明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

2022-01-01から1年間の記事一覧

カタラン数が2nCn-2nCn-1で表せることの拡張

n番目のカタラン数 f[n] は、f[n]=2nCn-2nC(n-1) と書けます。 カタラン数の数列の母関数をF(x)とします。 つまり、 F(x)=f[0]+f[1]x+f[2]x^2+f[3]x^3+…… ということです。 カタラン数の性質より、F(x)は F(x)=1+xF(x)^2 を満たします。 そのこと…

一般化したカタラン数の母関数の整数乗を微分すると係数にパスカルの三角形が表れることの証明

xについての関数L(x,a)を L(x,a)=1+x×L(x,a)^a と定義します。 L(x,2) はカタラン数の母関数なので、L(x,a) はカタラン数の母関数を一般化したものと思えます。 xについての関数『s,t』を 『s,t』=sC0+(s+t)C1×x+(s+2t)C2×x^2+……+(s+nt)Cn×x^n+………

k+1次元パスカルの三角形はk次元パスカルの三角形の自然数乗で出来ている

以前の記事「k-フィボナッチ数列に対応するパスカルの三角形の証明」と関連しています。 mizumiya-umi.hatenablog.com [1],[2],[3],……を変数とします。 k次元パスカルの三角形は、n段目が([1]+[2]+…+[k])^n の係数になるようなものです。(nは0以上の整数) k…

フィボナッチ積と黄金進法の掛け算の同一視

φ=(1+√5)/2 とします。φは黄金数とも呼ばれます。 黄金数は φ^n=φ^(n-2)+φ^(n-1) という性質を持っています。 フィボナッチ型数列F[n]を F[0]=1 F[n]=F[n-1]+F[n-2] と定義します。F[1]はどんな数にしてもいいです。 任意の数xを、 x=x×φ^0 として φ…

k-フィボナッチ数列に対応するパスカルの三角形の証明

以前の記事「k-フィボナッチ数列に対応するパスカルの三角形」に書いたことを証明しました。 mizumiya-umi.hatenablog.com 松田修、津山工業高等専門学校数学クラブ著「11からはじまる数学(東京図書)」 に書かれている、パスカルの三角形やフィボナッチ数列…

パスカルの三角形やカタラン数での母関数の関係 その2

前回の記事の続きです。 mizumiya-umi.hatenablog.com この記事では、パスカルの三角形の1行目の母関数をn次多項式に一般化したものを考えます。 n次多項式F(x)の、m次の係数を{m}と置きます。 F(x)={0}+{1}x+{2}x^2+……+{n}x^n k行目の母関数がF(x)^kに…

パスカルの三角形やカタラン数での母関数の関係

パスカルの三角形を左詰めにした 0行目 1 1行目 1,1 2行目 1,2,1 3行目 1,3,3,1 4行目 1,4,6,4,1 5行目 1,5,10,10,5,1 …… を考えます。 1行目の母関数1+xをF(x)とすると、 k行目の母関数はF(x)^kになります。 例えば、k=3とすると、 F(x)^3=(1+x)^3=1+3x…

+を乗法とする体

pを素数とします。 mod p-1 の演算[a]を、 a^x+a^y=a^z (mod p) のとき、 x[a]y=z (mod p-1) と定義します。 aがpと互いに素のとき a^x=0 (mod p) となるxは存在しませんが、 演算[a]においてa^x=0 (mod p) となるxに対応する数をrと書くことにします。…