前回の記事
の後半で書いた予想を証明しました
a,b,cがa^2+b^2=c^2となる整数のとき
z=ー2aー2kb+2kc (kは実数)
とzを定義すると
(a+z)^2+(b+kz)^2=(c+kz)^2
となっています
(z=ーsとすれば、前回の記事の前半で証明したことと同じものになります)
簡略化のため
a,b,cという組から(a+z),(b+kz),(c+kz)という組を作る操作を操作[k]と書くことにします
また、操作[k]をした組に操作[j]をすることを操作[k,j]
操作[k,j]の後に操作[i]をすることを操作[k,j,i]というように
複数個の操作をつなげて書くことにします
nが正の整数のとき
a,b,cという組へ操作[n]をしてできる組と
a,b,cという組へ操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)をしてできる組が一致することに気付きました
また
a,b,cという組へ操作[ーn]をしてできる組と
a,b,cという組へ操作[0,1,0,1,……,1,0](n+1個の0の間に1)をしてできる組も一致します
証明します
a,b,cという組へ操作[1]をすると
(ーaー2b+2c), (ー2aーb+2c), (ー2aー2b+3c)
という組になり、
a,b,cという組へ操作[0]をすると
(ーa), b, cという組になります
操作[n]と
操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)
が一致することを数学的帰納法で示します
n=1のとき
操作[n]と操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)
は、明らかに操作[1]という同じ操作になります
次に、n=mで成立するときn=m+1でも成立することを示します
操作[m,0,1]と操作[m+1]が一致することを示せばよいです
a,b,cという組へ操作[m]をすると
(ーaー2mb+2mc),
(ー2ma+(ー2m^2+1)b+2m^2c),
(ー2maー2m^2b+(2m^2+1)c)
という組になり、これへ操作[0]をすると
(a+2mbー2mc),
(ー2ma+(ー2m^2+1)b+2m^2c),
(ー2maー2m^2b+(2m^2+1)c)
という組になり、これへ操作[1]をすると
(ーaー2(m+1)b+2(m+1)c),
(ー2(m+1)a+(ー2m^2ー4mー1)b+2(m+1)^2c),
(ー2(m+1)aー2(m+1)^2b+(2m^2+4m+3)c)
という組になり、
これはa,b,cという組へ操作[m+1]をしたものと同じになります
なので、操作[n]と操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)が一致することが分かりました
a,b,cという組へ操作[ーn]をしてできる組と
a,b,cという組へ操作[0,1,0,1,……,1,0](n+1個の0の間に1)をしてできる組が一致することも同様に示せます
証明の具体的な式は、書くのが大変なのと見づらくなる(と思われる)のとで省略させて下さい…(すみません)
ちなみに、a,b,cという組へ操作[v](vは整数)を2度行うと、a,b,cという元の組へ戻ります
つまり操作[v,v]は何もしない操作と同じになります
証明します
a,b,cに操作[0]をするとーa,b,cになり、これに操作[0]をするとa,b,cになるので、操作[0,0]は何もしない操作です
また
a,b,cに操作[1]をすると(ーaー2b+2c),(ー2aーb+2c),(ー2aー2b+3c)になり、これに操作[1]をするとa,b,cになるので、操作[1,1]も何もしない操作です
次に、操作[2,2]を考えてみます
操作[2]は操作[1,0,1]と同じなので、操作[2,2]は操作[1,0,1,1,0,1]と書けます
操作[1,1]は何もしない操作なので、操作[1,0,1,1,0,1]の真ん中の1,1が省略できて、操作[1,0,0,1]と書けます
操作[0,0]も何もしない操作だったので、操作[1,0,0,1]は操作[1,1]と書け、
操作[1,1]は何もしない操作だったので、操作[2,2]が何もしない操作だと分かりました
このやり方で全ての整数vについて示せます
kを整数としたときの操作[k]が、全て0と1を交互に並べたもので表せるのが楽しいなと思いました
以上です お読みいただきありがとうございました!