明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

複素ピタゴラス数 その3

前回からの続きです。

 

ひとつ、複素ピタゴラス数の予想で間違っていることがあったので訂正させてください。

前回、前々回に書いた諸々の予想が当てはまらない例を見つけたので、実部虚部ともに正の整数になっている複素ピタゴラス数の組のみを考える、という条件をつけさせてください。

また、互いに素な複素ピタゴラス数のみを考える、と書くのを忘れていました。すみません。

 

今回書く予想もその条件のもとで行きます。

 

a,b,cをa^2+b^2=c^2となっている複素ピタゴラス数、任意の複素数xの実部を{x},虚部を[x]と書くことにします。

 

このとき、

{a+b+c}^2+[a+b+c]^2-1=α^2

{-a+b+c}^2+[-a+b+c]^2-1=β^2

{a-b+c}^2+[a-b+c]^2-1=γ^2

{a+b-c}^2+[a+b-c]^2-1=Δ^2

となるような自然数α,β,γ,Δが存在し、さらに、

α=β+γ+Δ

となっているだろうと予想しました。

 

例としてa=4+7i,b=1+4i,c=4+8iという複素ピタゴラス数で考えると、

{a+b+c}^2+[a+b+c]^2-1=9^2+19^2-1=81+361-1=441=21^2

{-a+b+c}^2+[-a+b+c]^2-1=1^2+5^2-1=5^2

{a-b+c}^2+[a-b+c]^2-1=7^2+11^2-1=169=13^2

{a+b-c}^2+[a+b-c]^2-1=1^2+3^2-1=3^2

21=5+13+3

となります。

 

 

他にも考えたことがあります。

({a}+[a])^2+({b}+[b])^2-2=({c}+[c])^2

となっているのではないかというものです。

 

a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iで考えると、

({a}+[a])^2+({b}+[b])^2-2=11^2+5^2-2=144

({c}+[c])^2=12^2=144

となります。

 

また、({a}-[a])^2+({b}-[b])^2-2=({c}-[c])^2ともなっていそうです。

 

 

もうひとつ予想しました。

({a}+{b})^2+([a]+[b])^2-2=ε^2

({a}-{b})^2+([a]-[b])^2-2=ζ^2

となるような自然数ε,ζがあるのではないかというものです。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

複素ピタゴラス数 その2

「複素ピタゴラス数」の続きです。

 

a,b,cを複素ピタゴラス数、つまりa^2+b^2=c^2となっているガウス整数とする。

 

「複素ピタゴラス数」のときと同様に、複素数xの実部を{x},虚部を[x]と書くことにする。

 

どんな複素ピタゴラス数a,b,cにも

{a}^2+[a]^2-1=u^2

{b}^2+[b]^2-1=v^2

{c}^2+[c]^2+1=w^2

となるような整数u,v,wが存在し、さらに、u,v,wは

u^2+v^2+1=w^2

となっているだろうと予想しました。

 

具体例を書きます

a=17+14i

b=34+31i

c=38+34i

という複素ピタゴラス数で考えると、

{a}^2+[a]^2-1=17^2+14^2-1=289+196-1=484=22^2

{b}^2+[b]^2-1=34^2+31^2-1=1156+961-1=2116=46^2

{c}^2+[c]^2+1=38^2+34^2+1=1444+1156+1=2601=51^2

22^2+46^2+1=484+2116+1=2601=51^2

となっていて、確かに成立しています。

 

面白いなぁと思います。

以上です。お読みいただきありがとうございました!

複素ピタゴラス数

m,nを整数、i=√(-1)とします

m+niの形で書ける複素数ガウス整数と言います

さて、a,b,cをガウス整数とするとき、

a^2+b^2=c^2となっているならば、a,b,cを複素ピタゴラスと呼ぶことにします

 

例えば、a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iとするとき

a^2+b^2=(4+7i)^2+(1+4i)^2=16+56i-49+1+8i-16=-48+64i

c^2=(4+8i)^2=16+64i-64=-48+64i

と、a^2+b^2=c^2になっているので

4+7i, 1+4i, 4+8i は複素ピタゴラス数です

 

複素数m+ni のmを実部、nを虚部と呼び、

複素数xの実部を{x}, 虚部を[x]と書くことにします

 

 

ガウス整数a,b,cがa^2+b^2=c^2を満たす複素ピタゴラス数のとき、

{a}^2+{b}^2={c}^2+1

[a]^2+[b]^2=[c]^2+1

となっていると予想しました

 

上で例に出した 4+7i, 1+4i, 4+8i という複素ピタゴラス数で考えると、

{4+7i}^2+{1+4i}^2=4^2+1^2={4+8i}^2+1

[4+7i]^2+[1+4i]^2=7^2+4^2=65=64+1=8^2+1=[4+8i]^2+1

となり、この例では成立しています

 

 

もう一つ予想しました。

{c+a}^2+[c+a]^2=p^2

{c-a}^2+[c-a]^2=q^2

{c+b}^2+[c+b]^2=r^2

{c-b}^2+[c-b]^2=s^2

となるような整数p,q,r,sが存在するという予想です

つまり複素ピタゴラス数からピタゴラス数が作れるだろうと思いました

 

a=4+7i,b=1+4i,c=4+8iという複素ピタゴラス数で考えると

c+a=4+8i+4+7i=8+15i なので、

{c+a}^2+[c+a]^2={8+15i}^2+[8+15i]^2=8^2+15^2=289=17^2

c-a=4+8i-4-7i=i なので、

{c-a}^2+[c-a]^2={i}^2+[i]^2=0^2+1^2=1^2

 c+b=4+8i+1+4i=5+12i なので、

{c+b}^2+[c+b]^2={5+12i}^2+[5+12i]^2=5^2+12^2=169=13^2

c-b=4+8i-1-4i=3+4i なので、

{c-b}^2+[c-b]^2={3+4i}^2+[3+4i]^2=3^2+4^2=25=5^2

となり、この例では真になっています。

 

 

ちなみに、ピタゴラス数の場合と同じく、二重ピタゴラス操作で複素ピタゴラス数を見つけていけるので紹介しておきます 

a,b,cが複素ピタゴラス数のとき、

t=2(a+b-c)とすると、

(t-a),(t-b),(t-c)もまた複素ピタゴラス数になっています。

a,b,cのどれかひとつにマイナスをつけてこの操作をすることでも複素ピタゴラス数が作れるので、ひとつの複素ピタゴラス数から複数の複素ピタゴラス数が作れます。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

 

【追記】

ちょっとしたことですが、予想したことがあるので書きます。

p+q=r+s

|p-r|=|q-s|

となっているのではないかと考えました。

新しい群を考えてみた

pを素数とする

mod pにおいて、{a,b}というように、2つの整数の組を考える。

演算$を、

{a,b}${c,d}={ac+bd,ad+bc}

と定義するとき、

mod pにおける2つの整数の組{a,b}(ただしa+b≠0,a-b≠0)の集合Zは演算$に関して、位数(p-1)^2の可換群になっていると予想しました。

 

可換であることは

{a,b}${c,d}={ac+bd,ad+bc}

{c,d}${a,b}={ca+db,ab+da}={ac+bd,ad+bc}

となることから分かります。

 

単位元は{1,0}です。

 

逆元があることの証明はできていません。

 

結合法則を満たすことは、

{a,b}$({c,d}${e,f})={a,b}${ce+df,cf+de}={ace+adf+bcf+bde,acf+ade+bce+bdf}

({a,b}${c,d})${e,f}={ac+bd,ad+bc}${e,f}={ace+bde+adf+bcf,acf+bdf+ade+bce}={ace+adf+bcf+bde,acf+ade+bce+bdf}

となることから分かります。

 

具体例を書きます。mod5においては

{1,0}{1,3}{0,1}{3,1}
{2,0}{2,1}{0,2}{1,2}
{4,0}{4,2}{0,4}{2,4}
{3,0}{3,4}{0,3}{4,3}

という16(=(5-1)^2)個の整数の2つ組の集合が群になっています。表の中で、右に一個分進むには{1,3}を演算し、下に一個分進むには{2,0}を演算します。一番右まで行ったら次は一番左へ行き、一番下まで行ったら次は一番上に行きます。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

階乗の和ですべての自然数を一意的に表す

a[n]を0以上n以下の整数とするとき、

すべての自然数

a[1]×1!+a[2]×2!+a[3]×3!+a[4]×4!+……

の形で一意的に表せると予想しました。

!は階乗という意味で、n!=1×2×……×nという意味です。

 

小さい自然数の場合を見てみましょう。1!=1,2!=2,3!=6なのでそのように書きます。

1=1×1

2=0×1+1×2

3=1×1+1×2

4=0×1+2×2

5=1×1+2×2

6=0×1+0×2+1×6

となり、確かに一意的に表せています。

 

では拡張を書きます。

a[n]を0以上n以下の整数とするとき、

すべての整数は

a[1]×(-1!)+a[2]×2!+a[3]×(-3!)+a[4]×4!+a[5]×(-5!)……

の形で一意的に表せるのかなと思いました。

 

小さい自然数の場合を見てみます。-1!=-1,2!=2,-3!=-6,4!=24なのでそのように書きます。

1=1×(-1)+1×2

2=0×(-1)+1×2

3=1×(-1)+2×2

4=0×(-1)+2×2

5=1×(-1)+0×2+3×(-6)+1×24

6=0×(-1)+0×2+3×(-6)+1×24

というようになっています。

 

もうひとつ違う形に拡張したものも考えました。

mを奇数の自然数とし、m!!=1×3×……×mとする。

すべての自然数

a[2]×1!!+a[4]×3!!+a[6]×5!!+a[8]×7!!+…+a[2n]×(2n-1)!!+…

の形で一意的に表せると予想しました。

奇数のみの階乗を書きましたが、偶数のみの階乗でも同じことが言えそうです。

更に拡張して、nの倍数のみの階乗、nで割った余りがkの自然数のみの階乗などでも同様のことを考えることができます。

一個目の拡張で書いたような、ひとつ置きに負の数をつけたものをこの拡張で考えても、すべての整数を一意的に表せるだろうと予想しています。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

2通りの二平方和の比

x,yを異なる4n+1型の素数とする。

どのようなx,yをとっても、

xy=a^2+b^2=c^2+d^2

となるような自然数a,b,c,dが存在します。

2xy=e^2+f^2=g^2+h^2

となるような自然数e,f,g,hも存在します。

 

それでは今回予想したことを書きます。

 

(a+c)と(b+d)の最大公約数をsとするとき、

((a+c)/s)^2+((b+d)/s)^2は、x,2x,y,2yのいずれかになると予想しました。

(a+c)と(b+d)ではなく、(a+d)と(b+c)としても同様になっているだろうと思っています。

 

また、

(e+g)と(f+h)の最大公約数をtとするとき、

((e+g)/t)^2+((f+h)/t)^2が、x,2x,y,2yのいずれかになると予想しました。

(e+g)と(f+h)ではなく、(e+h)と(f+g)としても同様になっているだろうと思っています。

 

具体例を挙げます。

x=13,y=17とするとき

xy=221=10^2+11^2=5^2+14^2

なので、a=10,b=11,c=5,d=14とすることができます。

 

(a+c)と(b+d)、つまり15と25の最大公約数は5なので、s=5です。

よって、((a+c)/s)=3,((b+d)/s)=5となり、

((a+c)/s)^2+((b+d)/s)^2=3^2+5^2=9+25=34=2×17=2yとなっています。

 

(a+d)と(b+c)、つまり24と16の最大公約数は8です

よって、((a+d)/8)=3,((b+c)/8)=2となり、

((a+d)/8)^2+((b+c)/2)^2=3^2+2^2=9+4=13=xとなっています。

 

2xyも考えてみると、

2xy=442=1^2+21^2=9^2+19^2なので、

(1+9)と(21+19)の最大公約数は10なので

((1+9)/10)^2+((21+19)/10)^2=1^2+4^2=17=y

(1+19)と(21+9)の最大公約数は10なので

((1+19)/10)^2+((21+9)/10)^2=2^2+3^2=13=x

と、確かに成立しています

 

 

 

また、p,q,rをピタゴラス数とするとき、

p^2+q^2=0^2+r^2と考えることで、今回言ったことをピタゴラス数にも適用させることができます。 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

行列と分数

(a b)
(c d)

 

という形で二次正方行列を表しているとします。(行列の出し方が分からないのでこうしてます。すみません)

 

行列式が1になるような(つまりad-bc=1となるような)、要素がすべて自然数の二次正方行列から、ある関係を持った分数を作れることに気付きました。

 

例えば、

(1 1)
(2 3)

という行列を縦に読んで、1/2,1/3という分数を作り、分母を揃えると、

3/6,2/6、となり、分子の差が1になりました。

 

行列式が1になる、0を下の行に含まない二次正方行列がすべてこのようになっていることは、ad-bc=1となっていることから分かります。

 

また、行列式が1の行列同士の積も行列式は1になるので、その行列からも分母を揃えると分子の差が1になるような分数が取り出せます。

 

(1 0)
(1 1)と、

(1   1  )
(n n+1)という行列たち(nは自然数)の積で、

分母を揃えると分子の差が1になる、分母が互いに素な分数がすべて取り出せたりしたら面白いなぁと思いますが、証明できていないので誰か証明して……反証でもいいから……

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

-2進数

nを0以上の整数とする。

(-2)^nの形で表せる数、つまり

1,-2,4,-8,16,-32,64,-128,……

という数たちの和で、すべての整数を一意に表せると予想しました。

 

自然数のうち小さいものをこの和で表してみると、

1=1

2=-2+4

3=1-2+4

4=4

5=1+4

6=-2-8+16

7=1-2-8+16

8=-8+16

となり、

負の整数のうち絶対値の小さいものをこの和で表してみると、

-1=1-2

-2=-2

-3=1+4-8

-4=4-8

-5=1-2+4-8

-6=-2+4-8

-7=1-8

-8=-8

となります。

 

0は、どの数も足さない場合として考えます。

 

これは、-2進数を考えているともとれます。

-3進数、-4進数など、一般の負の整数の進数でもすべての整数を一意に表せるのであれば、面白いなぁと思います。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

負数番目のフィボナッチ数列

負数番目のフィボナッチ数列、つまり、

1,-1,2,-3,5,-8,13,-21,34,-55,……

という数列の、隣り合わない項の和で、すべての整数を一意的に表せるそうです。

 

Wikipediaの「ゼッケンドルフの定理」の項目に書いてある、「フィボナッチ積」という概念を負数番目のフィボナッチ数列に適応してみました。

 

F[n]を、

F[1]=1

F[2]=-1

F[3]=2

F[4]=-3

F[5]=5

F[6]=-8

F[7]=13

F[8]=-21

F[9]=34

F[10]=-55

……というように定義します。

 

あとはフィボナッチ積と同じように計算することで、負数番目のフィボナッチ積の完成です。

フィボナッチ積について、うまく説明できないので、wikiの「ゼッケンドルフの定理」の項目を見て下さい。すみません。

↓URL貼っておきます

ゼッケンドルフの定理 - Wikipedia

 

さて、整数aと整数bの負数番目のフィボナッチ積を、a◎bと書くことにするとき、

bが0でないならば、

a◎b+a◎(-b)=a

となっていると予想しました。

 

もっと他に言えることあればいいなと思っているので、その2を投稿するかもしれません。読んでくれた方もこの計算に対してなにか思いつかれたら教えて頂けると嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました!

トリボナッチのピラミッド

「フィボナッチのピラミッド」のトリボナッチ数列版です。

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

1,1,2,4,7,13,24,44,81,……という数列をトリボナッチ数列と言います。連続する3つの項の和が次の項になっているような数列です。

 

トリボナッチ数列から一番最初の項の1を除いたもの、

つまり 1,2,4,7,13,24,44,81,…… という数列を考えるとき

この数列から3つ以上連続しないように項を選び和をとることで、すべての自然数を表せると予想しました。

 

また、この予想をもとにもう一つ予想を考えました。

 

T[n]をn番目のトリボナッチ数列(ただし一番はじめの1をT[0],二番目の1をT[1]とする)とするとき、

T[n]未満の自然数をすべて3つ以上連続しないトリボナッチ数の和で表し、

それらの和のなかでそれぞれのトリボナッチ数がいくつずつ現れるかを調べたところ、「フィボナッチのピラミッド」のときと同様の規則が見つかりました。

 

「フィボナッチのピラミッド」のときのように、三角形状に書くと

2 2
3 3 3
6 5 5 6
11 10 8 10 11
20 18  16  16  18 20
37   33  29  32  29  33  37

 

このような三角形ができます。

斜めに隣り合う3つの数の和が、その斜めの角度に沿った下の場所の数になっているようなのです。

 

もう一つ面白そうなことが言えて、上の段を矛盾なく埋めていくと、

 

0 0
1 0 1
1 0 0 1
2 0 1 0 2
4 0 2 2 0 4
7 0 3 3 3 0 7
 13 0 6 5 5 6 0 13
0 11 10 8 10 11 0
0 20 18  16  16  18 20 0
0 37   33  29  32  29  33  37 0

 

というように、なんと三角形の上にトリボナッチ数列が現れるようなのです!

 

テトラナッチ数列やそれ以上の数列に対しても同様のことが言えたら、楽しいなと思います。

以上です お読みいただきありがとうございました!