まず、フィボナッチ数列を三つごとに行を変えて並べてみます。
1 1 2
3 5 8
13 21 34
55 89 144
233 377 610
この表をたてに見ます
任意の列の一行目をf(1)、二行目をf(2)、n行目をf(n)とすると、
f(n)+4f(n+1)=f(n+2)
という式を満たしていることに気付きました。
証明は簡単で、g(n)をフィボナッチ数列とするとき、
g(m)=g(m-1)+g(m-2)というフィボナッチ数列の定義より
g(n)=g(n-1)+g(n-2)=2g(n-2)+g(n-3)=3g(n-3)+2g(n-4)=3g(n-3)+g(n-4)+g(n-5)+g(n-6)
=4g(n-3)+g(n-6)
となり、これをf(n)の式に変えるとf(n)+4f(n+1)=f(n+2)となるというだけです。
ちなみに、初期値を変えても(つまりg(1),g(2)の値を自由にとっても)全く同じことが言えます。
二つごとに行を変えて並べ、任意の列の一行目をf(1)、二行目をf(2)、n行目をf(n)とするとき、f(n)は
-f(n)+3f(n+1)=f(n+2)
という式を満たします。
一つごとに行を変えた場合は当然、
f(n)+f(n+1)=f(n+2)
という式を満たします
四つごとに行を変えて並べ、任意の列の一行目をf(1)、二行目をf(2)、n行目をf(n)とするとき、f(n)は
-f(n)+7f(n+1)=f(n+2)
という式を満たします。
1 1 2 3
5 8 13 21
34 55 89 144
233 377 610 987
五つごとに行を変えて並べ、任意の列の一行目をf(1)、二行目をf(2)、n行目をf(n)とするとき、f(n)は
f(n)+11f(n+1)=f(n+2)
という式を満たし、
六つごとに行を変えるとき、f(n)は
-f(n)+18f(n+1)=f(n+2)
という式を満たします。
kつごとに行を変えたときのf(n)を、kが小さい順に並べると、
f(n)+f(n+1)=f(n+2)
-f(n)+3f(n+1)=f(n+2)
f(n)+4f(n+1)=f(n+2)
-f(n)+7f(n+1)=f(n+2)
f(n)+11f(n+1)=f(n+2)
-f(n)+18f(n+1)=f(n+2)
となります。
この表から、kが奇数のときf(n)の係数は1、偶数のときf(n)の係数は-1になり、
kのときのf(n+1)の係数をh(k)とするとき、h(k)は
h(1)=1,h(2)=3,h(k)+h(k+1)=h(k+2)
という式を満たす、つまりh(k)がリュカ数列になっていると予想できます
こんなところにリュカ数列が現れるというのは驚きです。リュカ数列にはなにかある。
ちなみに、f(n)の特性方程式をとって、判別式を出し平方数を取り除くと必ず5が現れます
(判別式とは二次方程式の√のなかの数のことです)
x^2-x-1=0→D=1^2×5
x^2-3x+1=0→D=1^2×5
x^2-4x-1=0→D=2^2×5
x^2-7x+1=0→D=3^2×5
x^2-11x-1=0→D=5^2×5
x^2-18x+1=0→D=8^2×5
さらに、上の計算から分かるように、判別式の平方数にはフィボナッチ数列が小さい順に現れるようです。
k-フィボナッチ数列や一般フィボナッチ数列(a,bを整数の定数とするときaf(n)+bf(n+1)=f(n+2)となっているような数列のこと)への拡張は次回に持ち越したいと思います。
お読みいただきありがとうございました!