明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

mod pにおける既約n次多項式の根による元の個数p^nの体

pを素数、nを2以上の自然数とします。

mod pにおけるある既約n次多項式の根を生成元とする乗法巡回群に0という元を含めたものが、元の個数がp^n個の体になるだろうと予想しました。

既約n次多項式の根であっても体になるような集合を作れないものもありますが、作れるようなものがどんなp,nにも必ず存在するだろう、という予想です。

 

例としてp=3,n=3の場合を見てみます。

mod 3において、x^3-x+1は既約多項式です。
何故なら、まずxに0,1,2いずれを代入しても0にならないので1次式を因数に持たないことが分かり、3次式が2次式を因数に持つためには1次式も因数に持たないといけないことから2次式も因数に持たないことが分かるからです。

x^3-x+1の根のひとつをaとすると、a^3-a+1=0からa^3=a-1が分かります。

 

さて、これからaを生成元とする位数3^3-1、つまり位数26の乗法巡回群ができることを見ていきます。

a^3=a-1なので、a^3が出てきたらa-1に置き換えます。また、mod 3なので 2=-1 になります。

a^0=1

a^1=a

a^2=a^2

a^3=a-1

a^4=a^2-a

a^5=-a^2+a-1

a^6=a^2+a+1

a^7=a^2-a-1

a^8=-a^2-1

a^9=a+1

a^10=a^2+a

a^11=a^2+a-1

a^12=a^2-1

a^13=-1

a^14=-a

a^15=-a^2

a^16=-a+1

a^17=-a^2+a

a^18=a^2-a+1

a^19=-a^2-a-1

a^20=-a^2+a+1

a^21=a^2+1

a^22=-a-1

a^23=-a^2-a

a^24=-a^2-a+1

a^25=-a^2+1

a^26=1

 

となり、位数26になることが確かめられました。これに0という元を加えると、加減乗除のできる体になります。

 

根の値を求めることは大変ですが、このように文字だけで計算しても確かめられるので、自分で調べたい方は文字のままで計算してみてください。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

合成数を法とするときにも、体は作れる!

pを素数とし、

nを、pの倍数であり、p^2の倍数でない自然数とするとき、

mod nにおいて{0,n/p,2n/p,……,(p-1)n/p}という集合が体になることに気付きました。

 

具体例を書きます。

n=21,p=7、つまり、

mod 21において{0,3,6,9,12,15,18}という集合が体になることを見ていきましょう。

ここから先、等式はすべてmod 21として考えます。

 

足し算、引き算、掛け算については閉じています。

割り算についてみていきます。

任意の集合の元aに対して、15a=aとなっているので、15が乗法の単位元です。

例えばa=3のとき、15×3=45=3となっています。

 

ab=15となっているとき、a^(-1)=bと定義することで、割り算が定義できます。

たとえば、3×12=15なので、3^(-1)=12です。

 

 以上です!おそらく有名だとは思いますが、面白いなぁと思ったので投稿しました。

お読みいただきありがとうございました!

 

平方数を法とするときの加法群と乗法群の同一視

nを2以上の自然数、a,bを整数とする

 

mod n^2において、

anとbnの和が(a+b)nになることと、(an+1)と(bn+1)の積が((a+b)n+1)になることが、似ていることに気付きました。

つまり、

{0,n,2n,……,(n-1)n} (mod n^2)という加法群と、

{1,n+1,2n+1,……,((n-1)n+1)}(mod n^2)という乗法群が同型になるのです。

 

そこで考えたのが、加法の演算をするときはanとして考え、乗法の演算をするときはan+1として考えるような、[a]という数を考えると、

{[0],[1],[2],……,[n-1]}(mod n^2)という集合は、加法に関しても乗法に関しても閉じているな、ということです。

ただし、分配法則が成り立たず、この集合は環にはなりません。

[a]×[b]=[a]+[b]というように、ふたつの数の和をとっても積をとっても同じになります。

 

以上です!なにか間違っているところや気付いたことなどあれば是非教えてください。

お読みいただきありがとうございました!

位数がべき乗の乗法巡回群

pを奇素数、nを2以上の自然数とする。

mod p^nの元のうち、pで割った余りが1になるようなものの集合は、乗法に関して位数p^(n-1)の巡回群になるようです。

例としてp=5,n=2、つまりmod 25のときをあげると

6^0=1

6^1=6

6^2=11

6^3=16

6^4=21

6^5=1=6^0

となり、5で割った余りが1の数の集合が、位数が5^1の乗法巡回群になっていることが分かります。

 

p^2で割った余りが1にならないような元が、その群の生成元になるようです。

 

あと、mod p^2のときの巡回群は、等差数列にもなっているようなのです。

上の例をみても、6を掛けるごとに+5されているのが分かります。

証明はそんなに難しくないです。

modpで1になるような任意の数xが、

(pk+1)x=x+pk(mod p^2)(kはpと互いに素な整数)

を満たすことが分かれば示せます。

この式を変形すると、pk(x-1)=0(mod p^2)となり、x=1(mod p)であればこの式が成立することは明らかです。よって示されました。

 

拡張を考えました。

pを3以上の自然数、つまりpが合成数の場合を含めて考えても、上に書いた「mod p^nの元のうち、pで割った余りが1になるようなものの集合は、乗法に関して位数p^(n-1)の巡回群になる」は成り立つのではないかと思いました。

たとえば、pが6のとき、mod 36を考えると、

7^0=1

7^1=7

7^2=13

7^3=19

7^4=25

7^5=31

7^6=1=7^0

となります。

「mod p^2のときの巡回群は、等差数列にもなっている」は、pが奇素数のときと同様に示せます。

 

 

mod p^nで、pで割った余りが1になる元の集合は、p^2で割った余りが1にならない元を生成元とする乗法群になるのではないかと思いました。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

複素ピタゴラス数 その3

前回からの続きです。

 

ひとつ、複素ピタゴラス数の予想で間違っていることがあったので訂正させてください。

前回、前々回に書いた諸々の予想が当てはまらない例を見つけたので、実部虚部ともに正の整数になっている複素ピタゴラス数の組のみを考える、という条件をつけさせてください。

また、互いに素な複素ピタゴラス数のみを考える、と書くのを忘れていました。すみません。

 

今回書く予想もその条件のもとで行きます。

 

a,b,cをa^2+b^2=c^2となっている複素ピタゴラス数、任意の複素数xの実部を{x},虚部を[x]と書くことにします。

 

このとき、

{a+b+c}^2+[a+b+c]^2-1=α^2

{-a+b+c}^2+[-a+b+c]^2-1=β^2

{a-b+c}^2+[a-b+c]^2-1=γ^2

{a+b-c}^2+[a+b-c]^2-1=Δ^2

となるような自然数α,β,γ,Δが存在し、さらに、

α=β+γ+Δ

となっているだろうと予想しました。

 

例としてa=4+7i,b=1+4i,c=4+8iという複素ピタゴラス数で考えると、

{a+b+c}^2+[a+b+c]^2-1=9^2+19^2-1=81+361-1=441=21^2

{-a+b+c}^2+[-a+b+c]^2-1=1^2+5^2-1=5^2

{a-b+c}^2+[a-b+c]^2-1=7^2+11^2-1=169=13^2

{a+b-c}^2+[a+b-c]^2-1=1^2+3^2-1=3^2

21=5+13+3

となります。

 

 

他にも考えたことがあります。

({a}+[a])^2+({b}+[b])^2-2=({c}+[c])^2

となっているのではないかというものです。

 

a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iで考えると、

({a}+[a])^2+({b}+[b])^2-2=11^2+5^2-2=144

({c}+[c])^2=12^2=144

となります。

 

また、({a}-[a])^2+({b}-[b])^2-2=({c}-[c])^2ともなっていそうです。

 

 

もうひとつ予想しました。

({a}+{b})^2+([a]+[b])^2-2=ε^2

({a}-{b})^2+([a]-[b])^2-2=ζ^2

となるような自然数ε,ζがあるのではないかというものです。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

複素ピタゴラス数 その2

「複素ピタゴラス数」の続きです。

 

a,b,cを複素ピタゴラス数、つまりa^2+b^2=c^2となっているガウス整数とする。

 

「複素ピタゴラス数」のときと同様に、複素数xの実部を{x},虚部を[x]と書くことにする。

 

どんな複素ピタゴラス数a,b,cにも

{a}^2+[a]^2-1=u^2

{b}^2+[b]^2-1=v^2

{c}^2+[c]^2+1=w^2

となるような整数u,v,wが存在し、さらに、u,v,wは

u^2+v^2+1=w^2

となっているだろうと予想しました。

 

具体例を書きます

a=17+14i

b=34+31i

c=38+34i

という複素ピタゴラス数で考えると、

{a}^2+[a]^2-1=17^2+14^2-1=289+196-1=484=22^2

{b}^2+[b]^2-1=34^2+31^2-1=1156+961-1=2116=46^2

{c}^2+[c]^2+1=38^2+34^2+1=1444+1156+1=2601=51^2

22^2+46^2+1=484+2116+1=2601=51^2

となっていて、確かに成立しています。

 

面白いなぁと思います。

以上です。お読みいただきありがとうございました!

複素ピタゴラス数

m,nを整数、i=√(-1)とします

m+niの形で書ける複素数ガウス整数と言います

さて、a,b,cをガウス整数とするとき、

a^2+b^2=c^2となっているならば、a,b,cを複素ピタゴラスと呼ぶことにします

 

例えば、a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iとするとき

a^2+b^2=(4+7i)^2+(1+4i)^2=16+56i-49+1+8i-16=-48+64i

c^2=(4+8i)^2=16+64i-64=-48+64i

と、a^2+b^2=c^2になっているので

4+7i, 1+4i, 4+8i は複素ピタゴラス数です

 

複素数m+ni のmを実部、nを虚部と呼び、

複素数xの実部を{x}, 虚部を[x]と書くことにします

 

 

ガウス整数a,b,cがa^2+b^2=c^2を満たす複素ピタゴラス数のとき、

{a}^2+{b}^2={c}^2+1

[a]^2+[b]^2=[c]^2+1

となっていると予想しました

 

上で例に出した 4+7i, 1+4i, 4+8i という複素ピタゴラス数で考えると、

{4+7i}^2+{1+4i}^2=4^2+1^2={4+8i}^2+1

[4+7i]^2+[1+4i]^2=7^2+4^2=65=64+1=8^2+1=[4+8i]^2+1

となり、この例では成立しています

 

 

もう一つ予想しました。

{c+a}^2+[c+a]^2=p^2

{c-a}^2+[c-a]^2=q^2

{c+b}^2+[c+b]^2=r^2

{c-b}^2+[c-b]^2=s^2

となるような整数p,q,r,sが存在するという予想です

つまり複素ピタゴラス数からピタゴラス数が作れるだろうと思いました

 

a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iという複素ピタゴラス数で考えると

c+a=4+8i+4+7i=8+15i なので、

{c+a}^2+[c+a]^2={8+15i}^2+[8+15i]^2=8^2+15^2=289=17^2

c-a=4+8i-4-7i=i なので、

{c-a}^2+[c-a]^2={i}^2+[i]^2=0^2+1^2=1^2

 c+b=4+8i+1+4i=5+12i なので、

{c+b}^2+[c+b]^2={5+12i}^2+[5+12i]^2=5^2+12^2=169=13^2

c-b=4+8i-1-4i=3+4i なので、

{c-b}^2+[c-b]^2={3+4i}^2+[3+4i]^2=3^2+4^2=25=5^2

となり、この例では真になっています。

 

 

ちなみに、ピタゴラス数の場合と同じく、二重ピタゴラス操作で複素ピタゴラス数を見つけていけるので紹介しておきます 

a,b,cが複素ピタゴラス数のとき、

t=2(a+b-c)とすると、

(t-a),(t-b),(t-c)もまた複素ピタゴラス数になっています。

a,b,cのどれかひとつにマイナスをつけてこの操作をすることでも複素ピタゴラス数が作れるので、ひとつの複素ピタゴラス数から複数の複素ピタゴラス数が作れます。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

 

【追記】

ちょっとしたことですが、予想したことがあるので書きます。

p+q=r+s

|p-r|=|q-s|

となっているのではないかと考えました。

新しい群を考えてみた

pを素数とする

mod pにおいて、{a,b}というように、2つの整数の組を考える。

演算$を、

{a,b}${c,d}={ac+bd,ad+bc}

と定義するとき、

mod pにおける2つの整数の組{a,b}(ただしa+b≠0,a-b≠0)の集合Zは演算$に関して、位数(p-1)^2の可換群になっていると予想しました。

 

可換であることは

{a,b}${c,d}={ac+bd,ad+bc}

{c,d}${a,b}={ca+db,ab+da}={ac+bd,ad+bc}

となることから分かります。

 

単位元は{1,0}です。

 

逆元があることの証明はできていません。

 

結合法則を満たすことは、

{a,b}$({c,d}${e,f})={a,b}${ce+df,cf+de}={ace+adf+bcf+bde,acf+ade+bce+bdf}

({a,b}${c,d})${e,f}={ac+bd,ad+bc}${e,f}={ace+bde+adf+bcf,acf+bdf+ade+bce}={ace+adf+bcf+bde,acf+ade+bce+bdf}

となることから分かります。

 

具体例を書きます。mod5においては

{1,0}{1,3}{0,1}{3,1}
{2,0}{2,1}{0,2}{1,2}
{4,0}{4,2}{0,4}{2,4}
{3,0}{3,4}{0,3}{4,3}

という16(=(5-1)^2)個の整数の2つ組の集合が群になっています。表の中で、右に一個分進むには{1,3}を演算し、下に一個分進むには{2,0}を演算します。一番右まで行ったら次は一番左へ行き、一番下まで行ったら次は一番上に行きます。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

階乗の和ですべての自然数を一意的に表す

a[n]を0以上n以下の整数とするとき、

すべての自然数

a[1]×1!+a[2]×2!+a[3]×3!+a[4]×4!+……

の形で一意的に表せると予想しました。

!は階乗という意味で、n!=1×2×……×nという意味です。

 

小さい自然数の場合を見てみましょう。1!=1,2!=2,3!=6なのでそのように書きます。

1=1×1

2=0×1+1×2

3=1×1+1×2

4=0×1+2×2

5=1×1+2×2

6=0×1+0×2+1×6

となり、確かに一意的に表せています。

 

では拡張を書きます。

a[n]を0以上n以下の整数とするとき、

すべての整数は

a[1]×(-1!)+a[2]×2!+a[3]×(-3!)+a[4]×4!+a[5]×(-5!)……

の形で一意的に表せるのかなと思いました。

 

小さい自然数の場合を見てみます。-1!=-1,2!=2,-3!=-6,4!=24なのでそのように書きます。

1=1×(-1)+1×2

2=0×(-1)+1×2

3=1×(-1)+2×2

4=0×(-1)+2×2

5=1×(-1)+0×2+3×(-6)+1×24

6=0×(-1)+0×2+3×(-6)+1×24

というようになっています。

 

もうひとつ違う形に拡張したものも考えました。

mを奇数の自然数とし、m!!=1×3×……×mとする。

すべての自然数

a[2]×1!!+a[4]×3!!+a[6]×5!!+a[8]×7!!+…+a[2n]×(2n-1)!!+…

の形で一意的に表せると予想しました。

奇数のみの階乗を書きましたが、偶数のみの階乗でも同じことが言えそうです。

更に拡張して、nの倍数のみの階乗、nで割った余りがkの自然数のみの階乗などでも同様のことを考えることができます。

一個目の拡張で書いたような、ひとつ置きに負の数をつけたものをこの拡張で考えても、すべての整数を一意的に表せるだろうと予想しています。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

2通りの二平方和の比

x,yを異なる4n+1型の素数とする。

どのようなx,yをとっても、

xy=a^2+b^2=c^2+d^2

となるような自然数a,b,c,dが存在します。

2xy=e^2+f^2=g^2+h^2

となるような自然数e,f,g,hも存在します。

 

それでは今回予想したことを書きます。

 

(a+c)と(b+d)の最大公約数をsとするとき、

((a+c)/s)^2+((b+d)/s)^2は、x,2x,y,2yのいずれかになると予想しました。

(a+c)と(b+d)ではなく、(a+d)と(b+c)としても同様になっているだろうと思っています。

 

また、

(e+g)と(f+h)の最大公約数をtとするとき、

((e+g)/t)^2+((f+h)/t)^2が、x,2x,y,2yのいずれかになると予想しました。

(e+g)と(f+h)ではなく、(e+h)と(f+g)としても同様になっているだろうと思っています。

 

具体例を挙げます。

x=13,y=17とするとき

xy=221=10^2+11^2=5^2+14^2

なので、a=10,b=11,c=5,d=14とすることができます。

 

(a+c)と(b+d)、つまり15と25の最大公約数は5なので、s=5です。

よって、((a+c)/s)=3,((b+d)/s)=5となり、

((a+c)/s)^2+((b+d)/s)^2=3^2+5^2=9+25=34=2×17=2yとなっています。

 

(a+d)と(b+c)、つまり24と16の最大公約数は8です

よって、((a+d)/8)=3,((b+c)/8)=2となり、

((a+d)/8)^2+((b+c)/2)^2=3^2+2^2=9+4=13=xとなっています。

 

2xyも考えてみると、

2xy=442=1^2+21^2=9^2+19^2なので、

(1+9)と(21+19)の最大公約数は10なので

((1+9)/10)^2+((21+19)/10)^2=1^2+4^2=17=y

(1+19)と(21+9)の最大公約数は10なので

((1+19)/10)^2+((21+9)/10)^2=2^2+3^2=13=x

と、確かに成立しています

 

 

 

また、p,q,rをピタゴラス数とするとき、

p^2+q^2=0^2+r^2と考えることで、今回言ったことをピタゴラス数にも適用させることができます。 

以上です!お読みいただきありがとうございました!