木村俊一著『連分数のふしぎ(講談社)』を参考にさせていただきました。非常に面白い本なのでおすすめです。
まず純循環連分数の説明をします
とは言っても、連分数をはてなブログでどうやって書いたらいいのか分からないので、連分数についてはググってもらうのが良いと思います。すみません。
一応見にくいですが書いておくと、連分数とは、
a+(1/(b+1/(c+1/d))
となっているような分数のことです。ただしa,b,c,dは自然数です。
ここでは例にあげた連分数を[a,b,c,d]と書くことにします。
純循環連分数とは、[a,b,a,b,a,b,……]という風に、任意の個数の数を無限に繰り返す連分数のことです。ちなみに循環連分数は二次方程式の解の値になることが知られています。
純循環連分数を途中で切り上げていくと、分母と分子にそれぞれ一般フィボナッチ数列を合成したものが現れます。
[1,2,1,2,1,2,1,2……]を例にあげると、
[1]=1
[1,2]=3/2
[1,2,1]=4/3
[1,2,1,2]=11/8
[1,2,1,2,1]=15/11
[1,2,1,2,1,2]=41/30
[1,2,1,2,1,2,1]=56/41
……
となり、分子だけを並べると
1,3,4,11,15,41,56,……
となります。これは実は、「前の2つの数を足して次の数を作る」という計算と「前の前の数と前の数の二倍を足して次の数を作る」という計算を交互にしているのです。
1+3=4
3+4×2=11
4+11=15
11+15×2=41
15+41=56
というようにです。
分母も同様の計算をしています。
ではこの分子の数列を遡ってみましょう
1,3,……の前の数をx(1)とするとx(1)+1×2=3なのでx(1)=1つまり1,3,……の前の数は1
1,1,3,……の前の数をx(2)とするとx(2)+1=1なのでx(2)=0
0,1,1,3……の前の数をx(3)とするとx(3)+0×2=1なのでx(3)=1
1,0,1,1,3……の前の数をx(4)とするとx(4)+1=0なのでx(4)=-1
-1,1,0,1,1,3……の前の数をx(5)とするとx(5)-1×2=1なのでx(5)=3
となります。
計算した量が少ないので分かりにくいですが、実は符号を無視すれば、x(2)=0を中心として分子の数列は対称になっています。(対称というのは中心とした項から同じ距離だけ離れたところにある項の値が同じになっているということです。ただし今回は符号を無視します)
分母の数列も同様に対称的になっています。
一般に、純循環連分数を途中で切り上げていくことで現れるすべての一般フィボナッチ数列を合成したものは、対称性を持っているだろうと予想しています。
連分数についてはもっともっと面白いことが言えそう、というかいくつか既に思いついていることもあるので、近々続きを投稿すると思います。
分かりにくいところ、間違っているところなどあれば是非教えてください。
お読みいただきありがとうございました!