明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

k-フィボナッチ数列に対応するパスカルの三角形

松田修津山工業高等専門学校数学クラブ著「11からはじまる数学(東京図書)」

細矢治夫著「トポロジカル・インデックス(日本評論社)」

を参考にさせていただきました

 

まず、通常のフィボナッチ数列パスカルの三角形の対応について書きます

 

フィボナッチ数列とは

1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377……

と続いていく、前の二つの数を足して次の数を作る数列のことでした

nを整数とするとき

f(n)+f(n+1)=f(n+2)であり且つf(1)=f(2)=1である数列f(n)と言うこともできます

 

パスカルの三角形とは

11
121
1331
14641
15101051

 

というように数を三角形状に延々と並べたものです

並べ方の規則は、

A B
C

 と数が並んでいるとき、C=A+Bになるようにするというだけです 要は上にある二つの数の和が下の数になります

パスカルの三角形を通る、左下から右上へ向かう直線の上にある数の総和をとっていくとフィボナッチ数列が表れます

 実際に、

11
121
1331
14641
15101051

 f(1)=

121
1331
14641
15101051

 f(2)=

21
1331
14641
15101051

 f(3)=1+1

11
331
14641
15101051

 f(4)=1+2

11
12
31
4641
15101051

 f(5)=1+3+

11
121
13
641
5101051

 f(6)=1+4+

 

となり、1,1,2,3,5,8フィボナッチ数列が表れます

 

では、一般のk-フィボナッチ数列の話を始めます

k-フィボナッチ数列とは、前のk個の数を足して次の数を作る数列です

初期値は
f(-k+2)=f(-k+3)=……=f(-1)=f(0)=0
f(1)=1
とします

 

まず、3-フィボナッチ数列から

3-フィボナッチ数列を具体的に書くと

1,1,2,4,7,13,24,44,81,149,……

となります

A
B C
D
 

と数が並んでいたときD=A+B+Cとなっているようなパスカルの三角形と、3-フィボナッチ数列が対応しています

 

実際にこのようなパスカルの三角形を書くと

11
131
1551
1 7 13 7 1
1 9 25 25 9 1
1 11 41 63 41 11 1

 

となり、フィボナッチ数列のときのように斜めに数を足すと、3フィボナッチ数列が表れることが分かります

ちなみに、このパスカルの三角形の行ごとの和を出すと、

1,2,5,12,29,70,169

となり、g(n)+2g(n+1)=g(n+2)になっています。

1行上から2つ数を足したのでg(n+1)の係数が2となり、2行上から1つ数を足したのでg(n)の係数が1になっているのです

 

ここまでは、参考文献から参考にさせてもらったもので、僕が思いついたことではありません

ここから先は、上の行の三つの数を足して次の数を作る、という発想を除き、僕の考えたことです

 

 

4-フィボナッチ数列は、

A
B C D
E
 

となっているとき、E=A+B+C+Dとなるようなパスカルの三角形と対応しています

1 1 1
1 2 4 2 1
1 3 8 9 8 3 1
14 13 21 29 21 13 41
1 5 19 41 69 80 69 41 19 5 1
 

このパスカルの三角形の行ごとの和を出すと、

g(n)+3g(n+1)=g(n+2)となっていて

1行上から3つ数を足したのでg(n+1)の係数が3、2行上から1つ数を足したのでg(n)の係数が1になっています

 

 

5-フィボナッチ数列は、

A B
C
D E

となっているとき、A+B+C+D+E=Fとなるようなパスカルの三角形と対応しています

1 1
1 3 1
1 6 6 1
1 9 17 9 1
1 12 36 36 12 1
1 15 64 101 64 15 1

 

このようなパスカルの三角形です

このパスカルの三角形の行ごとの和を出すと、

2g(n)+g(n+1)+2g(n+2)=g(n+3)となっていて

1行上から2つ数を足したのでg(n+2)の係数が2、2行上から1つ数を足したのでg(n+1)の係数が1、3行上から2つ数を足したのでg(n)の係数は2になっています

 

最後に、具体的には書きませんが

6-フィボナッチ数列は、

B  C
D
E  F

となっているとき、A+B+C+D+E+F=Gとなるようなパスカルの三角形と対応しています

 

以上です。なにか間違っているところなどあれば、是非教えて下さい