「ピタゴラス数と倍数 その2」の続きです。
(a,b,c)というピタゴラス数の三つ組に対して、t=2(a+b-c)とすると、
(t-a,t-b,t-c)のそれぞれの絶対値をとったものはピタゴラス数の三つ組になるのでした。
この操作は二回ピタゴラス操作を行うことともとれるので、二重ピタゴラス操作と呼ぶことにします。
実は、負の数の含まれるピタゴラス数の三つ組に対して二重ピタゴラス操作を行っても、絶対値をとりさえすればピタゴラス数の三つ組が現れます。
(-a,b,c),(a,-b,c),(a,b,-c)という3つの三つ組それぞれに対して二重ピタゴラス操作を行うことと、(a,b,c)に対してバーニングとホールの行列U,D,Aを掛けることが同じであることに気付きました。(バーニングとホールの行列については、細矢治夫著、「トポロジカルインデックス(日本評論社)」を参考にしました)
証明は簡単で、単純に計算すれば一致します。
バーニングとホールの行列を(3,4,5)に掛けていくことですべてのピタゴラス数の三つ組が一度ずつ表れることは証明されているので、
ピタゴラス数の三つ組のうちひとつにマイナスをつけ、二重ピタゴラス操作をすることで、すべてのピタゴラス数の三つ組が一度ずつ表れることも証明されました。
また、(a,b,c)に二重ピタゴラス操作を行って現れる三つ組を(d,e,f)とすると、(d,e,f)に対してバーニングとホールの行列U,D,Aのいずれかを掛けると(a,b,c)が現れます。
(a,b,c)に二重ピタゴラス操作を行うと(a,b,c)の源流のピタゴラス数の三つ組が現れる、というイメージで良いと思います。
ピタゴラス数の三つ組の源は(3,4,5)なので、ピタゴラス数の三つ組にマイナスをつけずに二重ピタゴラス操作を行い続けることで、(3,4,5)が必ず現れることが分かります。
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