明るい夜のまばたき

数が降る街

数学で考えたことを書いています

和が1の行列の体 その2

前回の記事、

mizumiya-umi.hatenablog.com

 

では二次正方行列を考えましたが、これをn次正方行列に一般化できるらしいことに気付きました。

 

まず3次正方行列を見ていきます。

a,b,c,x,y,zを実数とし、a+b+c=1,x+y+z=1となっているとします。

(a b c)
(c a b)
(b c a)

という形で表せるすべての行列の集合は、通常の乗法に関して可換群になっています。

 

また、

s,t,uを

s=a+x-1/3

t=b+y-1/3

u=c+z-1/3

とし、

(a b c)
(c a b)
(b c a)

と、

(x y z)
(z x y)
(y z x)

の和を、

(s t u)
(u s t)
(t u s)

と定義すると、この加法に関して上記の集合は可換群になります。

この加法と乗法は分配法則を満たし、この集合は体になります。

 

一般のn次正方行列でも同様です。

 

素数を法とするときを考えるのも面白いです。

pをnと互いに素な素数とします。

mod pにおいて、n次正方行列の上記のような集合は、上記のような加法と乗法に関して、位数p^(n-1)の体になるようなのです。

 

以上です!お読みいただきありがとうございました!