明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

ピタゴラス数から2通りのやり方で同じ二平方和を作る

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

↑に貼った記事に書いた計算法で、

自然数a[1],b[1],c[1],a[2],b[2],c[2]が

a[1]^2+b[1]^2=c[1]^2

a[2]^2+b[2]^2=c[2]^2

を満たすピタゴラス数とするとき、平方数が現れるのでした。

 

a[1],a[2]を奇数、b[1],b[2]を偶数とし、既約なピタゴラス数のみを考えることにします。 

 

このやり方で現れる平方数と同じものが、違うやり方でも現れることに気付きました。

どのようなa[1],b[1],c[1],a[2],b[2],c[2]に対しても

a[1]a[2]+n^2

b[1]b[2]+n^2

c[1]c[2]-n^2

がすべて平方数となるようなnが存在し、また、

2a[1]b[2]+m^2

2b[1]a[2]+m^2

2c[1]c[2]-m^2

がすべて平方数となるようなmも存在するようで、ここで現れる平方数が上に貼った記事の計算で現れる平方数と一致するようなのです。

 

例を挙げます。

(a[1],b[1],c[1])=(3,4,5)

(a[2],b[2],c[2])=(5,12,13)

とするとき

「2組のピタゴラス数の積 その2」で書いた計算をすると、

a[1]a[2]+b[1]b[2]+c[1]c[2]=2×8^2

-a[1]a[2]+b[1]b[2]+c[1]c[2]=2×7^2

a[1]a[2]-b[1]b[2]+c[1]c[2]=2×4^2

-a[1]a[2]-b[1]b[2]+c[1]c[2]=2×1^2

 

a[1]b[2]+b[1]a[2]+c[1]c[2]=11^2

-a[1]b[2]+b[1]a[2]+c[1]c[2]=7^2

a[1]b[2]-b[1]a[2]+c[1]c[2]=9^2

-a[1]b[2]-b[1]a[2]+c[1]c[2]=3^2

 

となり、

今回書いた計算をすると(n=1,m=3です。)

a[1]a[2]+n^2=3×5+1^2=4^2

b[1]b[2]+n^2=4×12+1^2=7^2

c[1]c[2]-n^2=5×13-1^2=8^2

 

2a[1]b[2]+m^2=2×3×12+3^2=9^2

2b[1]a[2]+m^2=2×4×5+3^2=7^2

2c[1]c[2]-m^2=2×5×13-3^2=11^2

 

と、現れる平方数が一致します。

 

ちなみに、これらの平方数には、

1^2+8^2=4^2+7^2=65=5×13=c[1]×c[2]

3^2+11^2=7^2+9^2=130=2×5×13=2×c[1]×c[2]

というような関係性があります。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!