+10x^5+…)^{(2)}

=2+18x+72x^2+200x^3+…

=2!×(1+9x+36x^2+100x^3+…)

=2!〈\dfrac{1}{(1-x)^3}〉

■例終わり

 

 

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(n)} =n!\dfrac{\binom{a}{0}\binom{n}{0}x^a + \binom{a}{1}\binom{n}{1}x^{a-1} +……+ \binom{a}{n}\binom{n}{n}x^{a-n}}{(1-x)^{a+n+1}}

を証明できれば、nにaを代入すると

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(a)} = a!\dfrac{\binom{a}{0}^2x^a + \binom{a}{1}^2x^{a-1} +……+ \binom{a}{a}^2x^0}{(1-x)^{2a+1}}

なので、

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(a)}=a!\dfrac{〈(1+x)^a〉}{(1-x)^{2a+1}} だと分かります。

 

 

 

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(n)} =n!\dfrac{\binom{a}{0}\binom{n}{0}x^a + \binom{a}{1}\binom{n}{1}x^{a-1} +……+ \binom{a}{n}\binom{n}{n}x^{a-n}}{(1-x)^{a+n+1}}

を、数学的帰納法で示します。

 

n=0 のとき

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(0)}

=\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}}

=0!\dfrac{\binom{a}{0}\binom{0}{0}x^a}{(1-x)^{a+0+1}}

なので成立します。

 

n=m のとき成立するなら、n=m+1 のときも成立することを証明します。

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(m+1)}

=m!(\dfrac{\binom{a}{0}\binom{m}{0}x^a + \binom{a}{1}\binom{m}{1}x^{a-1} +……+ \binom{a}{m}\binom{m}{m}x^{a-m}}{(1-x)^{a+m+1}})^{(1)}

 

長いので g(x)=\binom{a}{0}\binom{m}{0}x^a + \binom{a}{1}\binom{m}{1}x^{a-1} +……+ \binom{a}{m}\binom{m}{m}x^{a-m} とします。

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(m+1)}=m!(\dfrac{g(x)}{(1-x)^{a+m+1}})^{(1)}

=m!\dfrac{g(x)^{(1)}(1-x)+(a+m+1)g(x)}{(1-x)^{a+m+2}} ・・・①

これが、

(m+1)!\dfrac{\binom{a}{0}\binom{m+1}{0}x^a + \binom{a}{1}\binom{m+1}{1}x^{a-1} +……+ \binom{a}{m+1}\binom{m+1}{m+1}x^{a-m-1}}{(1-x)^{a+m+2}} ・・・②

と一致すればいいです。

 

①と②両方に\dfrac{1}{m!}×(1-x)^{a+m+2} を掛けて整理します。

g(x)^{(1)}(1-x)+(a+m+1)g(x) ・・・③

(m+1)(\binom{a}{0}\binom{m+1}{0}x^a + \binom{a}{1}\binom{m+1}{1}x^{a-1} +……+ \binom{a}{m+1}\binom{m+1}{m+1}x^{a-m-1})・・・④

③④の各係数が等しくなればいいので、一般のk次の係数が等しくなることを確認します。

③のk次の係数 =(k+1)\binom{a}{a-k-1}\binom{m}{a-k-1} + (a+m+1-k)\binom{a}{a-k}\binom{m}{a-k}

④のk次の係数=(m+1)\binom{a}{a-k}\binom{m+1}{a-k}

 

③のk次の係数×\dfrac{m+1-a+k}{\binom{a}{k}\binom{m}{a-k}}=(a-k)^2 + (m+1+a-k)(m+1-a+k)
=(m+1)^2

④のk次の係数×\dfrac{m+1-a+k}{\binom{a}{k}\binom{m}{a-k}}=(m+1)^2

 

 

なので、計算は面倒ですが、等しいことが分かりました。

 

 

よって、

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(n)} =n!\dfrac{\binom{a}{0}\binom{n}{0}x^a + \binom{a}{1}\binom{n}{1}x^{a-1} +……+ \binom{a}{n}\binom{n}{n}x^{a-n}}{(1-x)^{a+n+1}}

が数学的帰納法で示せたので、

(\dfrac{x^a}{(1-x)^{a+1}})^{(a)}=a!\dfrac{〈(1+x)^a〉}{(1-x)^{2a+1}} だと分かり、

〈\dfrac{1}{(1-x)^{a+1}}〉=\dfrac{〈(1+x)^a〉}{(1-x)^{2a+1}} が証明できたので、

「a」=「-a-1」を証明できました。

 

 

aが整数の場合では証明できましたが、
aが複素数の範囲でも「a」=「-a-1」は成り立ちそうなので、いつか複素数の範囲で証明できたら良いなと思います。

以上です。

お読みいただきありがとうございました。

n乗数の母関数に(1-x)^(1+n)を掛けると表れる数の三角形

f(x,n)=(1^n)x^0+(2^n)x^1+(3^n)x^2+…+(k^n)x^(k-1)+…

をn乗数の母関数と呼ぶことにします。

g(x,n)=f(x,n)×(1-x)^(1+n) とし、

g(x,n) のx^kの係数を[n,k]と書くことにします。

g(x,n)=[n,0]x^0+[n,1]x^1+[n,2]x^2+…+[n,k]x^k+…

 

g(x,n)の具体例を書きます。

n=0 のとき

g(x,1)=(1+x+x^2+x^3+x^4+…)×(1-x)^1=1

n=1 のとき

g(x,1)=(1+2x+3x^2+4x^3+5x^4+…)×(1-x)^2=1

n=2 のとき

g(x,2)=(1+4x+9x^2+16x^3+25x^4+…)×(1-x)^3=1+x

n=3 のとき

g(x,3)=(1+8x+27x^2+64x^3+125x^4+…)×(1-x)^4=1+4x+x^2

 

[n,k]をn行k列に書くと、このような三角形になります。

1

1

1,1

1,4,1

1,11,11,1

1,26,66,26,1

1,57,302,302,57,1

………

n行目の数の和は n!(=1×2×…×n) になりそうです。

 

[n,k]=(n-k)×[n-1,k-1]+(1+k)×[n-1,k] になることに気付きました。

証明します。

n-1乗数の母関数にxを掛けて微分すると、n乗数の母関数になります。

(xf(x,n-1))'

=(1^(n-1)x^1+2^(n-1)x^2+3^(n-1)x^3+……)'

=(1^n)x^0+(2^n)x^1+(3^n)x^2+……

=f(x,n)

 

f(x,n-1)=g(x,n-1)×(1-x)^(-n) ,f(x,n)=g(x,n)×(1-x)^(-1-n) を、

(xf(x,n-1))'=f(x,n) に代入すると、

(xg(x,n-1)×(1-x)^(-n))'=g(x,n)×(1-x)^(-1-n) です。

この式を整理すると、

g(x,n)=(1+nx-x)g(x,n-1)+(x-x^2)g'(x,n-1) となります。

係数を比較すると、

[n,k]=(n-k)×[n-1,k-1]+(1+k)×[n-1,k] だと分かり、証明できました。

nが0以上のときn行目の数の和がn!になることも、このことから示せます。

 

g(x,-1)=1+(1/2)x^1+(1/3)x^2+(1/4)x^3+… と

g(x,0)=1 の関係が、

[0,k]=(-k)×[-1,k-1]+(1+k)×[-1,k] に表れていて、

nが負の数でも成り立つのが面白いなと思います。

 

 

 

 

自然数のn乗数の母関数について考えてきましたが、

等差数列のn乗数の場合へと一般化できます。

f(x,n)=a^n+(a+b)^n×x+(a+2b)^n×x^2+…+(a+kb)^n×x^k+…

g(x,n)=f(x,n)×(1-x)^(1+n) とし、

g(x,n) のx^kの係数を[n,k]と書くことにすると、

[n,k]=(b+nb-a-kb)×[n-1,k-1]+(a+kb)×[n-1,k] になります。

 

証明します。最初のやり方とほぼ同じです。

x=y^b とします。

y^a×f(x,n-1) をyで微分し、y^(a-1) で割ると f(x,n) になります。

(y^a×f(x,n-1))'÷y^(a-1)

=(y^a×f(y^b,n-1))'÷y^(a-1)

=(a^(n-1)×y^a+(a+b)^(n-1)×y^(a+b)+(a+2b)^(n-1)×y^(a+2b)+…)'÷y^(a-1)

=a^n×y^0+(a+b)^n×y^b+(a+2b)^n×y^2b+…

=f(y^b,n)

=f(x,n)

 

f(x,n-1)=g(x,n-1)×(1-x)^(-n) , f(x,n)=g(x,n)×(1-x)^(-1-n) を、

(y^a×f(x,n-1))'÷y^(a-1)=f(x,n) に代入すると、

(y^a×g(x,n-1)×(1-x)^(-n))'÷y^(a-1)=g(x,n)×(1-x)^(-1-n) です。

yで微分していることに注意して、この式を整理すると、

g(x,n)=(a-ax+bnx)g(x,n-1)+(bx-bx^2)g'(x,n-1) となります。

係数を比較すると、

[n,k]=(b+nb-a-kb)×[n-1,k-1]+(a+kb)×[n-1,k] と分かり、証明できました。

 

a,bに具体的な数字を入れて計算すると楽しいので、ぜひやってみて下さい。

以上です。お読みいただきありがとうございました。

数列の母関数の実数乗を並べた表を、斜めに読んだ時の母関数

g(x,m)=f(xg(x,m)^m) とします。

任意の行の母関数にf(x)を掛けると1つ下の行の母関数になるような表の、

全ての行の母関数にh(x)を掛けた表と

全ての傾き-mの直線上の母関数にh(xg(x,m)^m)を掛けた表が同じになります。

また、f(x)のx^kの係数を(1+ak)倍した行を作ると、傾きaで0が並びます(左端だけ1)

 

 

例としてパスカルの三角形で考えます。

任意の行に1+xを掛けると1つ下の行になるのでf(x)=1+x

g(x,1)=f(xg(x,1))=1+xg(x,1) なので

g(x,1)=1/(1-x)=1+x+x^2+…

全ての行にh(x)を掛けた表と、 全ての傾き-1の直線上にh(x/(1-x))を掛けた表は同じになります。

h(x)はxの多項式関数(べき級数でもいい)

例えばh(x)=1+2x とすると

h(x/(1-x))=1+2x/(1-x)=1+2x+2x^2+2x^3+… です。

表に書くとこうなります。

1,2

1,3,2

1,4,5,2

1,5,9,7,2

1,6,14,16,9,2

パスカルの三角形の各行にh(x)=1+2xを掛けた表とも、

全ての傾き-1の直線上にh(x/(1-x))=1+2x+2x^2+2x^3+… を掛けた表とも思えます。

 

 

 

f(x)を多項式関数(あるいは形式的冪級数)とします。

f(x)^mのx^k(kは0以上の整数)の係数を(1+kn)倍してできる関数をf[m,n]と書くことにします。

ab=cd のとき

f[a,b]×f(x)^(c-a)=f[c,d] になっていることに気付きました。

 

証明します。

x=y^b=z^d とすると

f[a,b]=(yf(y^b)^a)' (yについての微分)

f[c,d]=(zf(z^d)^c)' (zについての微分)と書けるので、

f[a,b]×f(x)^(c-a)=(yf(y^b)^a)'×f(x)^(c-a)

=(f(x)^a+y×af(x)^(a-1)×f'(x)×by^(b-1))×f(x)^(c-a)

=f(x)^c+abxf(x)^(c-1)f'(x)

=f(x)^c+cdxf(x)^(c-1)f'(x) (ab=cdなので)

=f[c,d]

よって f[a,b]×f(x)^(c-a)=f[c,d] が示せました。

 

f[-abn,-1/n]のx^nの係数が0になるので、

f[a,b]にf(x)の実数乗を掛けたものを並べた表では、0が斜めに並ぶことが分かります。

 

以上です。

お読みいただきありがとうございました。

(1-x)^(-1/2)を変形して2乗すると楽しい

(1-x^k)^(-1/2)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) ) を2乗すると

(1-x^k)^(-1)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) )^2

=(1-x)^(-1)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) ) になります。

この計算は (1-x)^(-1/2) の係数をk個並べた関数を2乗していると言えます。

係数を具体的に見てみると楽しいです。

 

[0]x^0+[1]x^1+[2]x^2+…+[m]x^m+…=《[0],[1],[2],…,[m],…》

というように《》内に係数だけ書く事にします。

(1-x)^(-1)=1+x+x^2+x^3+… なので

(1-x)^(-1)=《1,1,1,1,…》 です。

《》の表記でそれ以降に同じ数が続くときは、「々」と書く事にします。

つまり (1-x)^(-1)=《1,1,1,1,…》=《1,々》です。

 

2乗して《1,々》になる関数、つまり《1,々》^(1/2)=(1-x)^(-1/2) は

《1,1/2,3/8,5/16,…》です。

《1,1/2,3/8,5/16,…》の係数を2つ並べた関数

《1,1,1/2,1/2,3/8,3/8,5/16,5/16,…》を2乗すると

《1,2,2,2,2,2,…》=《1,2,々》になります。

係数を3つ並べた関数

《1,1,1,1/2,1/2,1/2,3/8,3/8,3/8,…》を2乗すると

《1,2,3,3,3,3,…》=《1,2,3,々》です。

一般に、係数をk個並べた関数を2乗すると

《1,2,3,4,…,k,k,k,…》=《1,2,3,4,…,k,々》

と、1からkまで自然数が並んだ後kがずっと続きます。

 

証明します。

(1-x)^(-1/2)の係数を2つ並べた関数《1,1,1/2,1/2,3/8,3/8,5/16,5/16,…》は

《1,1,1/2,1/2,3/8,3/8,5/16,5/16,…》=《1,0,1/2,0,3/8,0,5/16,0,…》×《1,1》

=(1-x^2)^(-1/2)×(1+x) と表せます。

これを2乗すると

(1-x^2)^(-1)×(1+x)^2=(1-x)^(-1)×(1+x)

=《1,々》×《1,1》

=《1,2,2,2,…》=《1,2,々》 となります。

 

同様に、k個並べた関数は

(1-x^k)^(-1/2)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) ) と表せます。

これを2乗すると

(1-x^k)^(-1)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) )^2=(1-x)^(-1)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) )

=《1,々》×《1,…(1がk個)…,1》

=《1,2,3,4,…,k,k,k,…》=《1,2,3,4,…,k,々》 となり、証明できました。

 

 

一般化した、

(1-x)^(-1/n)に対してのn乗についても、同様の事が言えます。

(1-x)^(-1/n) の係数をk個並べた関数

(1-x^k)^(-1/n)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) ) をn乗すると

(1-x^k)^(-1)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) )^n=(1-x)^(-1)×(1+x+x^2+…+x^(k-1) )^(n-1)

=《1,々》×《1,…(1がk個)…,1》^(n-1)

となります。

 

k=2のとき、つまり (1-x)^(-1/n) の係数を2個並べた関数のn乗は

《1,々》×《1,1》^(n-1)

=《1,々》×《(n-1)C0, (n-1)C1, (n-1)C2, …, (n-1)C(n-1)》

=《(n-1)C0, (n-1)C0+(n-1)C1, …, (n-1)C0+…+(n-1)C(n-1),々》

となり、(n-1)C0+…+(n-1)C(n-1)=2^(n-1) なので

n-1次以上のxの係数が全て 2^(n-1) だと分かります。

 

同様に、(1-x)^(-1/n) の係数をk個並べた関数のn乗も

(n-1)(k-1)次以上のxの係数が全て k^(n-1) になります。

 

 

具体例としてn=3 のときを書きます。

(1-x)^(-1/3)=《1,1/3,2/9,14/81,…》です。

《1,1/3,2/9,14/81,…》の係数を2つ並べた関数

《1,1,1/3,1/3,2/9,2/9,14/81,14/81,…》を3乗すると

《1,3,4,4,4,…》=《1,3,4,々》になります。

係数を3つ並べた関数

《1,1,1,1/3,1/3,1/3,2/9,2/9,2/9,14/81,14/81,14/81,…》を3乗すると

《1,3,6,8,9,9,9,…》=《1,3,6,8,9,々》になります。

 

以上です。

どこまで計算しても同じ数が出てくるのは、証明はシンプルですが不思議な感じがします。

お読みいただきありがとうございました。

カタラン数が2nCn-2nCn-1で表せることの拡張

n番目のカタラン数 f[n] は、f[n]=2nCn-2nC(n-1) と書けます。

カタラン数の数列の母関数をF(x)とします。

つまり、

F(x)=f[0]+f[1]x+f[2]x^2+f[3]x^3+……

ということです。

カタラン数の性質より、F(x)は F(x)=1+xF(x)^2 を満たします。

そのことを一般化して、

g[n]=(kn)Cn+(1-k)×(kn)C(n-1) の数列の母関数G(x)が、

G(x)=1+xG(x)^k を満たすこと

に気付きました。

 

具体例として k=3 のときを見ます。

g[n]=3nCn-2×3nC(n-1)

なので

g[0],g[1],g[2],g[3],g[4],……

は

0C0-2×0C(-1) , 3C1-2×3C0 , 6C2-2×6C1 , 9C3-2×9C2 , 12C4-2×12C3 ,……

です。計算すると

1,1,3,12,55,……

なので、

母関数G(x)=1+1x+3x^2+12x^3+55x^4+……

です。

G(x)^3=1+3x+12x^2+55x^3+……

なので、

確かに G(x)=1+xG(x)^3 を満たしそうです。

 

 

 

もう少し一般化した、

G(x)=1+xG(x)^k とするとき

(kn+a)Cn+(1-k)×(kn+a)C(n-1) の数列の母関数が、

G(x)^(a+1) になること

を証明します。

 

a=-1 のとき つまり、

(kn-1)Cn+(1-k)×(kn-1)C(n-1) の数列の母関数が G(x)^0=1 に等しいこと

さえ示せば、

『パスカルの三角形やカタラン数での母関数の関係』で証明した

(kn+b)Cn の数列の母関数にG(x)^w を掛けると (kn+b+w)Cn の母関数になること

を使うことで、証明が終わります。

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

(kn-1)Cn+(1-k)×(kn-1)C(n-1) が n=0 のとき1、nが正の整数のとき0だと示せば、母関数が 1=G(x)^0 だと分かります。

n=0 のとき

(kn-1)C0+(1-k)×(kn-1)C(n-1)

=(-1)C0+(1-k)×(-1)C(-1)

=1  ※aC0=1, aC(-1)=0 なので

 

nが正の整数のとき

(kn-1)Cn+(1-k)×(kn-1)C(n-1)

=(kn-1)Pn×1/n!+(1-k)×(kn-1)P(n-1)×1/(n-1)!

=( (kn-1)Pn+n(1-k)×(kn-1)P(n-1) )×1/n!

 ※1/n!を外に出した

=0×1/n!

 ※(kn-1)Pn=(kn-n)×(kn-1)P(n-1) なので

=0

 

よって

(kn-1)Cn+(1-k)×(kn-1)C(n-1) の母関数が G(x)^0=1 に等しい

と示せたので

(kn+a)Cn+(1-k)×(kn+a)C(n-1) の母関数が G(x)^(a+1) になること

が証明できました。

 

ちなみに、

(kn+a)Cn-(k-1)×(kn+a)C(n-1)=(kn+a)Cn×(a+1)/(a+1+kn-n)

 ※ただしa+1+kn-n≠0

なので

(kn+a)Cn×(a+1)/(a+1+kn-n) の数列の母関数も G(x)^(a+1) になります。

 

 

 

 

 

 

m行目の母関数が d(x)^m (d(x)はxについての多項式) になるような、

一般化したパスカルの三角形でも同様のことが言えます。

s次多項式 d(x) のr次の係数を {r} と書くことにします。

つまり

d(x)={0}+{1}x+{2}x^2+……+{s}x^s

ということです。

また、

d(x)^u の x^v の係数を uDv と書くことにします。

 ※(1+x)^u の x^v の係数が uCv と書けることに、対応した表記にしました。

{r}=1Dr です。

 

 

e[n]={0}×nkDn+(1-k){1}×nkD(n-1)+(1-2k){2}×nkD(n-2)+……+(1-sk){s}×nkD(n-s)

の数列の母関数E(x)は、

E(x)=d(xE(x)^k)

つまり

E(x)={0}+{1}(xE(x)^k)+{2}(xE(x)^k)^2+……+{s}(xE(x)^k)^s

になることに気付きました。

{0}={1}=1,{r}=0 (rは2以上の整数) とすると、前半に証明した命題と同じになります。

 

前半のパスカルの三角形の時と同様、もう少し一般化して

{0}×(nk+a)Dn+(1-k){1}×(nk+a)D(n-1)+……+(1-sk){s}×(nk+a)D(n-s)

の数列の母関数が

E(x)^(a+1)になること

を証明します。

 

『パスカルの三角形やカタラン数での母関数の関係 その2』の内容を踏まえれば

(nk+b)Dn の数列の母関数にE(x)^w を掛けると (nk+b+w)Dn の母関数になること

が分かるので、

a=-1 のときを示せば十分です。

なので

{0}×(nk-1)Dn+(1-k){1}×(nk-1)D(n-1)+……+(1-sk){s}×(nk-1)D(n-s)

の数列の母関数が E(x)^0=1 になることを示します。

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

d(x)^nk=d(x)×d(x)^(nk-1)

の n次の係数を対応させると

nkDn={0}×(nk-1)Dn+{1}×(nk-1)D(n-1)+{2}×(nk-1)D(n-2)+……+{s}×(nk-1)D(n-s)

だと分かるので

{0}×(nk-1)Dn+(1-k){1}×(nk-1)D(n-1)+……+(1-sk){s}×(nk-1)D(n-s)

=nkDn-k×{1}×(nk-1)D(n-1)-2k×{2}×(nk-1)D(n-2)-……-sk×{s}×(nk-1)D(n-s)

です。

 

n=0 のときに1、nが正の整数のときに0になると示せば、

母関数が 1=E(x)^0 だと分かります。

 

n=0 のとき

nkDn-k×{1}×(nk-1)D(n-1)-2k×{2}×(nk-1)D(n-2)-……-sk×{s}×(nk-1)D(n-s)

=0D0-k×{1}×(-1)D(-1)-2k×{2}×(-1)D(-2)-……-sk×{s}×(-1)D(-s)

=0D0 ※aDb=0 (bは負の整数) なので

=1  ※aD0={0}^a なので

 

 

nが正の整数のとき

nkDn-k×{1}×(nk-1)D(n-1)-2k×{2}×(nk-1)D(n-2)-……-sk×{s}×(nk-1)D(n-s)=0

を証明するには、移項した

nkDn=k×{1}×(nk-1)D(n-1)+2k×{2}×(nk-1)D(n-2)+……+sk×{s}×(nk-1)D(n-s)

を示せばいいです。以下、この式を☆で表します。

 

〈0〉,〈1〉,〈2〉,〈3〉,……,〈n〉 を0以上の整数とし、

〈0〉+〈1〉+〈2〉+〈3〉+……+〈n〉=nk

1×〈1〉+2×〈2〉+3×〈3〉+……+n×〈n〉=n

を満たすとします。

{0}^〈0〉×{1}^〈1〉×{2}^〈2〉×……×{n}^〈n〉 の係数が☆の両辺で等しいと示せば、

☆が真だと分かります。

 

☆の左辺 nkDn の {0}^〈0〉×{1}^〈1〉×{2}^〈2〉×……×{n}^〈n〉 の係数は、

多項定理より

(nk)!/〈0〉!〈1〉!〈2〉!……〈n〉!

です。

 

zを0以上n以下の整数とすると

zk×{z}×(nk-1)D(n-z) の

{0}^〈0〉×{1}^〈1〉×{2}^〈2〉×……×{n}^〈n〉の係数は

z×〈z〉k×(nk-1)!/〈0〉!〈1〉!〈2〉!……〈n〉!

です。

〈z〉=0 のときは係数も0になり、

〈z〉が正の整数のときは、

(nk-1)D(n-z)=〈z〉×(nk-1)!/〈0〉!〈1〉!〈2〉!……〈n〉!

になるからです。

 

 

よって、☆の右辺の {0}^〈0〉×{1}^〈1〉×{2}^〈2〉×……×{n}^〈n〉の係数は、

(1×〈1〉+2×〈2〉+…+n×〈n〉)k×(nk-1)!/〈0〉!〈1〉!〈2〉!……〈n〉!

=nk×(nk-1)!/〈0〉!〈1〉!〈2〉!……〈n〉!

 ※1×〈1〉+2×〈2〉+…+n×〈n〉=n なので

=(nk)!/〈0〉!〈1〉!〈2〉!……〈n〉!

 ※nk×(nk-1)!=(nk)! なので

 

よって、☆の両辺の係数が等しいと分かり、☆が真だと証明できました。

なので、

{0}×(nk-1)Dn+(1-k){1}×(nk-1)D(n-1)+……+(1-sk){s}×(nk-1)D(n-s)

の数列の母関数が E(x)^0=1 だと分かり、

{0}×(nk+a)Dn+(1-k){1}×(nk+a)D(n-1)+……+(1-sk){s}×(nk+a)D(n-s)

の数列の母関数が

E(x)^(a+1)になること

が証明できました。

 

後半の証明が大変で、思いつくまで時間かかりましたが楽しかったです。

以上です。お読みいただきありがとうございました!

 

 

 

【追記】

e[n]=(nk+1)Dn /(nk+1) でもある事に気付きました。

e[n]={0}×nkDn+(1-k){1}×nkD(n-1)+(1-2k){2}×nkD(n-2)+……+(1-sk){s}×nkD(n-s)

よりもシンプルで良いです。

 

(nk+1)Dn /(nk+1)={0}×nkDn+(1-k){1}×nkD(n-1)+(1-2k){2}×nkD(n-2)+……+(1-sk){s}×nkD(n-s) ・・・($)

を証明します。

 

{0}×nkDn+{1}×nkD(n-1)+{2}×nkD(n-2)+……+{s}×nkD(n-s)=(nk+1)Dn

なので、($)の右辺は

(nk+1)Dn-k( {1}×nkD(n-1)+2{2}×nkD(n-2)+……+s{s}×nkD(n-s) )

です。

($)の両辺を移項して整理すると

n/(nk+1) × (nk+1)Dn= {1}×nkD(n-1)+2{2}×nkD(n-2)+……+s{s}×nkD(n-s) ・・・@

となります。

〔0〕,〔1〕, …… ,〔n〕を

〔0〕+〔1〕+……+〔n〕=nk+1

0×〔0〕+1×〔1〕+……+n×〔n〕=n

を満たすとします。

{0}^〔0〕×{1}^〔1〕×{2}^〔2〕×……×{n}^〔n〕 の係数が@の両辺で等しいと示せば、

@が真だと分かります。

 

※ (nk+1)Dnはd(x)^(nk+1) の x^n の係数なので、

{0},{1},……,{n}の次数の和(〔0〕+〔1〕+……+〔n〕)は(nk+1) でなければならず、

{0},{1},……,{n}の次数にxの次数を掛けた数の和(0×〔0〕+1×〔1〕+……+n×〔n〕)は、nでなければなりません。

 

@の左辺 n/(nk+1) × (nk+1)Dn の{0}^〔0〕×{1}^〔1〕×{2}^〔2〕×……×{n}^〔n〕 の係数は、

多項定理より

n/(nk+1) ×(nk+1)!/〔0〕!〔1〕!〔2〕!……〔n〕!

=n×(nk)!/〔0〕!〔1〕!〔2〕!……〔n〕!

です。

 

@の右辺の{0}^〔0〕×{1}^〔1〕×{2}^〔2〕×……×{n}^〔n〕 の係数は、

(1×〔1〕+2×〔2〕+……+n×〔n〕)×(nk)!/〔0〕!〔1〕!〔2〕!……〔n〕!

=n×(nk)!/〔0〕!〔1〕!〔2〕!……〔n〕!

です。

 

よって@の両辺が等しいと示せたので、

(nk+1)Dn /(nk+1)={0}×nkDn+(1-k){1}×nkD(n-1)+(1-2k){2}×nkD(n-2)+……+(1-sk){s}×nkD(n-s) が示せ、

e[n]=(nk+1)Dn /(nk+1) が証明できました。

一般化したカタラン数の母関数の整数乗を微分すると係数にパスカルの三角形が表れることの証明

xについての関数L(x,a)を

L(x,a)=1+x×L(x,a)^a

と定義します。

L(x,2) はカタラン数の母関数なので、L(x,a) はカタラン数の母関数を一般化したものと思えます。

 

xについての関数『s,t』を

『s,t』=sC0+(s+t)C1×x+(s+2t)C2×x^2+……+(s+nt)Cn×x^n+……

と定義します。

sCuは組み合わせのことで、

sCu=s×(s-1)×(s-2)×…×(s-u+1)/u! という定義です。(ただし、sC0=1 とします。)

0以上の整数s,u について sCu を並べると、パスカルの三角形になります。

 

nを整数とします。

L(x,a)^n を微分すると『a+n-1,a』のn倍になること、つまり

(L(x,a)^n)'=n×『a+n-1,a』

になることを、この記事で証明します。

 

 

以前の記事「パスカルの三角形やカタラン数での母関数の関係」で、

L(x,a)^n×『s,a』=『s+n,a』 を証明しました。

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

L(x,a)の導関数L'(x,a) を l(x,a) と書くことにします。

(L(x,a)^n)' =n×L(x,a)^(n-1)×l(x,a)  ※微分の公式より


『a+n-1,a』=L(x,a)^(n-1)×『a,a』 なので、

l(x,a)=『a,a』 さえ示せば

(L(x,a)^n)'=n×『a+n-1,a』 が証明できると分かりました。

 

 

『a,a』×L(x,a)^-a=(a×L(x,a)^(-1)-a+1)^-1 を示したあとに

l(x,a)×L(x,a)^-a  =(a×L(x,a)^(-1)-a+1)^-1 を示すことで、

『a,a』×L(x,a)^-a=l(x,a)×L(x,a)^-a

つまり、 l(x,a)=『a,a』 を証明します。

 

 

 

『0,a』×(a×L(x,a)^(-1)-a+1)

=L(x,a)^(-1)×『0,a』×a-『0,a』×(a-1)

= 『-1,a』×a   -『0,a』×(a-1)  ※L(x,a)^(-1)×『s,a』=『s-1,a』より

= ( (-1)C0×a    -0C0×(a-1))

 +( (a-1)C1×a  -aC1×(a-1))x

 +( (2a-1)C2×a-2aC2×(a-1))x^2

 +……

 +( (na-1)Cn×a-naCn×(a-1))x^n

 +……           ※『s,t』の定義より

=1            ※ (ka-1)Ck×a-kaCk×(a-1)=0 (kは正の整数) より

 

なので 『0,a』=(a×L(x,a)^(-1)-a+1)^-1 と分かり、

『a,a』×L(x,a)^-a=『0,a』なので

『a,a』×L(x,a)^-a=(a×L(x,a)^(-1)-a+1)^-1 が示せました。

 

 

 

 

次に l(x,a)×L(x,a)^-a=(a×L(x,a)^(-1)-a+1)^-1 を示します。

l(x,a)=(L(x,a))'

=(1+x×L(x,a)^a)' ※L(x,a)の定義より

=L(x,a)^a+ax×L(x,a)^(a-1)×l(x,a) なので、

l(x,a)-ax×L(x,a)^(a-1)×l(x,a)=L(x,a)^a   ※ax×L(x,a)^(a-1)×l(x,a) を移項した

l(x,a)×(1-ax×L(x,a)^(a-1))=L(x,a)^a    ※左辺をl(x,a) で括った

l(x,a)×L(x,a)^-a=(1-ax×L(x,a)^(a-1))^-1

 ※両辺に(1-ax×L(x,a)^(a-1))^-1×L(x,a)^-a を掛けた

l(x,a)×L(x,a)^-a=(1-a(1-L(x,a)^(-1)))^-1

 ※L(x,a)=1+x×L(x,a)^a より、x×L(x,a)^(a-1)=1-L(x,a)^-1 を代入した

l(x,a)×L(x,a)^-a=(1-a+a×L(x,a)^(-1)))^-1

となり l(x,a)×L(x,a)^-a=(a×L(x,a)^(-1)-a+1)^-1 が示せました。

 

 

よって、『a,a』×L(x,a)^-a=l(x,a)×L(x,a)^-a だと示せたので、

l(x,a)=『a,a』 だと分かり、

(L(x,a)^n)'=n×『a+n-1,a』 が証明できました。

 

 

長い間証明したかった予想なので、証明できてうれしいです。

以上です。お読みいただきありがとうございました!

 

k+1次元パスカルの三角形はk次元パスカルの三角形の自然数乗で出来ている

以前の記事「k-フィボナッチ数列に対応するパスカルの三角形の証明」と関連しています。

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

[1],[2],[3],……を変数とします。

k次元パスカルの三角形は、n段目が([1]+[2]+…+[k])^n の係数になるようなものです。(nは0以上の整数)

k次元パスカルの三角形のk変数母関数は、1/(1-[1]-[2]-……-[k]) になります。

 

1次元パスカルの三角形は、1,1,1,1,…… と1が並ぶ数列で、

2次元パスカルの三角形は、通常のパスカルの三角形です。

3次元パスカルの三角形は、パスカルの三角錐とも呼ばれるものです。

 

k次元パスカルの三角形の母関数を〔k〕と書くことにします。

つまり〔k〕=1/(1-[1]-[2]-……-[k]) です。

 

 

〔1〕の自然数乗で〔2〕が出来ること、

つまり、1次元パスカルの三角形の自然数乗で、2次元パスカルの三角形が出来ることを示します。

〔1〕+〔1〕^2×[2]+〔1〕^3×[2]^2+〔1〕^4×[2]^3+…

=〔1〕/(1-〔1〕×[2])  ※初項〔1〕公比〔1〕×[2]の無限等比級数の和なので

=1/(1/〔1〕-[2])    ※分子と分母に1/〔1〕を掛けた

=1/(1-[1]-[2])      ※1/〔1〕=1-[1] なので

=〔2〕

となり、証明できました。

 

 

〔k〕の自然数乗で〔k+1〕が出来ることも同様です。

〔k〕+〔k〕^2×[k+1]+〔k〕^3×[k+1]^2+〔k〕^4×[k+1]^3+…

=〔k〕/(1-〔k〕×[k+1])  ※初項〔k〕公比〔k〕×[k+1]の無限等比級数の和なので

=1/(1/〔k〕-[k+1])    ※分子と分母に1/〔k〕を掛けた

=1/(1-[1]-[2]-……-[k+1])  ※1/〔k〕=1-[1]-[2]-……-[k] なので

=〔k+1〕

 

 

多変数母関数を使うことで、式変形で証明できるのが楽しいです。

以上です。お読みいただきありがとうございました!

フィボナッチ積と黄金進法の掛け算の同一視

φ=(1+√5)/2 とします。φは黄金数とも呼ばれます。

黄金数は

φ^n=φ^(n-2)+φ^(n-1)

という性質を持っています。

 

フィボナッチ型数列F[n]を

F[0]=1

F[n]=F[n-1]+F[n-2]

と定義します。F[1]はどんな数にしてもいいです。

 

任意の数xを、

x=x×φ^0 として φ^n=φ^(n-1)+φ^(n-2)  を使って変形し、

x=x×F[0] として F[n]=F[n-1]+F[n-2]  を使って変形するとき、

φ^kとF[k]の係数を同じにしたまま変形する事ができます。

 

なので、x=x×φ^0から変形させて

x=a{1}×φ^b{1}+a{2}×φ^b{2}+…+a{m}×φ^b{m}

と書けるとき、

x=a{1}×F[b{1}]+a{2}×F[b{2}]+…+a{m}×F[b{m}]

とも書けることが分かります。(b{j}は整数です)

 

 

黄金進法(φ進法)は、黄金数φのn乗をn+1桁目に置いたものです。

なので、x=a{1}×φ^b{1}+a{2}×φ^b{2}+…+a{m}×φ^b{m} は

φ進法で、b{1}+1桁目にa{1}を置いたものだと思えます。

φ進法での掛け算が十進法と同様にできることから、

F[b{j}]をφ^b{j}に置き換えても整数になるようなF[n]の和同士であれば、

通常の掛け算と、フィボナッチ積のような演算をしたときの値が同じだと分かりました。

 

また、

正の整数xの黄金進数の標準形(全ての桁が1か0で、1が隣り合わない形)と、

正の整数xをある隣り合わないF[n]の和で表したものを、対応させられる事も分かります。

 

 

 

 

 

ここから少し一般化を考えます。

 

トリボナッチ型数列T[n]を

T[0]=1

T[n]=T[n-1]+T[n-2]+T[n-3]

と定義し、

u^n=u^(n-1)+u^(n-2)+u^(n-3) を満たす数uを考えると

u進法とトリボナッチ型数列T[n]が対応する事も、同様にして分かります。

 

 

c,dを任意の数とし

数列E[n]を

E[0]=1

E[n]=c×E[n-1]+d×E[n-2]

と定義し

g^n=c×g^(n-1)+d×g^(n-2) を満たす数gを考えると

g進法と数列E[n]が対応する事も分かります。

 

 

シンプルに証明できましたが、面白くて不思議だなと思います。

以上です。お読みいただきありがとうございました!