明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

循環小数と余りの関係

aを10と互いに素な自然数

pをa×p+1 が10の倍数になる1桁の正の数、

bを、10^nをaで割ったときの余りとするとき、

b×pを10で割った余りは、1/a の小数第n位と一致することに気付きました。

 

例としてa=7のときを見てみます

7×7+1 が10の倍数なので、p=7です

10÷7の余りは3

100÷7の余りは2

1000÷7の余りは6

10000÷7の余りは4

100000÷7の余りは5

1000000÷7の余りは1

10000000÷7の余りは3

となり、

10^nを7で割った余りは 3,2,6,4,5,1 を繰り返します

3,2,6,4,5,1 に7(=p)を掛けると 21,14,42,28,35,7 になり

10で割った余りは1,4,2,8,5,7 です

これは、1/7を小数表記した0.142857142857…… と同じ数の列なので、

a=7のときに、b×pを10で割った余りが1/a の小数第n位と一致することが分かりました。

 

 

では証明をします。

10^nをaで割ったときの商をz、余りを(今まで通り)bとすると

10^n=az+b です

z の一の位が1/a の小数第n位になります

10^n=az+b を mod 10 で考えると、

0=az+b  (mod 10)

つまり

-b/a=z  (mod 10) となります

a×p+1 が10の倍数であることより a=-1/p (mod 10)  なので、これを代入すると

b×p=z  (mod 10)

なので、b×pとzの一の位が同じだと分かります

zの一の位は 1/aの小数第n位なので、証明できました。

 

 

余りをp倍すると商が現れるのは、シンプルで綺麗だな~と思います

以上です お読みいただきありがとうございました!

等比と小数点 その2

「等比と小数点」で書いた内容を、分数の分母が2桁以上の場合でも考えられることに気付きました

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

「等比と小数点」で書いたように

-10<s<10とすると

0.1+(0.1)^2×s+(0.1)^3×s^2+(0.1)^4×s^3+……=1/(10-s)

となり

小数第n位にs^(n-1)をおいた数は1/(10-s)になります。

 

ここで、s=0.1×t(-100<t<100)と置くと

0.1+(0.1)^3×t+(0.1)^5×t^2+(0.1)^7×t^3+…… =1/(10-0.1×t) =10/(100-t)

となり、両辺に0.1をかけると

(0.1)^2+(0.1)^4×t+(0.1)^6×t^2+(0.1)^8×t^3+……=1/(100-t)

となります

このことから、小数第2n位にt^(n-1)をおいた数が 1/(100-t)になると分かりました。

また、同様に考えることで

小数第mn位にt^(n-1)をおいた数が、1/(10^m-t)になることが分かります。(mは自然数です)

 

 

具体例を見てみます

t=1のとき

1/(100-t)=1/99=0.0101010101……

と小数点以下で01を繰り返すので、小数第2n位に1^(n-1)をおいたものと同じになります。

 

t=20のとき

1/(100-t)=1/80=0.0125

となり、

これが小数第2n位に20^(n-1)をおいたものと同じになります。

1/80が1/8の1/10倍だということと、

小数第2n位に20^(n-1)をおいたものが、小数第n位に2^(n-1)をおいたものを0.1倍したものであることが対応しています

 

t=-1のとき

小数第2n位に(-1)^(n-1)をおいた数は、

整理すれば小数点以下で0099を繰り返す数になり、

1/101と同じになります。

 

 

具体例を計算すると、パズルみたいで楽しいです。

以上です! お読みいただきありがとうございました!

パスカルの三角形の比についての証明

以前の記事「パスカルの三角形の隠れた規則」の証明をします

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

パスカルの三角形は

11
121
13 3 1
1 4 6 4 1
1 5  10   10  5 1
1   6  15  20  15  6  1
1  7  21  35  35  21  7  1
1  8  28  56  70  56  28  8  1
1  9  36  84  126 126  84  36  9  1

 

このようなものです

左と右、左下と右上、左上と右下の位置関係で隣り合う任意の2つの数を選ぶとき

その2つの数の左下や右下や真下に直線に並ぶ、2つの数たちの比が、一次関数的に変化していくことを示します

 

パスカルの三角形の上からm番目の行の、左からn番目の数は(m-1)C(n-1) と表せます(Cは組み合わせのCです)

パスカルの三角形の上からm番目の行の、左からn番目」を、この記事では「m行n列」と書くことにします

 

m行n列 の左下は m+1行n列 なので

(m-1)C(n-1) の左下には mC(n-1)

m行n列 の右下は m+1行n+1列 なので

(m-1)C(n-1) の右下には mCn

m行n列 の真下は m+2行n+1列 なので

(m-1)C(n-1) の真下には (m+1)Cn

があります

 

m行n列と、右隣にある m行n+1列 との数の比は

(m-1)C(n-1):(m-1)Cn = n:(m-n)  です


m行n列と m行n+1列 の左下にある

m+1行n列 と m+1行n+1列 の数の比は n:(m-n+1) なので、

左右に隣り合う数の左下に並ぶ数の比は、右側の値が1ずつ増えていくと分かります。

m行n列 と m行n+1列 の右下にある

m+1行n+1列 と m+1行n+2列 の数の比は (n+1):(m-n) なので、

左右に隣り合う数の右下に並ぶ数の比は、左側の値が1ずつ増えていくと分かります。

m行n列 と m行n+1列 の真下にある

m+2行n+1列 と m+2行n+2列 の数の比は  (n+1):(m-n+1)  なので、

左右に隣り合う数の真下に並ぶ数の比は、左右ともに値が1ずつ増えていくと分かります。

よって、左右に隣り合う数の左下や右下や真下に並ぶ2つの数たちの比が、一次関数的に変化すると示せました。

 

 m行n列と、左下にある m+1行n列 との数の比は

mC(n-1):(m-1)C(n-1) = m:(m-n+1)  です


m行n列と m+1行n列 の左下にある

m+1行n列 と m+2行n列 の数の比は (m+1):(m-n+2) なので、

左下と右上で隣り合う数の、左下に並ぶ数の比は、左右ともに値が1ずつ増えていくと分かります。

m行n列 と m+1行n列 の右下にある

m+1行n+1列 と m+2行n+1列 の数の比は (m+1):(m-n+1) なので、

左下と右上で隣り合う数の、右下に並ぶ数の比は、左側の値が1ずつ増えていくと分かります。

m行n列 と m+1行n列 の真下にある

m+2行n+1列 と m+3行n+1列 の数の比は  (m+2):(m-n+2) なので、

左下と右上で隣り合う数の、真下に並ぶ数の比は、左側の値が2、右側の値が1ずつ増えていくと分かります。

よって、左下と右上の位置で隣り合う数の、左下や右下や真下に並ぶ2つの数たちの比が、一次関数的に変化すると示せました。

 


m行n列と、右下にある m+1行n+1列 との数の比は

(m-1)C(n-1):mCn = n:m  です


m行n列と m+1行n+1列 の左下にある

m+1行n列 と m+2行n+1列 の数の比は n:m+1 なので、

左上と右下で隣り合う数の、左下に並ぶ数の比は、右側の値が1ずつ増えていくと分かります。

m行n列 と m+1行n+1列 の右下にある

m+1行n+1列 と m+2行n+2列 の数の比は (n+1):(m+1) なので、

左上と右下で隣り合う数の、右下に並ぶ数の比は、左右ともに値が1ずつ増えていくと分かります。

m行n列 と m+1行n+1列 の真下にある

m+2行n+1列 と m+3行n+2列 の数の比は  (n+1):(m+2)  なので、

左上と右下で隣り合う数の、真下に並ぶ数の比は、左側の値が1、右側の値が2ずつ増えていくと分かります。

よって、左上と右下の位置で隣り合う数の、左下や右下や真下に並ぶ2つの数たちの比が、一次関数的に変化すると示せました。

 

以上のことから

隣り合う任意の2つの数の、左下や右下や真下に直線に並ぶ2つの数たちの比が、一次関数的に変化していくことが証明できました。

 

m行n列の数の

右隣の数との比が n:(m-n)

左下の数との比が m:(m-n+1)

右下の数との比が n:m

と、とてもシンプルなのが面白いと思いました

 

隣り合っていない任意の2つの数の、左下や右下や真下にある数の比がどう変わっていくのかも、今後考えたいなと思います

 以上です お読みいただきありがとうございました!

mod pのパスカルの三角形で全ての整数が一度ずつ現れる行があるものの証明

 以前の記事、『mod pのパスカルの三角形で、全ての整数が一度ずつ現れる行のあるもの』で書いた内容を証明します

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

pを奇素数、aをpと互いに素な整数とします

1行目にa,-aという2つの数を隣り合わせて配置したパスカルの三角形を考えるとき

(p-1)行目をmod pで考えると(つまりpで割った余りを考えると)、0からp-1までのp個の数が一度ずつ現れることを示します

 

1行目の左側にa、右側に-aが配置されているとします

1行目がもしaだけならば、(p-1)行目には通常のパスカルの三角形の(pー1)行目をa倍したものが左詰めに並びます

同様に、1行目が-aだけならば、(p-1)行目には通常のパスカルの三角形の(pー1)行目を-a倍したものが右詰めに並びます


通常のパスカルの三角形の、(p-1)行目の左からn個目は(p-2)C(n-1)と表せます。(Cは組み合わせのCです)

また、1行目がaだけの場合と1行目が-aだけの場合を足し合わせると、1行目がa,-aのものになるので

1行目がa,-aのパスカルの三角形の(p-1)行目の左からn個目は

a×(p-2)C(n-1)-a×(p-2)C(n-2)

と表せます

なので、これのnが1以上p以下の場合をmod pで考えたとき、0からpまでの数が一度ずつ現れることを示せばよいです

 

a×(p-2)C(n-1)-a×(p-2)C(n-2)

をmod pで考えると

a( (-2)C(n-1)-(-2)C(n-2) ) (mod p)

となります

(-2)C(n-1)=(-2)×(-3)×…×(-n)/(n-1)!
=(-1)^(n-1)×n

(-2)C(n-2)=(-2)×(-3)×…×(-n+1)/(n-2)!
=(-1)^(n-2)×(n-1)

なので

a( (-2)C(n-1)-(-2)C(n-2) )
=a( (-1)^(n-1)×n-(-1)^(n-2)×(n-1) )
=a( (-1)^(n-1)×n+(-1)^(n-1)×(n-1) )
=a(-1)^(n-1) × (n+(n-1) )
=a(-1)^(n-1) × (2n-1)

となり

1行目がa,-aのパスカルの三角形の(p-1)行目の左からn個目は、
mod pでa(-1)^(n-1) × (2n-1)になると分かりました

 

nが1以上p以下のとき、a(-1)^(n-1) × (2n-1) (mod p)が0から(p-1)までの値を一度ずつとると証明するには

x,yを1以上p以下の整数でx≠yとするとき

a( (-1)^(x-1)×(2x-1)-(-1)^(y-1)×(2y-1)  )

がmod pで0にならないと示せればよいです

 

x,yの偶奇が一致するとき、(-1)^(x-1)=(-1)^(y-1)なので

a( (-1)^(x-1)×(2x-1)-(-1)^(y-1)×(2y-1)  )
=a(-1)^(x-1) × ( (2x-1)ー(2y-1)  )
=a(-1)^(x-1) × 2(xーy)

となり、x≠y (mod p)なのでこれはmod pで0になりません

 

x,yの偶奇が一致しないとき、-(-1)^(x-1)=(-1)^(y-1)なので

a( (-1)^(x-1)×(2x-1)-(-1)^(y-1)×(2y-1)  )
=a(-1)^(x-1) × ( (2x-1)+(2y-1)  )
=a(-1)^(x-1) × 2(x+y-1) 

となり

x,yが1以上p以下の整数で偶奇が異なることから、(x+y-1)はpの倍数にならず、これもmod pで0になりません

よって、(p-1)行目をmod pで考えると、0からp-1までのp個の数が一度ずつ現れることが証明できました。

 

ちなみに

『打ち消しあうパスカルの三角形とカタラン数』で考えたパスカルの三角形は今回考えたもののa=-1のバージョンなので、
このパスカルの三角形の(p-1)行目をmod pで考えても、0からp-1までのp個の数が一度ずつ現れることが分かります

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

以上です 結構前に考えた予想ですが、証明できてよかったです

お読みいただきありがとうございました!

数列の体

以前の記事「数列の環」を踏まえて体を考えました

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

nを整数とします

n項目をa[n]とした数列A{…,a[-2],a[-1],a[0],a[1],a[2],…}

n項目をb[n]とした数列B{…,b[-2],b[-1],b[0],b[1],b[2],…}

の和A+Bを

{…,a[-2]+b[-2],a[-1]+b[-1],a[0]+b[0],a[1]+b[1],a[2]+b[2],…}

と同じ項同士を足したものと定義し

積ABを、AとBの項の番の和がmになるものの積を、足し合わせたものをm項目に置いたものと定義します

具体的には、積ABの0項目は

…+a[-2]b[2]+a[-1]b[1]+a[0]b[0]+a[1]b[-1]+a[2]b[-2]+…

となり、積ABの1項目は

…+a[-2]b[3]+a[-1]b[2]+a[0]b[1]+a[1]b[0]+a[2]b[-1]+…

となります。

 

さて、有理数などの体を成す集合から項をとるとき

このような数列の集合は体になります

加法の単位元は、すべての項が0の数列で

乗法の単位元は、0項目が1、それ以外の項が0の数列です

 

 

数列{…,a[-2],a[-1],a[0],a[1],a[2],…}を

……

a[-2]

a[-1]

a[0] a[1] a[2] ……

というように正の数の項を右の方へ、負の数の項を上の方へ配置し、

a[n]の右斜め上の位置のものを、a[n]の位置にずらしてa[n]へ足してよいことにすると、積がすっきりした形で書けます。

 

例えば数列{a[-1],a[0],a[1]}と数列{b[-1],b[0],b[1]}の積は、

最初の定義から

{a[-1]b[-1] ,a[-1]b[0]+a[0]b[-1] ,a[-1]b[1]+a[0]b[0]+a[1]b[-1] ,a[1]b[0]+a[0]b[1] ,a[1]b[1]}

と分かりますが、

a[-1]

a[0] a[1]

b[-1]

b[0] b[1]

の積として考えると、

a[-1]

a[0] a[1]

をb[0]倍したものと、右へ1つ移動させてb[1]倍したものと、上へ1つ移動させてb[-1]倍したものの和をとると考えることができます

a[-1]b[-1]

a[-1]b[0]+a[0]b[-1] a[-1]b[1]+a[1]b[-1]

a[0]b[0]      a[1]b[0]+a[0]b[1]   a[1]b[1]

 

 

また、a[n+1]=10a[n]とし、

数列Aの各項を0以上9以下の整数からとるとき、

数列Aは、n項目が10^nの位で-n項目が小数点第n位の、10進数表記された正の実数と同一視できます

 

負数番目の項を、左ではなく、上へ配置すると見やすくなるのが良いなぁと思います

以上です、お読みいただきありがとうございました!