明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

複素ピタゴラス数

m,nを整数、i=√(-1)とします

m+niの形で書ける複素数ガウス整数と言います

さて、a,b,cをガウス整数とするとき、

a^2+b^2=c^2となっているならば、a,b,cを複素ピタゴラスと呼ぶことにします

 

例えば、a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iとするとき

a^2+b^2=(4+7i)^2+(1+4i)^2=16+56i-49+1+8i-16=-48+64i

c^2=(4+8i)^2=16+64i-64=-48+64i

と、a^2+b^2=c^2になっているので

4+7i, 1+4i, 4+8i は複素ピタゴラス数です

 

複素数m+ni のmを実部、nを虚部と呼び、

複素数xの実部を{x}, 虚部を[x]と書くことにします

 

 

ガウス整数a,b,cがa^2+b^2=c^2を満たす複素ピタゴラス数のとき、

{a}^2+{b}^2={c}^2+1

[a]^2+[b]^2=[c]^2+1

となっていると予想しました

 

上で例に出した 4+7i, 1+4i, 4+8i という複素ピタゴラス数で考えると、

{4+7i}^2+{1+4i}^2=4^2+1^2={4+8i}^2+1

[4+7i]^2+[1+4i]^2=7^2+4^2=65=64+1=8^2+1=[4+8i]^2+1

となり、この例では成立しています

 

 

もう一つ予想しました。

{c+a}^2+[c+a]^2=p^2

{c-a}^2+[c-a]^2=q^2

{c+b}^2+[c+b]^2=r^2

{c-b}^2+[c-b]^2=s^2

となるような整数p,q,r,sが存在するという予想です

つまり複素ピタゴラス数からピタゴラス数が作れるだろうと思いました

 

a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iという複素ピタゴラス数で考えると

c+a=4+8i+4+7i=8+15i なので、

{c+a}^2+[c+a]^2={8+15i}^2+[8+15i]^2=8^2+15^2=289=17^2

c-a=4+8i-4-7i=i なので、

{c-a}^2+[c-a]^2={i}^2+[i]^2=0^2+1^2=1^2

 c+b=4+8i+1+4i=5+12i なので、

{c+b}^2+[c+b]^2={5+12i}^2+[5+12i]^2=5^2+12^2=169=13^2

c-b=4+8i-1-4i=3+4i なので、

{c-b}^2+[c-b]^2={3+4i}^2+[3+4i]^2=3^2+4^2=25=5^2

となり、この例では真になっています。

 

 

ちなみに、ピタゴラス数の場合と同じく、二重ピタゴラス操作で複素ピタゴラス数を見つけていけるので紹介しておきます 

a,b,cが複素ピタゴラス数のとき、

t=2(a+b-c)とすると、

(t-a),(t-b),(t-c)もまた複素ピタゴラス数になっています。

a,b,cのどれかひとつにマイナスをつけてこの操作をすることでも複素ピタゴラス数が作れるので、ひとつの複素ピタゴラス数から複数の複素ピタゴラス数が作れます。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

 

【追記】

ちょっとしたことですが、予想したことがあるので書きます。

p+q=r+s

|p-r|=|q-s|

となっているのではないかと考えました。