明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

数列の体

以前の記事「数列の環」を踏まえて体を考えました

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

nを整数とします

n項目をa[n]とした数列A{…,a[-2],a[-1],a[0],a[1],a[2],…}

n項目をb[n]とした数列B{…,b[-2],b[-1],b[0],b[1],b[2],…}

の和A+Bを

{…,a[-2]+b[-2],a[-1]+b[-1],a[0]+b[0],a[1]+b[1],a[2]+b[2],…}

と同じ項同士を足したものと定義し

積ABを、AとBの項の番の和がmになるものの積を、足し合わせたものをm項目に置いたものと定義します

具体的には、積ABの0項目は

…+a[-2]b[2]+a[-1]b[1]+a[0]b[0]+a[1]b[-1]+a[2]b[-2]+…

となり、積ABの1項目は

…+a[-2]b[3]+a[-1]b[2]+a[0]b[1]+a[1]b[0]+a[2]b[-1]+…

となります。

 

さて、有理数などの体を成す集合から項をとるとき

このような数列の集合は体になります

加法の単位元は、すべての項が0の数列で

乗法の単位元は、0項目が1、それ以外の項が0の数列です

 

 

数列{…,a[-2],a[-1],a[0],a[1],a[2],…}を

……

a[-2]

a[-1]

a[0] a[1] a[2] ……

というように正の数の項を右の方へ、負の数の項を上の方へ配置し、

a[n]の右斜め上の位置のものを、a[n]の位置にずらしてa[n]へ足してよいことにすると、積がすっきりした形で書けます。

 

例えば数列{a[-1],a[0],a[1]}と数列{b[-1],b[0],b[1]}の積は、

最初の定義から

{a[-1]b[-1] ,a[-1]b[0]+a[0]b[-1] ,a[-1]b[1]+a[0]b[0]+a[1]b[-1] ,a[1]b[0]+a[0]b[1] ,a[1]b[1]}

と分かりますが、

a[-1]

a[0] a[1]

b[-1]

b[0] b[1]

の積として考えると、

a[-1]

a[0] a[1]

をb[0]倍したものと、右へ1つ移動させてb[1]倍したものと、上へ1つ移動させてb[-1]倍したものの和をとると考えることができます

a[-1]b[-1]

a[-1]b[0]+a[0]b[-1] a[-1]b[1]+a[1]b[-1]

a[0]b[0]      a[1]b[0]+a[0]b[1]   a[1]b[1]

 

 

また、a[n+1]=10a[n]とし、

数列Aの各項を0以上9以下の整数からとるとき、

数列Aは、n項目が10^nの位で-n項目が小数点第n位の、10進数表記された正の実数と同一視できます

 

負数番目の項を、左ではなく、上へ配置すると見やすくなるのが良いなぁと思います

以上です、お読みいただきありがとうございました!