明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

パスカルの三角形の行列とフィボナッチ

二次正方行列を

(a b)
(c d)

というように書くことにします。三次以上の行列も同様に書くことにします。

 

(0 1)
(1 1)

や、

(0 0 1)
(0 1 1)
(1 2 1)

や、

(0 0 0 1)
(0 0 1 1)
(0 1 2 1)
(1 3 3 1)
というような、パスカルの三角形のような数の並びをもつ正方行列と、フィボナッチ数列につながりがあることに気付きました。

 

F[n]を、

F[0]=0,F[1]=1,F[n]+F[n+1]=F[n+2]

と定義します。要するにF[n]はフィボナッチ数列です。

縦ベクトル

(F[n]    )
(F[n+1])

と、パスカルの三角形の二次正方行列の積をとると、

 

(0 1)   (F[n]    )   (F[n+1]         )    (F[n+1])
(1 1)×(F[n+1])=(F[n]+F[n+1])= (F[n+2])

 

となるのです。

(0 1)      (0 1)^k
(1 1)のk 乗を(1 1)   と書くことにすると、

 

(0 1)^k     (F[n]    )    (F[n+k]    )
(1 1)     ×(F[n+1])= (F[n+k+1])

となります。

 

パスカルの三角形の3次正方行列でも同様に、

(0 0 1)   (F[n]    )   (F[n+2])
(0 1 1)   (F[n+1])   (F[n+3])
(1 2 1)×(F[n+2])=(F[n+4])

となっています。

一般に、パスカルの三角形のm次正方行列でも同様のことが言えるだろうと思っています。

 

このように言えることと、パスカルの三角形の数を斜めに足していったらフィボナッチ数が表れる(このことについては下の記事を見て下さい)ことに、つながりがあるように思えます。

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

これを一般化して、

パスカルの三角形のように数を並べたもので、数を斜めに足していったら

G[0]=0,G[1]=1,aG[n]+bG[n+1]=G[n+2]

という数列が表れるようなものを行列にしたものとG[n]を要素に持つベクトルとの積が、上で言ったような性質を持っているのではないかと思いました。

 

実際に

a   b
a^2 2ab b^2
a^3 3a^2b 3ab^2 b^3
a^4 4a^3b 6a^2b^2 4ab^3 b^4

 

という三角形から作った行列は、そのような性質を持っているようです。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

mod pにおける行列の体

二次正方行列を

(a b)
(c d)

という形で書くことにする

 

mod 5において、

(0 0)  (1 3)  (3 4)  (4 2)  (2 1)
(0 0)  (4 2)  (2 1)  (1 3)  (3 4)

という5個の正方行列の集合は、

(0 0)
(0 0)を加法の単位元

(2 1)
(3 4)を乗法の単位元とする体になることに気付きました。

 

mod 7の場合でも

(0 0)  (4 1)  (5 3)  (1 2)  (3 6)  (2 4)  (6 5)
(0 0)  (2 4)  (6 5)  (4 1)  (5 3)  (1 2)  (3 6)

という7個の行列の集合が、

(0 0)
(0 0)を加法の単位元

(4 1)
(2 4)を乗法の単位元とする体になります。

 

一般化して、aを0,1でない整数とすると、

(1     a    )
(a^2  a^3)

という形で表せる行列を元に持つ体が、どのmod pの場合にもあったらいいなぁと思います。

以上です!お読みいただきありがとうございました!

 

フィボナッチと分数

nを自然数とする。

数列F[n]を、

F[0]=0,F[1]=1,F[n-1]+F[n]=F[n+1]

と定義する。つまりF[n]はフィボナッチ数列です。

 

互いに素な自然数a,bを、

F[n-1]/F[n]+F[n]/F[n+1]=a/b

と定義するとき、

a+b=F[2n+1]

a-b=(F[n-1])^2

となっていると予想しました。

 

例としてn=3のときを考えると、

F[2]=1,F[3]=2,F[4]=3より、

F[2]/F[3]+F[3]/F[4]=1/2+2/3=7/6

となることから、a=7,b=6が分かり、

a+b=13=F[7]

a-b=1=1^2=(F[2])^2

と、確かにこの例の場合は成り立っていることが分かりました。

 

また、分母と分子を逆にしたものでも、同様のことが言えるようです。

互いに素な自然数c,dを

F[n]/F[n-1]+F[n+1]/F[n]=c/d

と定義するとき、

c+d=(F[n+1])^2

c-d=F[2n-1]

となっているようなのです。

 

例としてn=4のときを考えると、

F[3]=2,F[4]=3,F[5]=5より、

F[4]/F[3]+F[5]/F[4]=3/2+5/3=19/6

となることから、c=19,d=6

が分かり、

c+d=25=5^2=(F[5])^2

c-d=13=F[7]

と、確かにこの例の場合は成り立っていることが分かりました。

 

一般フィボナッチ数列の場合にも似たようなものをひとつだけ見つけました。

j,kを自然数とする

数列G[n]を

G[0]=0,G[1]=1,j×G[n-1]+k×G[n]=G[n+1]

と定義する。

互いに素な自然数e,fを

G[n-1]/G[n]+G[n]/G[n+1]=e/f

と定義するとき、

j×e+k×f=G[2n+1]

となっているようなのです。

 

j=3,k=2,n=2の場合の例を見ていきます。

このとき、G[1]=1,G[2]=2,G[3]=7,G[4]=20,G[5]=61です。

G[1]/G[2]+G[2]/G[3]=1/2+2/7=11/14

なので、e=11,f=14であることが分かり、

j×e+k×f=3×11+2×14=33+28=61=G[5]

となり、この例の場合では真であることが確かめられました。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

フィボナッチ積と分配法則

a,b,cを自然数とする。

aとbのフィボナッチ積をa〇bと書くことにする。

(a〇(b+c))と(a〇b+a〇c)の差は、0かaかのどちらかに必ずなるのではないかと思いました。

普通の加法とフィボナッチ積の間に、分配法則のようなものが成り立っているのではないかと思ったということです。

 

また、d,eを自然数、b+c=d+eとするとき、

(a〇b+a〇c)と(a〇d+a〇e)の差も、0かaかのどちらかに必ずなっているのではないかとも思いました。

 

引き算でも似たようなことが言えそうです。

つまり、bがcより大きいとき、

(a〇(b-c))と(a〇b-a〇c)の差も、0かaかのどちらかになっていそうだということです。

 

トリボナッチ積でも同じようになっていたらいいな~と思います。また調べてみます。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

フィボナッチ積の性質

九九の表のように、フィボナッチ積の表を七の段まで書いて眺めていたら思いついたことがあるので書きます。

 

nを自然数とする

n番目のフィボナッチ数をF[n](ただし1=F[2]とする)とする

また、aとbのフィボナッチ積をa〇bと書くことにする。

 

kを自然数とするとき

F[n]〇(k+1)-F[n]〇k=F[n+1]

あるいは

F[n]〇(k+1)-F[n]〇k=F[n+2]

となっているのかなと思いました。

F[n+1]と等しくなるのかF[n+2]と等しくなるのかには規則がありそうですが、まだ見つけていません。

 

また、mとnの差が1より大きいとき、

(F[m]+F[n])〇(k+1)-(F[m]+F[n])〇k=F[m+1]+F[n+1]

あるいは

(F[m]+F[n])〇(k+1)-(F[m]+F[n])〇k=F[m+2]+F[n+2]

となっているとも思いました。3つ以上の隣り合わないフィボナッチ数の和でも同様になっているだろうと予想しています。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

トリボナッチ積

フィボナッチ積という概念のトリボナッチ数列版を考えてみました。

 

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

で書いたように、トリボナッチ数列から3つ以上連続しないように項を選び、和をとることで、すべての自然数を一意的に表せるだろうと予想しました。

 

この予想をもとにフィボナッチ積のときのようにして演算を定義できるのでは!?と思いました。

 

いくつか具体例をみてみたところ、トリボナッチ積という演算はフィボナッチ積と同様に結合的になっているようです。

 

一般のk-フィボナッチ積というものを考えても、結合的になっていたら面白いなぁと思います。

 

あと、結合的であるということは、半群であるということなので、フィボナッチ積やトリボナッチ積を乗法として、うまくいく加法の演算を考えることで環をつくれるのでは!!と思いましたが代数学全然分からないので間違っているかもしれないです。分かる方いたら教えていただけると泣いて喜びます。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

ピタゴラス数の組の集合上の二項演算

a,b,c,d,e,fを

a^2+b^2=c^2

d^2+e^2=f^2

となっているような自然数、つまりピタゴラス数とします。

 

更に、a,dを奇数、b,eを偶数、c,fを奇数として話を進めます。

 

実は、

n^2+( (a+d) /2)^2+( (b+e) /2)^2=( (c+f) /2)^2、

(ad+n^2)+(be+n^2)=(cf-n^2)+n^2

となるような整数nが、どんなa,b,c,d,e,fに対しても存在するようなのです。

また、(ad+n^2),(be+n^2),(cf-n^2)はすべて平方数になるようです。

そして、√(A)を二乗するとAになる正の数とすると、

( (a+d) /2+√(ad+n^2) )^2 + ( (b+e) /2+√(be+n^2) )^2 = ( (c+f) /2+√(cf-n^2) )^2、つまり、

(a+d)/2+√(ad+n^2), (b+e)/2+√(be+n^2), (c+f)/2+√(cf-n^2)はピタゴラス数になっているようなのです。

 

例を見ていきましょう。

(3,4,5)=(a,b,c)と(5,12,13)=(d,e,f)に上で書いたような演算をして新たなピタゴラス数を作ります。

1^2+((3+5)/2)^2+((4+12)/2)^2=((5+13)/2)^2

(3×5+1^2)+(4×12+1^2)=(5×13-1^2)+1^2

なので、

(a+d)/2+√(ad+n^2)=(3+5)/2+√(3×5+1)=8

(b+e)/2+√(be+n^2)=(4+12)/2+√(4×12+1)=15

(c+f)/2+√(cf-n^2)=(5+13)/2+√(5×13-1)=17

となり、新たなピタゴラス数(8,15,17)が得られました。

 

ピタゴラス数の組全体の集合が、この演算について閉じているはずですが、単位元がなく、結合法則が成り立たないので群にはなりません。

うまいことやって群にできないかなぁと考えています。読んで下さった方も挑戦してくれるととても嬉しいです。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

フィボナッチ数列とmod pでのループの長さが一致する数列

pを素数とし、

m乗するとxになる数を(m)√(x)という表記で書くことにし、

kを(p-1)と互いに素な整数の定数とします。

 

g(0)=0

g(1)=1

(k)√(g(n)^k+g(n+1)^k)=g(n+2)

で定義される数列g(n)と、

フィボナッチ数列のmod pでのループの長さが一致すると予想しました。

 

af(n)+bf(n+1)=f(n+2)という一般フィボナッチ数列と、

(k)√(a×h(n)^k+b×h(n+1)^k)=h(n+2)で定義される数列h(n)のmod pでのループの長さが一致するだろうとも思っています。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

mod pのもうひとつの体

pを素数とします。

m乗するとxになる数を、(m)√(x)という表記で書くことにします。

nを(p-1)と互いに素な整数の定数とします。

演算◇を、a◇b=(n)√(a^n+b^n)と定義するとき、

mod pにおける{0,1,2,……,p-1}という集合は、演算◇に関して位数pの巡回群になります。

 

具体例で、巡回群であることの証明のしかたを書きます。

p=5,n=3のとき、つまり、mod 5における演算a◇b=(3)√(a^3+b^3)を見てみます。

 

この先すべての等式はmod 5であるとします。

まず、

a◇0=(3)√(a^3)=a,0◇a=(3)√(a^3)=aなので、0が単位元です。

 

逆元があることの証明は、

どんなaにもa◇b=0となるようなbが存在することが示せればよく、

それはつまりa^3=-b^3ということなので、存在します。

 

次に結合法則が成立していることを確認します。

(a◇b)◇c=(3)√(a^3+b^3)◇c=(3)√(a^3+b^3+c^3)

a◇(b◇c)=a◇(3)√(b^3+c^3)=(3)√(a^3+b^3+c^3)

となるので、

(a◇b)◇c=a◇(b◇c)であることが分かり、結合法則が確かめられました。

よって群になります。

 

次に巡回群になることを見ていきます。

任意の0でない元aを演算◇でつなげていくとき、

aをp個つなげないと0にならないことが示せたら示せます。

実は

a◇a=(3)√(2)×a

a◇a◇a=(3)√(3)×a

というように、aを演算◇でk個つないだものは(3)√(k)×aとなるのです。

このことから、aをp個つなげないと0にならないことが分かります。

 

一般の場合も同様にして、巡回群であることが示せます。

 

また、演算◇を加法、通常のかけ算を乗法とすると、この集合は体になります。

分配法則だけ見てみます。

(a◇b)×c=(3)√(a^3+b^3)×c

(ac)◇(bc)=(3)√((ac)^3+(bc)^3)=(3)√(a^3+b^3)×c

より、分配法則が確かめられました。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!

mod pにおける一般フィボナッチ数列と2次方程式の解のループの長さと位数の一致

pを素数とし、a,bをmod pで0でない整数とする。

以下の等式はすべてmod pで考える。

nを整数とする。

af(n)+bf(n+1)=f(n+2),f(0)=0,f(1)=1で定義される一般フィボナッチ数列f(n)の、nを0より大きくしていき、最初にf(n)=0,f(n+1)=1となるようなnをf(n)のループの長さと呼ぶことにし、

a+bx=x^2という式を満たすxを考えるとき、x^k=1となるような最小のkをxの位数と呼ぶことにするとき、

f(n)のループの長さとxの位数は一致するだろうと予想しました。

 

具体例を書きます。

p=3、つまりmod 3のとき、

a=1,b=1の場合にf(n)のループの長さとxの位数が一致することを見ていきます。

f(n)は、f(n)+f(n+1)=f(n+2),f(0)=0,f(1)=1なので、

f(0)=0

f(1)=1

f(2)=1

f(3)=2

f(4)=0

f(5)=2

f(6)=2

f(7)=1

f(8)=0

f(9)=1

となり、最初にf(n)=0,f(n+1)=1となるようなnの値が8であることが分かったので、f(n)のループの長さは8です。

xは1+x=x^2という式を満たすので、

x^0=1

x^1=x

x^2=x+1

x^3=2x+1

x^4=2

x^5=2x

x^6=2x+2

x^7=x+2

x^8=1

となるので、xの位数は8です。

一致しましたね!

 

また、これを一般化して、

一般トリボナッチ数列と3次方程式の解のループの長さと位数が一致したり、

一般k-フィボナッチ数列とk次方程式の解のループの長さと位数が一致したりしたら、面白いなぁと思います。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!