明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

二重ピタゴラス操作の短縮経路 その3

前回の記事

mizumiya-umi.hatenablog.com

で書いた操作[k]について新しく考えたことを書きます

 

操作[k]は、a^2+b^2=c^2となる組〈a,b,c〉から

〈a+z, b+kz, c+kz〉という組を作るものでした

ただしzはz=ー2aー2kb+2kc と定義したもので、

(a+z)^2+(b+kz)^2=(c+kz)^2となっています

 

さて

k{1},k{2},k{3},……,k{pー2},k{pー1},k{p}

というp個の操作(pは正の奇数)を繋いだ

操作[k{1},k{2},k{3},……,k{pー2},k{pー1},k{p}]

は、足し引きを交互にした

操作[k{1}ーk{2}+k{3}ー……+k{pー2}ーk{pー1}+k{p}]

という1個の操作と同じになると気付きました

例を挙げると、

操作[5,2,3]は操作[5ー2+3]つまり操作[6]と同じになる、ということです

 

証明します

3個の操作を繋いだ操作[k{1},k{2},k{3}]が

操作[k{1}ーk{2}+k{3}]と同じと示せたなら

一般の奇数個の操作でも(3個の操作を1個の操作にしていくことで)真と分かるので、これを示します

 

k{1}ーk{2}+k{3}=Kとし

〈a,b,c〉に操作[K]をしてできる

〈ーaー2Kb+2Kc, ー2Ka+(1ー2K^2)b+2(K^2)c, ー2Kaー2(K^2)b+(1+2K^2)c〉

という組と

〈a,b,c〉に操作[k{1},k{2},k{3}]をしたものが一致することを示します

組〈a,b,c〉に操作[k{1}]をすると、

〈ーaー2k{1}b+2k{1}c,

ー2k{1}a+(1ー2k{1}^2)b+(2k{1}^2)c,

ー2k{1}a+(ー2k{1}^2)b+(1+2k{1}^2)c〉

という組ができ

これに操作[k{2}]をすると、

〈aー2(k{2}ーk{1})b+2(k{2}―k{1})c,

2(k{2}ーk{1})a+(1―2(k{2}―k{1})^2)b+(2(k{2}―k{1})^2)c,

2(k{2}ーk{1})a―(2(k{2}―k{1})^2)b+(2(k{2}―k{1})^2+1)c〉

という組ができ

これに操作[k{3}]をすると、

〈―a―2(k{1}ーk{2}+k{3})b+2(k{1}―k{2}+k{3})c,

―2(k{1}ーk{2}+k{3})a+(1―2(k{1}ーk{2}+k{3})^2)b+2((k{1}ーk{2}+k{3})^2)c,

―2(k{1}ーk{2}+k{3})a+(―2(k{1}ーk{2}+k{3})^2)b+(2(k{1}ーk{2}+k{3})^2+1)c〉

という組ができ

これにk{1}ーk{2}+k{3}=Kを代入すると、

〈―a―2Kb+2Kc,

―2Ka+(1―2K^2)b+2(K^2)c,

―2Ka―2(K^2)b+(2K^2+1)c〉

となり〈a,b,c〉に操作[K]をしたものと一致するので、証明できました

 

これを踏まえて有理数の操作を考えると

操作[1/2,0,1/2]は操作[1/2ー0+1/2]つまり操作[1]と同じだと分かったりして、面白いです

あと複素数の操作を考えて

a^2+b^2=c^2となる複素数の組〈a,b,c〉を考えたり、

複素数の組〈a,b,c〉と四元数を絡めたりもできそうだなぁ~と思います

その辺りの考えがまとめられたら、また記事にしたいです

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

またね~~!