演算@を
a@b=a+ab+b
と定義するとき、
{0,1,……,p-2}(mod p)(pは素数)は@に関して巡回群になっていることに気付きました。
ここから先mod pは省略します
逆元と単位元が存在し、結合法則が成り立ち、与えられた演算に関して閉じていれば群と呼ぶのでした。
さらに、与えられた演算で単位元にひとつの元を入力し続けていくとすべての元が現れるとき、その群を巡回群と呼ぶのでした。
群になっていることだけ証明しておきます。
a@0=a
0@a=a
から、0が単位元になっていることが分かります。
任意のaに関して、
a@b=0を満たすbが必ず存在すること、つまり逆元が存在することを示します。
a@b=a+ab+b=0より、b=-a/(a+1)
a≠-1なので分母が0にならず、また-1にもならない(-a/(a+1)=-1とすると等式が成立しなくなる)ので、逆元が存在することが示せました。
(a@b)@c=(a+ab+b)@c=(a+ab+b)+c(a+ab+b)+c=abc+ab+ac+bc+a+b+c
a@(b@c)=a@(b+bc+c)=a+a(b+bc+c)+(b+bc+c)=abc+ab+ac+bc+a+b+c
から、結合法則が成立していることが分かります。
a,b≠-1のとき、a@b≠-1、つまりa+ab+b+1≠0になることがないことが示せれば演算@に関して閉じていることが示せます。
a+ab+b+1=0として矛盾を導きます。
a+ab+b+1=(a+1)(b+1)=0より、a=-1またはb=-1
しかしa,b≠-1なので矛盾
よって、演算に関して閉じていることが示せました。
では具体例を見ていきます。
mod 7の場合を考えてみましょう。
a@0=a
a@1=2a+1
a@2=3a+2
a@3=4a+3
a@4=5a+4
a@5=6a+5
となっています。
0に@2を付け続けていくと、
0@2=2
2@2=1
1@2=5
5@2=3
3@2=4
4@2=0
と、要素である0,1,2,3,4,5がすべて出ました。
よってmod7のとき、巡回群になっていることが分かりました。
n≠0とするとき、
{0,1,……p-1}(ただし-1/nと合同な要素は取り除く)という集合に
a☆b=a+nab+b
として演算☆を定めても巡回群になります。
どこか間違えていたら教えて下さい。
お読みいただきありがとうございました!