明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

2018-01-01から1年間の記事一覧

二重ピタゴラス操作の活用

a,b,cを整数とし、 a^2+b^2=c^2 となっているとき、 s=2(a+b-c) とすると、 (s-a)^2+(s-b)^2=(s-c)^2 となっていて、このような操作を二重ピタゴラス操作と呼ぶことにしたのでした。 さて、x,y,zを整数、nを任意の整数の定数とするとき、 x^2+y^2+n=z^2 つま…

二重ピタゴラス操作の一般化

a[1],a[2],……,a[n]というn個の0以上の整数の和が、bという自然数の平方になるとします。 つまり、 a[1]^2+a[2]^2+……+a[n]^2=b^2 となっているということです。 このようなa[1],……,a[n],bの組を、一つの組から新たに見つけることのできるような計算をおそらく…

分数の和と同一視できるような行列の積

まず分数の和を書きます。 a,cを0でない実数、b,dを実数とするとき、 b/a+d/c=(ad+bc)/ac となっています。 この演算と同じ結果が出るような行列を見つけました。 二次正方行列Xを (a b)(0 a) とし、 二次正方行列Yを (c d)(0 c) とするとき、 行列の積X×Y及…

ピタゴラス数のような行列

a,b,cを既約ピタゴラス数、つまり、 a^2+b^2=c^2となるような既約な自然数とします。 また、aを奇数、bを偶数とします。 A^2+B^2=C^2となるような二次正方行列A,B,Cを、ピタゴラス二次行列と呼ぶことにします。 ピタゴラス二次行列を、ピタゴラス数から作れ…

ピタゴラス数から2通りのやり方で同じ二平方和を作る

mizumiya-umi.hatenablog.com ↑に貼った記事に書いた計算法で、 自然数a[1],b[1],c[1],a[2],b[2],c[2]が a[1]^2+b[1]^2=c[1]^2 a[2]^2+b[2]^2=c[2]^2 を満たすピタゴラス数とするとき、平方数が現れるのでした。 a[1],a[2]を奇数、b[1],b[2]を偶数とし、既約…

mod pのパスカルの三角形で、全ての整数が一度ずつ現れる行のあるもの

pを奇素数とし、 nを2n+1=pとなるような自然数とする mod pにおいて、nと(n+1)をふたつ隣りに並べたものを頂点とするようなパスカルの三角形を計算すると、全ての整数が一度ずつ現れる行が出てくるようだと思いました。証明はできていません。 例を挙げます …

新しい和と積でできる行列の体

通常でない和と積を定義して行列の体を作ることができるようなので投稿します。 まず、この記事で定義する和を巻和、積を巻積と呼ぶことにします。ネーミングに特に深い意味はないです。区別をしたほうが分かりやすいと思ったので名付けました。 これから二…

行列式を変えない操作

↓この記事の続きです。 mizumiya-umi.hatenablog.com ↑に貼った記事では、右!操作、左!操作というものを考えましたが、上!操作、下!操作というものもできることに気付きました。 要領は右!操作、左!操作のときと同じで、 (a b)(c d) という行列を、 (a…

ファレイ数列の行列の性質

↓この記事を読んでからのほうが分かりやすいかもしれません。 mizumiya-umi.hatenablog.com 二次正方行列を (a c)(b d) というように書くことにする。 a,b,dを自然数、cを0以上の整数、a≦b、c<d、ad-bc=1とするとき、 a/bとc/dはいずれかのファレイ数列で隣…

mod pにおける行列の体と無理数による体をフィボナッチでつなげる

↓この記事を読んでからのほうが分かりやすいかもしれません。 mizumiya-umi.hatenablog.com 二次正方行列を (x y)(z w) というように書くことにします。 pを素数とします。 mod pにおいて、 aF[n]+bF[n+1]=F[n+2]となっているF[n]の、一番長いループの長さと…

パスカルの三角形の行列とフィボナッチ

二次正方行列を (a b)(c d) というように書くことにします。三次以上の行列も同様に書くことにします。 (0 1)(1 1) や、 (0 0 1)(0 1 1)(1 2 1) や、 (0 0 0 1)(0 0 1 1)(0 1 2 1)(1 3 3 1)というような、パスカルの三角形のような数の並びをもつ正方行列と…

mod pにおける行列の体

二次正方行列を (a b)(c d) という形で書くことにする mod 5において、 (0 0) (1 3) (3 4) (4 2) (2 1)(0 0) (4 2) (2 1) (1 3) (3 4) という5個の正方行列の集合は、 (0 0)(0 0)を加法の単位元、 (2 1)(3 4)を乗法の単位元とする体になることに気付きました…

フィボナッチと分数

nを自然数とする。 数列F[n]を、 F[0]=0,F[1]=1,F[n-1]+F[n]=F[n+1] と定義する。つまりF[n]はフィボナッチ数列です。 互いに素な自然数a,bを、 F[n-1]/F[n]+F[n]/F[n+1]=a/b と定義するとき、 a+b=F[2n+1] a-b=(F[n-1])^2 となっていると予想しました。 例…

フィボナッチ積と分配法則

a,b,cを自然数とする。 aとbのフィボナッチ積をa〇bと書くことにする。 (a〇(b+c))と(a〇b+a〇c)の差は、0かaかのどちらかに必ずなるのではないかと思いました。 普通の加法とフィボナッチ積の間に、分配法則のようなものが成り立っているのではないかと思っ…

フィボナッチ積の性質

九九の表のように、フィボナッチ積の表を七の段まで書いて眺めていたら思いついたことがあるので書きます。 nを自然数とする n番目のフィボナッチ数をF[n](ただし1=F[2]とする)とする また、aとbのフィボナッチ積をa〇bと書くことにする。 kを自然数とすると…

トリボナッチ積

フィボナッチ積という概念のトリボナッチ数列版を考えてみました。 mizumiya-umi.hatenablog.com で書いたように、トリボナッチ数列から3つ以上連続しないように項を選び、和をとることで、すべての自然数を一意的に表せるだろうと予想しました。 この予想を…

ピタゴラス数の組の集合上の二項演算

a,b,c,d,e,fを a^2+b^2=c^2 d^2+e^2=f^2 となっているような自然数、つまりピタゴラス数とします。 更に、a,dを奇数、b,eを偶数、c,fを奇数として話を進めます。 実は、 n^2+( (a+d) /2)^2+( (b+e) /2)^2=( (c+f) /2)^2、 (ad+n^2)+(be+n^2)=(cf-n^2)+n^2 と…

フィボナッチ数列とmod pでのループの長さが一致する数列

pを素数とし、 m乗するとxになる数を(m)√(x)という表記で書くことにし、 kを(p-1)と互いに素な整数の定数とします。 g(0)=0 g(1)=1 (k)√(g(n)^k+g(n+1)^k)=g(n+2) で定義される数列g(n)と、 フィボナッチ数列のmod pでのループの長さが一致すると予想しまし…

mod pのもうひとつの体

pを素数とします。 m乗するとxになる数を、(m)√(x)という表記で書くことにします。 nを(p-1)と互いに素な整数の定数とします。 演算◇を、a◇b=(n)√(a^n+b^n)と定義するとき、 mod pにおける{0,1,2,……,p-1}という集合は、演算◇に関して位数pの巡回群になります…

mod pにおける一般フィボナッチ数列と2次方程式の解のループの長さと位数の一致

pを素数とし、a,bをmod pで0でない整数とする。 以下の等式はすべてmod pで考える。 nを整数とする。 af(n)+bf(n+1)=f(n+2),f(0)=0,f(1)=1で定義される一般フィボナッチ数列f(n)の、nを0より大きくしていき、最初にf(n)=0,f(n+1)=1となるようなnをf(n)のルー…

mod pにおける既約n次多項式の根による元の個数p^nの体

pを素数、nを2以上の自然数とします。 mod pにおけるある既約n次多項式の根を生成元とする乗法巡回群に0という元を含めたものが、元の個数がp^n個の体になるだろうと予想しました。 既約n次多項式の根であっても体になるような集合を作れないものもあります…

合成数を法とするときにも、体は作れる!

pを素数とし、 nを、pの倍数であり、p^2の倍数でない自然数とするとき、 mod nにおいて{0,n/p,2n/p,……,(p-1)n/p}という集合が体になることに気付きました。 具体例を書きます。 n=21,p=7、つまり、 mod 21において{0,3,6,9,12,15,18}という集合が体になるこ…

平方数を法とするときの加法群と乗法群の同一視

nを2以上の自然数、a,bを整数とする mod n^2において、 anとbnの和が(a+b)nになることと、(an+1)と(bn+1)の積が((a+b)n+1)になることが、似ていることに気付きました。 つまり、 {0,n,2n,……,(n-1)n} (mod n^2)という加法群と、 {1,n+1,2n+1,……,((n-1)n+1)}(m…

位数がべき乗の乗法巡回群

pを奇素数、nを2以上の自然数とする。 mod p^nの元のうち、pで割った余りが1になるようなものの集合は、乗法に関して位数p^(n-1)の巡回群になるようです。 例としてp=5,n=2、つまりmod 25のときをあげると 6^0=1 6^1=6 6^2=11 6^3=16 6^4=21 6^5=1=6^0 とな…

複素ピタゴラス数 その3

前回からの続きです。 ひとつ、複素ピタゴラス数の予想で間違っていることがあったので訂正させてください。 前回、前々回に書いた諸々の予想が当てはまらない例を見つけたので、実部虚部ともに正の整数になっている複素ピタゴラス数の組のみを考える、とい…

複素ピタゴラス数 その2

「複素ピタゴラス数」の続きです。 a,b,cを複素ピタゴラス数、つまりa^2+b^2=c^2となっているガウス整数とする。 「複素ピタゴラス数」のときと同様に、複素数xの実部を{x},虚部を[x]と書くことにする。 どんな複素ピタゴラス数a,b,cにも {a}^2+[a]^2-1=u^2 …

複素ピタゴラス数

m,nを整数、i=√(-1)とします m+niの形で書ける複素数をガウス整数と言います さて、a,b,cをガウス整数とするとき、 a^2+b^2=c^2となっているならば、a,b,cを複素ピタゴラス数と呼ぶことにします 例えば、a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iとするとき a^2+b^2…

新しい群を考えてみた

pを素数とする mod pにおいて、{a,b}というように、2つの整数の組を考える。 演算$を、 {a,b}${c,d}={ac+bd,ad+bc} と定義するとき、 mod pにおける2つの整数の組{a,b}(ただしa+b≠0,a-b≠0)の集合Zは演算$に関して、位数(p-1)^2の可換群になっていると予想し…

階乗の和ですべての自然数を一意的に表す

a[n]を0以上n以下の整数とするとき、 すべての自然数は a[1]×1!+a[2]×2!+a[3]×3!+a[4]×4!+…… の形で一意的に表せると予想しました。 !は階乗という意味で、n!=1×2×……×nという意味です。 小さい自然数の場合を見てみましょう。1!=1,2!=2,3!=6なのでそのように…

2通りの二平方和の比

x,yを異なる4n+1型の素数とする。 どのようなx,yをとっても、 xy=a^2+b^2=c^2+d^2 となるような自然数a,b,c,dが存在します。 2xy=e^2+f^2=g^2+h^2 となるような自然数e,f,g,hも存在します。 それでは今回予想したことを書きます。 (a+c)と(b+d)の最大公約数…