明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

二重ピタゴラス操作の短縮経路 その2

前回の記事

mizumiya-umi.hatenablog.com

の後半で書いた予想を証明しました

 

a,b,cがa^2+b^2=c^2となる整数のとき

z=ー2aー2kb+2kc (kは実数)

とzを定義すると

(a+z)^2+(b+kz)^2=(c+kz)^2

となっています

(z=ーsとすれば、前回の記事の前半で証明したことと同じものになります)

 

簡略化のため

a,b,cという組から(a+z),(b+kz),(c+kz)という組を作る操作を操作[k]と書くことにします

また、操作[k]をした組に操作[j]をすることを操作[k,j]

操作[k,j]の後に操作[i]をすることを操作[k,j,i]というように

複数個の操作をつなげて書くことにします

 

nが正の整数のとき

a,b,cという組へ操作[n]をしてできる組と

a,b,cという組へ操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)をしてできる組が一致することに気付きました

また

a,b,cという組へ操作[ーn]をしてできる組と

a,b,cという組へ操作[0,1,0,1,……,1,0](n+1個の0の間に1)をしてできる組も一致します

 

 証明します

a,b,cという組へ操作[1]をすると

(ーaー2b+2c), (ー2aーb+2c), (ー2aー2b+3c)

という組になり、

a,b,cという組へ操作[0]をすると

(ーa), b, cという組になります

 

操作[n]と

操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)

が一致することを数学的帰納法で示します

 

n=1のとき

操作[n]と操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)

は、明らかに操作[1]という同じ操作になります

 

次に、n=mで成立するときn=m+1でも成立することを示します

操作[m,0,1]と操作[m+1]が一致することを示せばよいです

a,b,cという組へ操作[m]をすると

(ーaー2mb+2mc),

(ー2ma+(ー2m^2+1)b+2m^2c),

(ー2maー2m^2b+(2m^2+1)c)

という組になり、これへ操作[0]をすると

(a+2mbー2mc),

(ー2ma+(ー2m^2+1)b+2m^2c),

(ー2maー2m^2b+(2m^2+1)c)

という組になり、これへ操作[1]をすると

(ーaー2(m+1)b+2(m+1)c),

(ー2(m+1)a+(ー2m^2ー4mー1)b+2(m+1)^2c),

(ー2(m+1)aー2(m+1)^2b+(2m^2+4m+3)c)

という組になり、

これはa,b,cという組へ操作[m+1]をしたものと同じになります

なので、操作[n]と操作[1,0,1,0,……,0,1](n個の1の間に0)が一致することが分かりました

 

a,b,cという組へ操作[ーn]をしてできる組と

a,b,cという組へ操作[0,1,0,1,……,1,0](n+1個の0の間に1)をしてできる組が一致することも同様に示せます

証明の具体的な式は、書くのが大変なのと見づらくなる(と思われる)のとで省略させて下さい…(すみません)

 

ちなみに、a,b,cという組へ操作[v](vは整数)を2度行うと、a,b,cという元の組へ戻ります

つまり操作[v,v]は何もしない操作と同じになります

 

証明します

a,b,cに操作[0]をするとーa,b,cになり、これに操作[0]をするとa,b,cになるので、操作[0,0]は何もしない操作です

また

a,b,cに操作[1]をすると(ーaー2b+2c),(ー2aーb+2c),(ー2aー2b+3c)になり、これに操作[1]をするとa,b,cになるので、操作[1,1]も何もしない操作です

 

次に、操作[2,2]を考えてみます

操作[2]は操作[1,0,1]と同じなので、操作[2,2]は操作[1,0,1,1,0,1]と書けます

操作[1,1]は何もしない操作なので、操作[1,0,1,1,0,1]の真ん中の1,1が省略できて、操作[1,0,0,1]と書けます

操作[0,0]も何もしない操作だったので、操作[1,0,0,1]は操作[1,1]と書け、

操作[1,1]は何もしない操作だったので、操作[2,2]が何もしない操作だと分かりました

このやり方で全ての整数vについて示せます

 

kを整数としたときの操作[k]が、全て0と1を交互に並べたもので表せるのが楽しいなと思いました

以上です お読みいただきありがとうございました!

二重ピタゴラス操作の短縮経路

a,b,cをa^2+b^2=c^2となる整数とします

s=2(a+kbーkc) (kは実数)

とsを定義するとき

(aーs)^2+(bーks)^2=(cーks)^2

となっていることに気付きました

つまり絶対値がピタゴラス数の組a,b,cから、

絶対値がピタゴラス数の組(aーs),(bーks),(cーks)を作れるということです

 

証明を書きます

(aーs)^2+(bーks)^2=(cーks)^2

の(左辺)ー(右辺)=0を展開すると

a^2+b^2ーc^2ー2s(a+kbーkc)+s^2(1+k^2ーk^2)=0

となりa^2+b^2=c^2を代入すると

ー2s(a+kbーkc)+s^2=0

なので、これを整理すると

s=2(a+kbーkc)が求まりました

 

k=1のときは以前の記事に書いていた

mizumiya-umi.hatenablog.com

二重ピタゴラス操作と同じ計算になります

 

 

また、任意のピタゴラス数の組に対して

k=nでの計算をして作れるピタゴラス数の組と

二重ピタゴラス操作(k=1での計算)をn回行ってできる組たちの内の1つが、同じになりそうだと気付きました(予想です)

 

例えばa=ー3,b=4,c=5,k=2のとき

s=2(a+kbーkc)=ー10

なので(aーs),(bーks),(cーks)は7,24,25という組になり

 

a=ー3,b=4,c=5でk=1での計算(二重ピタゴラス操作)をすると

s=2(a+kbーkc)=ー8なので

(aーs),(bーks),(cーks)は5,12,13になり

更にa=ー5,b=12,c=13としてk=1での計算をすると

s=2(a+kbーkc)=ー12なので

(aーs),(bーks),(cーks)は7,24,25になり

k=1での計算を2回行ったものが、k=2での計算で作れるピタゴラス数の組と同じになりました

 

計算する上で注意してほしいことがあります

二重ピタゴラス操作をするとき

(a,b,c),(ーa,b,c),(a,ーb,c),(a,b,ーc)の内のどれで計算するかによって値が変わるので、

n回の二重ピタゴラス操作で(a,b,c),(ーa,b,c),(a,ーb,c),(a,b,ーc)のどれを選んでいけば

k=nでの計算で作れるピタゴラス数の組と一致するのかは考えないといけません

 

僕もまだ考えられていないので、選び方の法則が分かったら記事に書きます

 

以上です お読みいただきありがとうございました!

またねー!

ピタゴラス数と四元数

前回の記事

mizumiya-umi.hatenablog.com

ピタゴラス数と複素平面のつながりのように

4次ピタゴラス数と四元数でも同様のつながりがあることに気付きました

 

4次ピタゴラス数は僕の造語で

a^2+b^2+c^2+d^2=e^2

を満たすような整数a,b,c,d,eの組です

 

四元数は、僕はあまり詳しくないのですが

複素数を拡張したもので

 i,j,kという四元数の単位を使って

x+yi+zj+wk(x,y,z,wは実数) と表せる数です

 

また四元数にはノルムというものがあり

x+yi+zj+wkのノルムは

√(x^2+y^2+z^2+w^2)

つまりx,y,z,wの2乗の和の平方根と定義されます

複素数における絶対値のようなものですね

 

詳しくはウィキペディア

ja.wikipedia.org

を見て下さい

 

さて、a,b,c,dを任意の整数とするとき

(a+bi+cj+dk)を2乗した値の

実数部分、iの係数、jの係数、kの係数、ノルム

が4次ピタゴラス数の組となることに気付きました

 

実際に計算すると

 (a+bi+cj+dk)^2=(a^2ーb^2ーc^2ーd^2)+2abi+2acj+2adk

なので

実数部分は(a^2ーb^2ーc^2ーd^2)

iの係数は2ab

jの係数は2ac

kの係数は2ad

です

ノルムを計算すると

√((a^2ーb^2ーc^2ーd^2)^2+(2ab)^2+(2ac)^2+(2ad)^2)

=a^2+b^2+c^2+d^2

となり

実数部分、iの係数、jの係数、kの係数、ノルムが全て整数で、4次ピタゴラス数の組になります

 

また

実数部分、iの係数、jの係数、kの係数、ノルムが4次ピタゴラス数の組になっているような四元数同士の積は、

実数部分、iの係数、jの係数、kの係数、ノルムが4次ピタゴラス数の組になっているような四元数になります

 

前回の記事の、実部と虚部と絶対値がピタゴラス数の組になっているものの関係ととても似ていますね!

 

四元数は四次元空間、複素平面は二次元のようなものなので、三次元空間でも同様のものが考えられるといいなぁと思います

あと八元数でも同様のものを考えられたら楽しいなと思います

 

以上です! お読みいただきありがとうございました!

ピタゴラス数と複素平面

a^2+b^2=c^2となる正の整数a,b,cをピタゴラス数と呼びますが

この記事では、a,b,cが負の整数や0であってもピタゴラス数と呼ぶことにします

 

m,nを整数、iを虚数単位とするとき

(m+ni)を2乗した値の、実部と虚部と絶対値はピタゴラス数の組になっています

複素数の絶対値とは、複素平面での原点からの直線距離の長さのことです)

(m+ni)^2=(m^2ーn^2)+(2mn)i

なので実部は(m^2ーn^2)、虚部は(2mn)、絶対値は(m^2+n^2)です

 

例えばm=5,n=2のとき

(5+2i)^2=25+2×10i+(ー4)=21+20i

で、絶対値は29なので

実部と虚部と絶対値が21,20,29というピタゴラス数の組になっています

 

また、p,q,r,s,t,uが

p^2+q^2=r^2、s^2+t^2=u^2

となるピタゴラス数のとき

(p+qi)と(s+ti)をかけた値の、実部と虚部と絶対値はピタゴラス数の組になっています

 

実際にかけてみると

(p+qi)×(s+ti)=ps+pti+qsi+(ーqt)=(psーqt)+(pt+qs)i

となり

(psーqt)^2+(pt+qs)^2=(ps)^2+(qt)^2+(pt)^2+(qs)^2

=(p^2+q^2)(s^2+t^2)=r^2×u^2=(ru)^2

となるので

実部と虚部と絶対値が(psーqt),(pt+qs),(ru)というピタゴラス数の組になっています

 

具体例として

p=3,q=4,r=5 s=5,t=12,u=13

 のときを見てみると

(3+4i)×(5+12i)=15+36i+20i+(ー48)=(ー33)+56i

となり

実部と虚部と絶対値がー33,56,65というピタゴラス数の組になっています

 

面白いなと思います

シンプルな事実なので有名なのかと思い検索してみましたが、ぱっと見は無かったので記事にしました

既にこの記事の内容と同じことを考えていた人はおそらくいるだろうと思います

 

お読みいただきありがとうございました! またね!

等比数列やe^xのべき乗と比例

f(x)=a[0]+a[1]x+a[2]x^2+a[3]x^3+a[4]x^4+…

という関数f(x)があったとき

{a[0],a[1],a[2],a[3],a[4],…}

という関数の係数を並べた数列を、関数と同一視します

関数g(x)を

g(x)=b[0]+b[1]x+b[2]x^2+b[3]x^3+b[4]x^4+…

とするとき

f(x)×g(x)=a[0]b[0]+(a[0]b[1]+a[1]b[0])x+(a[0]b[2]+a[1]b[1]+a[2]b[0])x^2+…

なので、数列と数列のかけ算を

{a[0],a[1],a[2],a[3],a[4],…}×{b[0],b[1],b[2],b[3],b[4],…}

={a[0]b[0] ,a[0]b[1]+a[1]b[0] ,a[0]b[2]+a[1]b[1]+a[2]b[0] ,a[0]b[3]+a[1]b[2]+a[2]b[1]+a[3]b[0] ,a[0]b[4]+a[1]b[3]+a[2]b[2]+a[3]b[1]+a[4]b[0] ,…}

と定義します

 

この数列のかけ算の定義を使うと

mizumiya-umi.hatenablog.com

で書いたk次三角数の数列は

{1,1,1,1,1,1,1…}という数列の(k+1)乗だと考えられます

 

初項1,公比rの数列Rのべき乗は

R^1={1,r,r^2,r^3,r^4,…}

R^2={1,2r,3r^2,4r^3,5r^4,…}

R^3={1,3r,6r^2,10r^3,15r^4,…}

なので

R^(k+1)はk次三角数の数列のn項目にr^(n-1)をかけたものと、同じになります

 

このことから分かるように

数列R^(k+1)で、かけると次の項になるような数を並べると

k次三角数と同じように比例があるようです。

実際に並べると

R^1は  ×r ,×r ,×r ,×r ,×r ,×r ,……

R^2は  ×2r,×3r/2,×4r/3,×5r/4,×6r/5,×7r/6,……

R^3は  ×3r,×2r,×5r/3,×3r/2,×7r/5,×4r/3,……

R^4は  ×4r,×5r/2,×2r,×7r/4,×8r/5,×3r/2,……

R^5は  ×5r,×3r,×7r/3,×2r,×9r/5,×5r/3,……

となり縦の列で見ると

1列目はrずつ、2列目はr/2ずつ、3列目はr/3ずつ、

n列目はr/nずつ値が増えていってます。

 

一般にR^(k+1)において、かけると次の項になるような数を並べると

×r(k+1),×r(k+2)/2,×r(k+3)/3,×r(k+4)/4,×r(k+5)/5,×r(k+6)/6,……

となると思っています

これを計算すると

R^(k+1)={1,r(k+1),r^2(k+1)(k+2)/2!,r^3(k+1)(k+2)(k+3)/3!,…}

となりR^(k+1)の第m項は

r^(m-1)×(k+m-1)C(m-1)になりそうです

((k+m-1)C(m-1)は、(k+m-1)個のものから(m-1)個選ぶ組み合わせの総数)

 

今まで整数乗を考えていましたが

kに有理数や実数を入れ、有理数乗や実数乗を考えても同じ比例があるだろうと予想しています

 

 また、e^x(eは自然対数の底のこと)をマクローリン展開した

1+x/1!+x^2/2!+x^3/3!+x^4/4!+…

を数列にすると

{1,1/1!,1/2!,1/3!,1/4!,…}

となります。

これをべき乗したものにも、k次三角数やRの数列と同じように比例があるようです。

 

実際にe^xのべき乗を見ていくと

e^x={1,1,1/2,1/6,1/24,…}

e^2x={1,2,2,4/3,2/3,…}

e^3x={1,3,9/2,9/2,27/8,…}

e^4x={1,4,8,32/3,32/3,…}

となり、かけると次の項になるような数を並べると

e^xは  ×1,×1/2,×1/3,×1/4,…

e^2xは ×2,×1,×2/3,×1/2,…

e^3xは ×3,×3/2,×1,×3/4,…

e^4xは ×4,×2,×4/3,×1,…

と、縦列で見たときm列目は1/mずつ増えていっています

 

この比例を保ってe^0xを考えたとき、

かけると次の項になるような数は全て0になります。

e^0xで、かけると次の項になるような数が全て0になることから、

e^(-jx)でかけると次の項になるような数が、

e^jxのものを(-1)倍したものになることが分かります

 

Rとe^xの、べき乗したときの比例の類似を面白いな~!!と思います。

数列Rのn項目をR(n)と書くことにすると、

R(n)=r^(n-1)

と書け、e^xと形が似ていることと関係あるのかな、と思いました。

 

以上です。お読みいただきありがとうございました!

三角数系やパスカルの三角形の比例

三角数系は僕の造語なので説明すると

三角数を一般次元まで拡張したものの総称です。

三角数は、小さい順に並べると

1,3,6,10,15,21,28,……

というもので、隣り合う項の差をとると

1,2,3,4,5,6,7,……

自然数の列になります。

 

通常の三角数を2次三角数と呼ぶことにします。

k次三角数の、1項目から各項までの和をそれぞれとったものを

k+1次三角数と定義します。

3次三角数は  1,4,10,20,35,56,84,……

4次三角数は  1,5,15,35,70,126,210,……

となります。次数を下げたものを見ると

1次三角数は  1,2,3,4,5,6,7,……

0次三角数は  1,1,1,1,1,1,1,……

-1次三角数は  1,0,0,0,0,0,0,……

-2次三角数は  1,-1,0,0,0,0,0,……

-3次三角数は  1,-2,1,0,0,0,0,……

-4次三角数は  1,-3,3,-1,0,0,0,……

となります

-n次三角数は、

パスカルの三角形のn行目に一つおきに負の符号をつけたものと、同じになるようです。

 

それぞれのk次三角数で、掛けると次の項になるような数を並べていくと、どうやら比例になっていることに気付きました。

掛けると次の項になるような数を並べていくと

0次三角数は  ×1,×1,×1,×1,×1,×1,……

1次三角数は  ×2,×3/2,×4/3,×5/4,×6/5,×7/6,……

2次三角数は  ×3,×2,×5/3,×3/2,×7/5,×4/3,……

3次三角数は  ×4,×5/2,×2,×7/4,×8/5,×3/2,……

4次三角数は  ×5,×3,×7/3,×2,×9/5,×5/3,……

となり、縦の列で見ると比例になっています。

1列目は1ずつ、2列目は1/2ずつ、3列目は1/3ずつ、

n列目は1/nずつ値が増えていっています。

 

この比例を負の次数まで考えて、負の次数の三角数に当てはめてみても矛盾なかったです。

 

負の次数の三角数パスカルの三角形と似ているので、

パスカルの三角形の各行で、掛けると次の項になるような数を並べても比例になっているようです。

楽しいね!

 

以上です! お読みいただきありがとうございました!

 

等比と小数点

無限等比級数の公式より

-1<r<1とするとき

1+r+r^2+r^3+r^4+……=1/(1-r)です。

例としてr=1/2を考えると

1+1/2+1/4+1/8+1/16+……=1/(1-1/2)=1/(1/2)=2

となり、これは2進数で

1.11111111……=10

と書けます。

 

さて、r=0.1×s(-10<s<10)とすると

1+(0.1×s)+(0.1×s)^2+(0.1×s)^3+(0.1×s)^4+……=1/(1-(0.1×s))=10/(10-s)

となり、両辺に0.1をかけると

0.1+0.01×s+0.001×s^2+0.0001×s^3+……=1/(10-s)

となります。

 

Aという実数の

10進数表記した際の整数部分をa[0]、小数点第n位をa[n]とし

{a[0],a[1],a[2],a[3],……}とAを表記することにします。

さっき書いた

0.1+0.01×s+0.001×s^2+0.0001×s^3+……=1/(10-s)

はこの表記を使って

{0,1,s,s^2,s^3,……}=1/(10-s)

と書けます。

 

sに2を代入すると

{0,1,2,4,8,……}=1/8=0.125

となり

整数部分が0、小数点第n位が2^(n-1)の数は

1/8(=0.125)になることが分かります。

同様に、整数部分が0、小数点第n位が3^(n-1)の数は

1/7になると分かります。

1/7は0.14285714285714……と小数点以下で142857を循環するので

3の累乗を繰り上げていくと、142857の循環が生まれることが分かりました。

最後に、sに-1を代入してみると

{0,1,-1,1,-1,……}=1/11

となり、1/11=0.09090909……なので確かに負の数でもこの等式は成立しています。

 

無限等比級数の公式は有名ですが

小数点で考えると楽しいなと思いました。

以上です お読みいただきありがとうございました!

1が並んだ数同士のかけ算 その2

前回の記事

mizumiya-umi.hatenablog.com

ではレピュニット数(1のゾロ目になっている数)同士の2つのかけ算を考えました。

今回は主に3つ以上のレピュニット数のかけ算を考えます。

 

この記事では桁の中が10以上になって繰り上がるのを避けるため

125を{1,2,5}

と表記し、桁の間にコンマを入れることにします。

このように表記した数同士のかけ算は

以前の記事『数列の環』で定義した数列の積(かけ算)と同一視できます

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

では、まず3つのレピュニット数のかけ算をします。

{1,1}×{1,1}、つまり{1,2,1}をレピュニット数にかけていくと

{1,1}×{1,2,1}={1,3,3,1}

{1,1,1}×{1,2,1}={1,3,4,3,1}

{1,1,1,1}×{1,2,1}={1,3,4,4,3,1}

{1,1,1,1,1}×{1,2,1}={1,3,4,4,4,3,1}

{1,1,1,1,1,1}×{1,2,1}={1,3,4,4,4,4,3,1} 

となり、{1,1,1}以上のレピュニット数にかけると

「両端が1、端から2番目が3、それより内側が4」になるようです。

 

簡潔にするため、aがb個並んでいたなら[a○b]と書くことにします。

例えば{a,a,a,a}={[a○4]}とします。

{a,b,b,b,c,d}={a,[b○3],c,d}というように

部分でも並んでいればこの記号で短縮します。

 

さて、nを自然数とするとき

{[1○(n+2)]}×{1,2,1}={1,3,[4○n],3,1}

と表記できます。

さらに、121=11×11=11^2(^はべき乗という意味)なので、

{1,2,1}は{1,1}^2と書け、さらに{[1○2]}^2とも書けるので

{[1○(n+2)]}×{[1○2]}^2={1,3,[4○n],3,1}

と書けます。

mを自然数とするとき

レピュニット数に11^m(つまり{[1○2]}^m)をかけたものを順に確かめていくと

{[1○(n+3)]}×{[1○2]}^3={1,4,7,[8○n],7,4,1}

{[1○(n+4)]}×{[1○2]}^4={1,5,11,15,[16○n],15,11,5,1}

{[1○(n+5)]}×{[1○2]}^5={1,6,16,26,31,[32○n],31,26,16,6,1}

となるようです。

{[1○(n+m)]}に{[1○2]}^m をかけると、両端からm個内側には2^mがn個並ぶみたいですね!

 

{[1○2]}^mの次に{[1○3]}^mを考えてみると

 {[1○(n+2)]}×{[1○3]}^1={1,2,[3○n],2,1}

 {[1○(n+4)]}×{[1○3]}^2={1,3,6,8,[9○n],8,6,3,1}

 {[1○(n+6)]}×{[1○3]}^3={1,4,10,17,23,26,[27○n],26,23,17,10,4,1}

 {[1○(n+8)]}×{[1○3]}^4={1,5,15,31,50,66,76,80,[81○n],80,76,66,50,31,15,5,1}

となり

{[1○(n+2m)]}に{[1○3]}^m をかけると、両端から2m個内側に3^mがn個並ぶようです。

 

kを自然数として一般に{[1○k]}^mを考えた場合

{[1○(n+(k-1)m)]}に{[1○k]}^m をかけると、

両端から(k-1)m個内側にk^mがn個並ぶんじゃないかと思います。

 

なんだか、ゾロ目を見る目が変わってきますね!

以上です! お読みいただきありがとうございました!

1が並んだ数同士のかけ算

11や111や1111など、どの桁も1の自然数をレピュニット数と呼ぶそうです

レピュニット数同士のかけ算で思いついたことを書きます

 

レピュニット数たちに11をかけてみると、

11×11=121

111×11=1221

1111×11=12221

11111×11=122221

111111×11=1222221

となり、

両端の桁が1、内側の桁が2になっています

 

次にレピュニット数たちに111をかけると、

11×111=1221

111×111=12321

1111×111=123321

11111×111=1233321

111111×111=12333321

となり、

111以上のレピュニット数にかけたときは、

両端が1、端から2番目が2、それより内側が3になっています

 

レピュニット数たちに1111をかけると

11×1111=12221

111×1111=123321

1111×1111=1234321

11111×1111=12344321

111111×1111=123444321

となり、

1111以上のレピュニット数にかけたときは、

両端が1、端から2番目が2、端から3番目が3、それより内側が4になっています

 

これらの例から考えられるように、

 1がn個並んだレピュニット数を[n]レピュニット数と呼ぶことにし、m≧nとするとき、

[m]レピュニット数に[n]レピュニット数をかけると、

両端から(n-1)番目までは(n-1)で、それより内側はnになっているようです

(桁の数が10以上になって繰り上がることは、いったん置いています)

 

 単純ですが、楽しいなと思います

お読みいただきありがとうございました!

1行目を自由にしたパスカルの三角形の性質

パスカルの三角形の1行目にどのような数をいくつ配置しても、

「隣り合う数の和を下に置く」ことさえ守れば成立する性質を見つけました。

それは

「n行目のそれぞれの数に、n+1行目にある右斜め下の数を掛けて、和をとったもの」と

「n行目のそれぞれの数に、n+1行目にある左斜め下の数を掛けて、和をとったもの」

の値が同じになるという性質です。

 

例として、-2と1を1行目に置いたパスカルの三角形(この記事では〈-2,1〉三角形と呼ぶことにする)を考えます。


-2 1
-2 -1 1
-2  -3 0 1
-2 -5 -3  1  1

 

 1行目の-2と1に2行目にある右斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-1)+1×1=3 で、

1行目の-2と1に2行目にある左斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-2)+1×(-1)=3 と一致します。

 

2行目の-2と-1と1に3行目にある右斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-3)+(-1)×0+1×1=7 で、

2行目の-2と-1と1に3行目にある左斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-2)+(-1)×(-3)+1×0=7 と一致します。

 

3行目の-2と-3と0と1に4行目にある右斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-5)+(-3)×(-3)+0×1+1×1=20 で、

3行目の-2と-3と0と1に4行目にある左斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-2)+(-3)×(-5)+0×(-3)+1×1=20 と一致します。

 

証明します。

n行目に左から順に

a[1],a[2],……,a[k]

というk個の数が並んでいるとします。

このとき、n+1行目には左から順に

a[1] ,a[1]+a[2] ,a[2]+a[3] ,……,a[k-1]+a[k] ,a[k]

というk+1個の数が並びます。

 

ここで、n行目のそれぞれの数にn+1行目にある右斜め下の数を掛けて和をとると

a[1](a[1]+a[2]) +a[2](a[2]+a[3]) +……+a[k-1](a[k-1]+a[k]) +a[k]a[k]

=(a[1]^2+a[2]^2+……+a[k]^2) + (a[1]a[2]+a[2]a[3]+……+a[k-1]a[k])

 

n行目のそれぞれの数にn+1行目にある左斜め下の数を掛けて和をとると

a[1]a[1]+a[2](a[1]+a[2])+a[3](a[2]+a[3])+……+a[k](a[k-1]+a[k])

=(a[1]^2+a[2]^2+……+a[k]^2) + (a[1]a[2]+a[2]a[3]+……+a[k-1]a[k])

と同じ値になったので、真であると示せました。

 

 

また、「n行目のそれぞれの数にn+2行目にある真下の数を掛けて和をとったもの」は

「n行目のそれぞれの数にn+1行目の右斜め下の数を掛けて和をとったもの」の2倍になります。

〈-2,1〉三角形でみると、

1行目の-2と1に、3行目にある真下の数を掛けて和をとると、

(-2)×(-3)+1×0=6

2行目の-2と-1と1に、4行目にある真下の数を掛けて和をとると、

(-2)×(-5)+(-1)×(-3)+1=14

と、確かに「右斜め下の数を掛けて和をとったもの」の2倍になっています。

 

証明を書きます。

n行目に左から順にa[1],a[2],……,a[k]

というk個の数が並んでいるとします

このとき、n+1行目には左から順に

a[1] ,a[1]+a[2] ,a[2]+a[3],……,a[k-1]+a[k] ,a[k]

というk+1個の数が並び、

n+2行目には左から順に

a[1] ,2a[1]+a[2] ,a[1]+2a[2]+a[3] ,a[2]+2a[3]+a[4],…

…,a[k-2]+2a[k-1]+a[k] ,a[k-1]+2a[k] ,a[k]

というk+2個の数が並びます。

n行目のそれぞれの数に、n+2行目にある真下の数を掛けて和をとると、

a[1](2a[1]+a[2])+a[2](a[1]+2a[2]+a[3])+a{3}(a[2]+2a[3]+a[4])+…

…+a[k-1](a[k-2]+2a[k-1]+a[k])+a[k](a[k-1]+2a[k])

=2(a[1]^2+a[2]^2+……+a[k]^2) + 2(a[1]a[2]+a[2]a[3]+……+a[k-1]a[k])

となって

「n行目のそれぞれの数にn+1行目にある右斜め下の数を掛けて和をとったもの」の2倍になることが分かり、証明できました

 

ちなみに、一番最初に書いた性質は一般化できるようです

「n行目のそれぞれの数に、n+m行目の右斜め下の数を掛けて、和をとったもの」と

「n行目のそれぞれの数に、n+m行目の左斜め下の数を掛けて、和をとったもの」

の値が同じになるようです。

 

〈-2,1〉三角形で、m=2の場合を見てみましょう。

1行目の-2と1に3行目の右斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×0+1×1=1で、

1行目の-2と1に3行目の左斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-2)+1×(-3)=1と一致します。

 

2行目の-2と-1と1に4行目の右斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-3)+(-1)×1+1×1=6で、

2行目の-2と-1と1に4行目の左斜め下の数を掛けて和をとると

(-2)×(-2)+(-1)×(-5)+1×(-3)=6と一致します。

 

また、「隣り合う3つの数の和を下に置く」というルールに変えたパスカルの三角形において、1行目にどのような数をいくつ配置しても、

「n行目のそれぞれの数に、n+m行目の右斜め下の数を掛けて、和をとったもの」と

「n行目のそれぞれの数に、n+m行目の左斜め下の数を掛けて、和をとったもの」

の値が同じになる性質は成り立つようです。

 

一般化した「隣り合うx個の数の和を下に置く」というルールのパスカルの三角形でもこれらのことが成立していたら楽しいな、と思います

以上です お読みいただきありがとうございました!