明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

アイゼンシュタイン三角形と複素平面上のかけ算

120度の角をもつ、三辺が整数の三角形をアイゼンシュタイン三角形と言います この記事では アイゼンシュタイン三角形を120度整数三角形 60度の角をもつ三辺が整数の三角形を60度整数三角形 と呼ぶことにします i=√(-1)とし、ω=(1+(√3)i)/2とします ωは6…

二重ピタゴラス操作の短縮経路 その3

前回の記事 mizumiya-umi.hatenablog.com で書いた操作[k]について新しく考えたことを書きます 操作[k]は、a^2+b^2=c^2となる組〈a,b,c〉から 〈a+z, b+kz, c+kz〉という組を作るものでした ただしzはz=ー2aー2kb+2kc と定義したもので、 (a+z)^2+(…

二重ピタゴラス操作の短縮経路 その2

前回の記事 mizumiya-umi.hatenablog.com の後半で書いた予想を証明しました a,b,cがa^2+b^2=c^2となる整数のとき z=ー2aー2kb+2kc (kは実数) とzを定義すると (a+z)^2+(b+kz)^2=(c+kz)^2 となっています (z=ーsとすれば、前回の記事の前半で証…

二重ピタゴラス操作の短縮経路

a,b,cをa^2+b^2=c^2となる整数とします s=2(a+kbーkc) (kは実数) とsを定義するとき (aーs)^2+(bーks)^2=(cーks)^2 となっていることに気付きました つまり絶対値がピタゴラス数の組a,b,cから、 絶対値がピタゴラス数の組(aーs),(bーks),(cーks)を作…

ピタゴラス数と四元数

前回の記事 mizumiya-umi.hatenablog.com のピタゴラス数と複素平面のつながりのように 4次ピタゴラス数と四元数でも同様のつながりがあることに気付きました 4次ピタゴラス数は僕の造語で a^2+b^2+c^2+d^2=e^2 を満たすような整数a,b,c,d,eの組です 四…

ピタゴラス数と複素平面

a^2+b^2=c^2となる正の整数a,b,cをピタゴラス数と呼びますが この記事では、a,b,cが負の整数や0であってもピタゴラス数と呼ぶことにします m,nを整数、iを虚数単位とするとき (m+ni)を2乗した値の、実部と虚部と絶対値はピタゴラス数の組になっています …

二重ピタゴラス操作の拡張

a,b,cを整数、nを自然数の定数とする。 a^2+n×b^2=c^2 となっているとするとき、 s=2(a+nb-c)/n とすると、 (s-a)^2+n×(s-b)^2=(s-c)^2 となっているだろうと予想しました。 つまり、平方と平方のn倍の和が平方になっているような3つの数の組があるとき、こ…

二重ピタゴラス操作の活用

a,b,cを整数とし、 a^2+b^2=c^2 となっているとき、 s=2(a+b-c) とすると、 (s-a)^2+(s-b)^2=(s-c)^2 となっていて、このような操作を二重ピタゴラス操作と呼ぶことにしたのでした。 さて、x,y,zを整数、nを任意の整数の定数とするとき、 x^2+y^2+n=z^2 つま…

二重ピタゴラス操作の一般化

a[1],a[2],……,a[n]というn個の0以上の整数の和が、bという自然数の平方になるとします。 つまり、 a[1]^2+a[2]^2+……+a[n]^2=b^2 となっているということです。 このようなa[1],……,a[n],bの組を、一つの組から新たに見つけることのできるような計算をおそらく…

ピタゴラス数のような行列

a,b,cを既約ピタゴラス数、つまり、 a^2+b^2=c^2となるような既約な自然数とします。 また、aを奇数、bを偶数とします。 A^2+B^2=C^2となるような二次正方行列A,B,Cを、ピタゴラス二次行列と呼ぶことにします。 ピタゴラス二次行列を、ピタゴラス数から作れ…

ピタゴラス数から2通りのやり方で同じ二平方和を作る

mizumiya-umi.hatenablog.com ↑に貼った記事に書いた計算法で、 自然数a[1],b[1],c[1],a[2],b[2],c[2]が a[1]^2+b[1]^2=c[1]^2 a[2]^2+b[2]^2=c[2]^2 を満たすピタゴラス数とするとき、平方数が現れるのでした。 a[1],a[2]を奇数、b[1],b[2]を偶数とし、既約…

ピタゴラス数の組の集合上の二項演算

a,b,c,d,e,fを a^2+b^2=c^2 d^2+e^2=f^2 となっているような自然数、つまりピタゴラス数とします。 更に、a,dを奇数、b,eを偶数、c,fを奇数として話を進めます。 実は、 n^2+( (a+d) /2)^2+( (b+e) /2)^2=( (c+f) /2)^2、 (ad+n^2)+(be+n^2)=(cf-n^2)+n^2 と…

複素ピタゴラス数 その3

前回からの続きです。 ひとつ、複素ピタゴラス数の予想で間違っていることがあったので訂正させてください。 前回、前々回に書いた諸々の予想が当てはまらない例を見つけたので、実部虚部ともに正の整数になっている複素ピタゴラス数の組のみを考える、とい…

複素ピタゴラス数 その2

「複素ピタゴラス数」の続きです。 a,b,cを複素ピタゴラス数、つまりa^2+b^2=c^2となっているガウス整数とする。 「複素ピタゴラス数」のときと同様に、複素数xの実部を{x},虚部を[x]と書くことにする。 どんな複素ピタゴラス数a,b,cにも {a}^2+[a]^2-1=u^2 …

複素ピタゴラス数

m,nを整数、i=√(-1)とします m+niの形で書ける複素数をガウス整数と言います さて、a,b,cをガウス整数とするとき、 a^2+b^2=c^2となっているならば、a,b,cを複素ピタゴラス数と呼ぶことにします 例えば、a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iとするとき a^2+b^2…

2通りの二平方和の比

x,yを異なる4n+1型の素数とする。 どのようなx,yをとっても、 xy=a^2+b^2=c^2+d^2 となるような自然数a,b,c,dが存在します。 2xy=e^2+f^2=g^2+h^2 となるような自然数e,f,g,hも存在します。 それでは今回予想したことを書きます。 (a+c)と(b+d)の最大公約数…

三角ピタゴラス数の親子関係

n番目の三角数をΔn,つまりΔn=n(n+1)/2とします。 Δa+Δb=Δcを満たす自然数a,b,cを三角ピタゴラス数と呼ぶことにします。 一組の三角ピタゴラス数から無数の三角ピタゴラス数を見つける方法を思いつきました。 Δa+Δb=Δc、s=2(a+b-c)+1とするとき、 Δ(a-s)+Δ(b-…

2組のピタゴラス数の積 その2

「2組のピタゴラス数の積」で言ったようなことが、もっと他にも言えることに気付いたので投稿します。 a[1],b[1],c[1]とa[2],b[2],c[2]をピタゴラス数、 つまり a[1]^2+b[1]^2=c[1]^2,a[2]^2+b[2]^2=c[2]^2 となっていて且つa[1].b[1],c[1],a[2],b[2],c[2]…

ピタゴラス数と四平方

a^2+b^2+c^2=d^2,a+b=dのとき、 (a+c)^2+(b+c)^2=(d+c)^2となっていることに気付きました。 四平方からピタゴラス数が作れることがあるということです。 「四平方の親子関係」で書いた四平方操作を、ピタゴラス数にしてみます。 a^2+b^2+0^2=d^2に四平方操作…

四平方の親子関係

a,b,c,dを自然数、a^2+b^2+c^2=d^2,Ω=a+b+c-dとするとき、 (Ω-a)^2+(Ω-b)^2+(Ω-c)^2=(Ω-d)^2となっていることに気付きました。 a^2+b^2+c^2=d^2というように、3つの平方数の和で表せる平方数の式を四平方と呼ぶことにすると、一つの四平方から新たな四平方が…

ピタゴラス数と二次関数

a,b,cをピタゴラス数、つまりa,b,cはa^2+b^2=c^2を満たす互いに素な自然数とする f(x)=(x+a)^2+(x+b)^2-(x+c)^2という関数を考えることで、新たなピタゴラス数や3つの整数の平方の和で表せる平方数が出てくることに気付きました。 では書いていきます f(x)=x…

三角ピタゴラス数の関係

a番目の三角数をΔaと書くことにします。 Δa+Δb=Δcを満たすような自然数a,b,cの組を三角ピタゴラス数と呼ぶことにします。 今回考えた予想はこのようなものです。 自然数a,b,cがΔa+Δb=Δcを満たすとき、 a+bk=ckあるいはak+b=ckとなるような自然数kが必ず存在…

『1+1=2』からはじまる

1+1=2と3^2+4^2=5^2につながりがあり、そのつながりは一般のn角数の範囲まで及んでいることに気付いたので投稿します。 一応書いておくと、二乗した数とは、四角数のことでもあります。 また、m番目の二角数はmです。 m番目のn角数をA(n,m)と書くことにしま…

ピタゴラス数とn角数

m番目のn角数をA(n,m)と書くことにします。 つまり、 A(2,m)=m A(3,m)=m(m+1)/2 A(4,m)=m^2 です。 ピタゴラス数を多角数の場合で見てみたときに面白いことが言えることに気付きました。 3^2+4^2=5^2を拡張して、 A(n,3)+A(n,4)+n-4=A(n,5) という等式が成り…

ピタゴラス数の親子の関係 その4

その3までの続きです。 (3,4,5)のaの子、(3,4,5)のaの子のaの子、……と、次々とaの子を並べていくと、 (3,4,5)→(5,12,13)→(7,24,25)→(9,40,41)→…… となります。 c-bは一貫して1です。 これのa+bをそれぞれ計算すると、 7,17,31,49,…… となり、この数列の隣り…

ピタゴラス数の表における発見 その2

ピタゴラス数の表とは今までの記事で頻繁に書いてきた、 (3,4,5) (5,12,13) (7,24,25) (9,40,41) (11,60,61) (13,84,85) (15,8,17) (21,20,29) (27,36,45) (33,56,65) (39,80,89) (45,108,117) (35,12,37) (45,28,53) (55,48,73) (65,72,97) (75,100,125) (8…

60度、120度の角を持つ、三辺が整数の三角形の表

タイトルの通りです。 m,nを自然数とし、m≠nとする 三角形の三辺の長さを(a,b,c)とするとき、 (a,b,c)=((2m-1)(2n-1),(m-1/2)^2+3(n-1/2)^2,|(m-n)(m+3n-2)|) を満たす三角形は、60度、120度いずれかの角を持ちます。 https://www.chart.co.jp/subject/sugak…

ピタゴラス数の親子の関係 その3

ピタゴラス数(a,b,c)のaの子を(d1,e1,f1)、 bの子を(d2,e2,f2)、 cの子を(d3,e3,f3)とする。 「ピタゴラス数の親子の関係 その2」で書いたように、 (ab)/12と(d1e1)/12の差、(ab)/12と(d2e2)/12の差、(ab)/12と(d3e3)/12の和、が、それぞれ平方数になるので…

ピタゴラス数の親子の関係 その2

ピタゴラス数(a,b,c)のaの子を(d1,e1,f1)、 bの子を(d2,e2,f2)、 cの子を(d3,e3,f3)とする。 (ab)/12と(d1e1)/12の差、(ab)/12と(d2e2)/12の差、(ab)/12と(d3e3)/12の和、が、それぞれ平方数になる、と予想しました。 また、 |(ab)/12-(d1e1)/12|=m^2 |(ab)/…

ピタゴラス数の親子の関係

「二重ピタゴラス操作と行列」「二重ピタゴラス操作と行列 その2」の続きです。 ピタゴラス数(a,b,c)のaの子を(d1,e1,f1)とするとき、 d1+a=e1-b=f1-cが、 ピタゴラス数(a,b,c)のbの子を(d2,e2,f2)とするとき、 d2-a=e2+b=f2-cが、 ピタゴラス数(a,b,c)のc…